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2017年05月03日08:34

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『 ロシアン・スナイパー 』


mazonのキャンペーンで超特価で売られていた映画『 ロシアン・スナイパー 』のDVDを購入、仕事の合間に観た。第二次世界大戦でドイツ軍と戦ったソヴィエト軍女性狙撃兵リュドミラ・パブリチェンコの半生を描いた真面目な作品で、期待したほど戦場シーンはなかった。ルーズヴェルト大統領夫人エレノアとの交流を軸に、現在と過去を行きつ戻りつしなながら、主人公リュドミラの姿を追っていく本作品の構成が巧く機能しているとは言い難い。何より、現在のシーンに戻るたびに「 戦場の緊迫感 」が途切れてしまうのはもったいない上に、実にまどろっこしく感じる。

 リョドミラの天性の射撃センスが何に由来するのか、映画は一切触れない。生まれて初めて射撃をしたら、ずば抜けて上手かったのだから、正に「 天才 」なのだろう。上官と二人で最前線を越え、ドイツ軍の支配地域深くに潜入してドイツ軍兵士を狙撃していくカウンタースナイピングシーンは非常に興味深いものがあるが、このあたりの描写は案外あっさりしたものだ。ただ、環境に応じ、様々な偽装(カモフラージュ)テクニックを見せてくれるのは面白かった。リョドミラ達狙撃チームはドイツ軍狙撃兵情報を得ては、狙撃兵狩りに出かけていくが、双方の騙し合い、忍耐比べなどの対決描写もほとんど無いに等しい。これら戦場シーンを深く掘り下げて物語の核にしていれば、硬派な戦争映画、稀有な狙撃兵映画になっただろう。狙撃を描いた映画としては、『 ロシアン・スナイパー 』は残念ながら「 凡庸な作品 」と断じざるを得ない。

 狙撃を理解するには、映画『 シューター/極大射程 』、『アウトロー(トム・クルーズ主演)』、『 山猫は眠らない 』が最適であり、敵味方の狙撃兵対決を描いたものならば、『レニングラード(原題:Enemy At The Gate)』、『 アメリカンスナイパー 』を観る方がずっと良い。ドイツ軍狙撃兵の戦いについては、アルブレヒト・ヴァッカー著『 最強の狙撃手 』を読まれることをお勧めする。リュドミラと同じ東部戦線を描いていて、実に興味深い。
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