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2019年08月07日00:32

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妄想物語

〜才女のメッセージ〜

基本
僕の机の中には何もない
だから
たまに頭を下げて除いて見つける物は
誰かの僕へのメッセージ


「あっ なんだこれ?」
机の中に手を入れたら本みたいな触感があった

『誰がどう見たってノートだけど』
通路を挟んだ隣席の外畑さんがすかさず指摘する

「ノート?
そんなの俺持ってないけど」
実際
入学の時に気合を入れて買った大学ノートが
三年の今もまっさらで家にある

『そういうの周知の事実っていうのよ』

「羞恥の史実?」

『あっうまい事言うね まさに汐ゐ君の歴史だよ』

「あー!?なんかいっぱい書いてあんじゃん」

『あーそういえば 朝一番に広瀬さんが何気なく
机に何か入れてったけど これかあ
ていうか 今五限目終わったとこだよ
気づくの遅すぎない?』

「えーっと
一限目国語 二限目地学 三限目英語 ・・・
頭痛くなって来た」

『それって 昨日の授業じゃん 汐ゐ君がずる休みした』

「ずるじゃないよ 風邪だよ 悪性の ほらほらコホンコホン」

『寄るなっ しっし
それにしてもさあ 学年一の才女の想いが伝わんないの?
でこすけが…あっ!広瀬さん』

噂の広瀬さんが目の前に来た

『汐ゐ君 わたし勝手なことしちゃって 迷惑だったかしら?
走り書きで読みずらかったでしょう?』
なんかとてもすまなそうな顔してる

「い いや そんな事ないよ 綺麗な文字で読み易かったよ」

『ほんとう?あー良かった』
なんかとても嬉しそうな顔してる

《さっきノートに気が付いて開いてもいないのによく言うよ…》
外畑さんが広瀬さんの後ろで笑いを堪えてる

《ぜったい言うなよ…》
僕は念押しのおっかない目をする

『どうなさったんですか?まだ熱がおありですか?』
また広瀬さんが心配そうな顔になる

「い いや もう元気元気
助かっちゃった 六時間分の穴って大きいもんね」

『ほんとう? 嬉しい…』
広瀬さんが今度は少し赤くなる

《六時間分って 五限六限は体育だろ!ばかじゃん》
外畑さん必死に笑いを堪える

《あとで覚えてろよな…》
僕は更におっかない目で外畑さんに眼を飛ばす

『ご ごめんなさい 具合が悪いのに…
そうだ!
一緒に教員室に行って 体調が戻ったら先生に補講のお願い
してみましょうか? わたしも一緒に受けます!』
広瀬さんが輝き始めた

「ほ ほ ホコウ?」
僕は驚きの余り 補講が外国語に聴こえた

《うぐいすかっ! ぶふっ!》
外畑さんが遂に吹き出した…

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