「わたしたち」

「あいち国際女性映画祭」で見た韓国映画です。
東京フィルメックスの観客賞などﾄﾘﾌﾟﾙ受賞の快挙を成し遂げ、一般公開も始まります。

若き女性監督であるユン・ガウンの長編二作目で、自身や友だちの間であった体験をもとに、いじめやスクールカースト、家庭環境の格差、競争社会など、現代社会が
普遍的に抱える問題を盛り込みながら、友情や裏切り、嫉妬といった感情に戸惑い、葛藤しながら成長していく子どもたちの姿を描いています。

主人公は小学4年生の夏休みを迎えようとしている女の子ソン。
学校でいつも一人ぼっちだったソンは、転校生の女の子ジアと出会って親しくなり、楽しい夏休みを過ごします。
共働きのソンの母は多忙だけど愛情豊かです。一方、ジアの家はとても裕福なのですが・・・。
新学期になり、二人の関係に変化が起きます。

自殺するほどに深刻で過酷ないじめというわけではないけれど、心が傷つくには充分な残酷さ、そして優しさ。
狭い世界で、逃げ場が無い子どもの世界、子どもの感情が、とてもリアルに繊細に描かれていて、心に響きました。

子役はオーディションで選び、誰もがカメラの前で演技をしたことが無い子どもたちだったそうですが、二人の子役、特にソン役の少女の表情が素晴らしかったです。
ソンの幼い弟が可愛く、「じゃ、いつ遊ぶの？」というセリフ、とてもよかったです。