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2019年04月05日03:36

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3月31日 末廣亭余一会夜の部 立川左談次一周忌追善興行

●歌手ショーケンが好きだった。俳優としての萩原健一も良いのだが、多くの人と共同作業になる(がゆえに軋轢や問題も起こりやすい)映画やテレビの現場ではなく、自らがハンドリングできる(もしくは井上堯之という頼れる存在が控えている)ステージでのショーケンが好きだった、のかもしれない。●

 30日座・高円寺でノラや寄席400回記念の昼夜2回公演イベント。
昼は白鳥、白酒、小せん、天どん、萬橘と変化球揃い。夜は喬太郎、文蔵、扇辰、菊之丞、一之輔という、これでもかとばかりに揃えた面々。正直ノラやの落語会は、あの狭さに詰め込まれて見るには入場料が高いと思うのだが、今日は会場も良いし4.000円しても仕方ない

●前座 門郎「道灌」

●菊之丞「金明竹」
 巧い人の前座噺は楽しい。今年は古今亭推しだったはずが「いだてん」の低視聴率で出端をくじかれた形らしい。

●扇辰「紫檀楼古木」
 キセルの竹を取り換えてもらおうと呼び止めた羅宇屋の老爺。薄汚い身なりに呆れて陰口を云うご新造と女中。この老爺、実は紫檀楼古木という稀代の狂歌の読み手・・・という珍しい噺。キセルの説明をしながら、火皿に火をつける仕草をして「白鳥には出来ない」。確かに、白鳥は喬太郎に指摘されるまで長らくキセルに火をつけてなかったらしいからね。

●文蔵「子は鎹」
 聞くたびにおかみさんが良くなってくる。自分は聞いたことがないのだが、「強飯の女郎買い」も演じてるのだろうか。似合いそう。

<中入り>
●一之輔「噺家の夢」
 この噺を聞くと喜多八を思い出す。抜けた感じの軽い噺。

●寒空はだか
 やたら準備期間が長かった新元号への移行だが、「どうせなら一般公募したほうが良かったですよねぇ。それで一般公募してヘンなのが一位になったら、まったく別のところからもってくればいいじゃないですか」と云って「ゲゲゲの鬼太郎」の替え歌「♪ゲ、ゲ、ゲイトウェ〜イ」。確かに新駅名高輪ゲートウェイ、公募順位130位だったらしいからね!

●喬太郎「すなっくらんどぞめき」
 高座の上でのたうち回る熱演が過ぎて、着物のわきが破れてしまった。あの巨体ではやむなし。終演後のエレベータの中で、若い女性客が「池袋すなっくらんどってフードコートみたいなもの?」。いや、あれはいろいろ吹き溜まり・・・。


翌31日は末廣亭3月余一会夜の部で「立川左談次一周忌追善興行」。亡くなったのが昨年の3月19日だったから、正に一周忌。協会を超えて前座修行を共にした仲間の落語家たちが集まった。
 5時の開演少し前に到着。すでに談幸のところの前座、ソフトモヒカン?の幸吾が「唐茄子屋」を演じているところだった。

●談吉「権兵衛狸」 
 「思い出は後の師匠方にお願いして、今日は左談次師匠から教わった噺をやります」。談志が亡くなった直後の広小路亭でもこの噺をやっていた。「どぶろく」を談志は「マウンテンデュウと云っておりました」。談志の死後、左談次預かりになった次第では「この末廣亭の裏手(「楽屋」のことか)で相談しましたが」あまり弟子を取らない主義の左談次は困惑していたそうだ。

●左平次「近日息子」
  前の名前の談奈は左談次のものでもあったのだな。確か「ダンナさん会」という落語会をやっていた。談吉をあずかる前は左談次のただ一人の弟子だった。「なのになぜ談吉は(談修門下に行って)私を師匠に選ばなかったのか・・・(W」

●談之助 コスプレ漫談
 日ごろから唐沢俊一と組んでマニアックなことをやっているトンデモ系。今日はこの人が左談次がやっていた読書落語をやるかと期待していたが、まったく追善らしくない方向に。
 
●勢朝 漫談
 文芸坐ル・ピリエの新作落語の会で、よく昇太と一緒に漫談をやっていたなあ。とにかく人の悪口が芸になるのがすごい。

●漫謡 東京ボーイズ

●才賀「カラオケ刑務所」
 協会が分裂した後、立川流が高座に立てなくなった鈴本に、左談次を「背負って」出たことがあるのだそうだ。自衛隊経験があり、刑務所慰問も長年続けていたり、気骨がある人なのだな。

●竜志 小咄
 声の調子、というか体調がすぐれなかったのかな。残念だが医者の小咄で下がった。

<中入り>

●竹丸 漫談
 歌之介改め圓歌といい、鹿児島出身噺家の漫談力にはホントに感服する。

●談笑「花見酒」
 思えばこの人目当てで通っていた広小路亭で左談次を見たり、前座時代の談吉やらく兵を知ったのだなあ。

●一朝「蛙茶番」
 追善の席でも「いっちょうけんめい」。「サダさんは・・・」と思い出を語る声がとてもやわらかい。下ネタオチの禁煙落語でも品を損なわない。

●紙切り 正楽
 前列から立川流の紋(左三階松)の注文があったが「それはキレません」と微笑みながらもお断り。この人が注文を断るのを初めて見た。替わりに切ったのが「アタシが実際に見たンですが」と前置きして「川柳川柳に飛び蹴りをくらわす左談次」。

●談幸「町内の若い衆」
 追善だからと云って泣かせる、聞かせるような噺をするのはらしくないから・・・ということで「軽い噺で行きましょう」。トリらしくはないかもしれないが、明るく締めてくれた。寄席の高座がよく似合う。左談次も寄席で光る演者だったろうと思うのだが・・・。

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