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2018年01月21日21:29

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1月14日 高円寺HAKO「進め! 新作気鋭の会 7」

●NHKで放送していたドラマ「明智探偵事務所」が大好きだった。だが主演の夏木陽介は、未だに褒めてくれる人も多いけど、自分は全然好きじゃない云々と近年のインタビューでコメントしていて、当時特集記事が掲載された『グラフNHK』まで買った記憶がある自分はちょっと悲しかった。●

 年に一度くらいホール落語にも行ってみるかということで、はるばる武蔵小金井宮地楽器ホール「こがねい落語特選 新春温故知新 革新の落語家たち」。ホール落語というかちょっと大きめの地域寄席の体。600席弱で、このメンバーなら当然だがチケットは完売。午後1時開演と早い時間から。

〇開口一番 門朗「元犬」
 M.モンローのアクセントで名乗っていた。イチローと同じだと思っていた。サゲはいつもの「面白い人だね」「ええ、頭も白いんです」。この後高座返しとめくりをやっていたのだが、何か終始投げ遣りな感じ。面白くないことでもあったのか。

〇彦いち「反対俥」
 今日のメンバーは全員が同時期に前座時代を過ごした仲間。「立て前座が文蔵師匠、遊雀師匠が太鼓を叩き、高座返しとめくりが喬太郎アニさんで、僕が楽屋でお茶を煎れている・・・みたいなかんじですかね」。みな良き仲間であり良きライバル。人力が川を渡る場面で水中を魚が泳ぐ様を、扇子を使って演じていた。以前見た時は「あ、ニモ!」といっていたから、ピクサーのアニメの公開時だったのかしら。

〇文蔵「子別れ・下 子は鎹」
 この会場はもうお馴染みなのだろうか。高座に上がる前に観客を煽って拍手を要求する程度には慣れた雰囲気。

<中入り>

〇遊雀「看板のピン」
 この噺、この人で聞くの初めてかもしれない。三下がチョボイチしているのではなく、堅気の町内の若い者が集まってちょっと悪い遊びをしているところに、いまは現役を引退した元やくざの顔役が現れて・・・という設定。
 
〇喬太郎「品川心中・上」
 マクラでもしも幇間が北朝鮮に行ったら・・・の話題。噺家なんだから当たり前だが、扇子の捌き方が断然格好良い。お染が過去の書付を見ながら心中の相手を探す件、彦いちさんは脳まで筋肉だし、遊雀さんはバカだし、文蔵さんは・・・と今日の出演者を腐していた。


 小金井まで来たから中央線でもう一軒落語会。こちらは4日にも来た高円寺HAKOで今輔・百栄が出る「進め!新作気鋭の会」。日曜の夜だからだろうか、4日は入れるだけ入れて50人くらい入っていた会場も、今日は20人弱。あの時は出演者が4人だったからとは云っても、4人とも二つ目だった。今輔は「自分の落語家人生に於いて、二度落語ブームが来ている。一度は(NHKの)『ちりとてちん』が放送されていたころ、そして二度目はいまですが、今はイケメンな若手の人や二つ目さんたちの人気で、自分はどちらのブームにも乗れていない」といつもの自嘲マクラ。

 自分も以前は今輔について寿輔の弟子、新作、マクラでいつも本やクイズうんちくの人程度の認識しかなかった。それが変わったのは一之輔との会で百栄が演じた「甲子園の魔物」が今輔作だと知ってからだ。百栄は創作落語作家としても独特だが、演者としても独特で、巧い、というか、演じる際に無理に噺に合わせて自分を変えず、基調となる自分のトーンに寄せて演じられる人じゃないか。だからなのかどうか知らないが、他の落語家の作品でも、百栄で聞いた方が面白かったりする。この「甲子園の魔物」もそうで、果たして今輔で聞いてもあれほど笑えたか・・・。

 しかしこの百栄の落語をきっかけにして、その後今輔主任の寄席や日本橋亭の若手の会などに足を運ぶようになったのだから、何がきっかけになるのかわからない。何年か前、花形演芸会の銀賞を取った時の今輔の挨拶が、評価が定まらない新作を作り続けている中、こうした賞をいただけて嬉しい・・・というものだったと記憶している。そういう新作落語家が誰もが通る暗中模索の時期を経て現在がある、そんな二人の会は↓な感じ。

〇百栄「弟子の強飯」
 佇まいが六代目圓生そのものという高校生(サゲではないが、喬太郎の『午後の保健室』と同じ叙述トリック)を落語協会のスカウトマンがスカウトに来る噺。マクラで桂右女助の話が出てきて、ああ葬儀社に勤めていたう勝!と思い出した。いろいろな職業を経験した後に、けっこういい年齢で入門したという点が百栄と同じだと思ってはいたが、右女助が入門する際、末廣亭近くの喫茶バルコニーでアドバイスしたのが栄助時代の百栄だったそう。入門希望者のすべてが、電信柱の陰で憧れの師匠の出待ちをして弟子になるわけではないとは思うが、ホント百栄って・・・。

〇今輔「持つべきものは友」
 新米内科医の初めての宿直。急遽外科手術を行う羽目に陥った彼のために、ベテラン看護婦が近くに住む友人を次々に助っ人招集。それぞれの特殊技能を生かして無事に手術を成功させる・・・という噺。

<なかいり>

〇今輔「落語のイドラ」
 哲学者フランシス・ベーコンが人間の陥りやすい偏見、先入観を分類した4つのイドラ。その4つに加え、落語ブームが過熱して落語に出てくるエピソードを現実のものだと勘違いする人々が現れる現象・第5のイドラが・・・という今輔お得意のクイズ問題派生の非現実落語。

〇百栄「露出さん」
 新作の名作。他の噺家でも一度聞いてみたいが、例えばこれを三三が池袋の昼席浅い出番でいきなり演じたらどうだろうか。やっぱりスベるでしょうかね。ただ自分の希望としては喜多八で一度聞いてみたかった! もちろん異論は認めます。

 この日客席では小蝠の急死についての会話なども聞こえた。ついこの間真打になったばかりと思っていたが・・・。

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