リオネル・ブランギエ指揮チューリヒ・トーンハレ管によるラヴェルの管弦楽曲全集。
何か新しめのラヴェルが聴きたくなって、捜してみたらこれが出て来た。
2014-2015年の録音。
ドイツグラモフォンのラヴェル管弦楽曲全集は、80年代のアバド盤以来ではなかろうか。
デヴィッド・ジンマンの後継としてチューリヒ・トーンハレ管の音楽監督に就任したのがこの若きフランス人、ブランギエ。
1986年生まれというからこの録音時にはまだ20代だったわけだ。
チューリヒ・トーンハレ管と言えばジンマンとの素晴らしいR.シュトラウス・シリーズの印象が強いが、あの精緻極まりない演奏を思えばラヴェルもきっといいだろうと期待は高まる。
ちなみにブランギエの登用はオーケストラ側の熱望によるものだったとか。
収録内容は
CD 1
1.シェヘラザード
2.ツィガーヌ
レイ・チェン(ヴァイオリン)
3-6.クープランの墓
7.ボレロ
CD 2
1-3.ピアノ協奏曲 ト長調
ユジャ・ワン(ピアノ)
4-11.高雅にして感傷的なワルツ
12-18.マ・メール・ロワ
CD 3
1.「ジャンヌの扇」のための「ファンファーレ」
2.亡き王女のためのパヴァーヌ
3.古風なメヌエット
4.海原の小舟
5-7.左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調
ユジャ・ワン(ピアノ)
8-11.スペイン狂詩曲
12.道化師の朝の歌
13.ラ・ヴァルス
CD 4
1-12.ダフニスとクロエ
既発のピアノ協奏曲2曲以外はライヴとされるが、終演後の拍手は入っていない(咳は聞こえる所あり)。
何気に「シェヘラザード」から始まるのがカッコイイ。
概してテンポが速く、ソリッドで起伏の大きな演奏。
当初は若々しさを感じると同時にやや落ち着きがないという印象で、かなり違和感があったのだが、何度か聴いているうちに馴染んで、今ではすっかり魅了されている。
ラヴェルというと計算され尽くした冷徹な音楽というイメージが強かったが、この様に鼻息の荒い熱い演奏で聴くのも新鮮。
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