「レディー・マエストロ」

女性指揮者のパイオニア、アントニア・ブリコの半生を描く伝記ドラマで、オランダ映画です。
今もなお、圧倒的に男性が多いオーケストラの指揮者ですが、舞台は約１００年前の1926年、ニューヨーク。
女性が指揮者になるという夢を見ることさえ許されなかった時代に、キャリアも富もコネも無く、自らの手でその夢をつかんだ彼女の波乱万丈の道のりを、数々の名曲とともに描いています。

オランダからの貧しい移民の娘アントニアは、「女性は指揮者になれない」と言われながらも、指揮者になるためならどんな困難にも挑むと決めていました。音楽への情熱だけは誰にも負けない彼女は、ナイトクラブでピアノを弾いて稼いだ学費で音楽学校へ通い始めますが、ある事件から退学を余儀なくされます。恋人である大富豪の息子を置いて、アムステルダム、ベルリンへ・・・。
女性指揮者へのバッシングなどの困難、恋人との関係、彼女自身の出生の秘密、親友であり、理解者であるナイトクラブの楽団員の抱える秘密など、盛りだくさんの内容ですが、どの世界でもパイオニアとなる人の勇気と努力は実に素晴らしいと、つくづく感心させられます。