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2017年04月30日14:10

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🟣 モロッコ もろもろ

海外に行って私が見たいもの、私が知りたいことは観光地にはない。
正確に言えば、あまりない。
私はその国が「見せたいもの」よりも「見せたくないもの」の方を見たがる嫌な観光客なのだ。
だいたい見せたいものはすでにテレビ等で見ている場合が多いせいもある。

見せたいものしか見られなければ北朝鮮と同じで、その国の本当の姿なんか見えやしないからだ。
私はもっと庶民の生活、庶民の文化が見たいと思っていた。

だから今回のモロッコの旅に組み込まれている二軒の民家訪問は非常に興味があった。
一介のツアーの旅人の私が見られるものは高が知れているにしても。

♪涙じゃ〜
ないのよ〜
浮気な雨に…

ご存知、昭和の演歌「カスバの女」の一節。
三番の歌詞には「♪明日はチュニスか(チュニジアの首都)、モロッコか…」とある。

カスバとは要塞、あるいは城壁といった意味で「カスバの女」に謳われている舞台はアルジェリアだが、同じアラブ民族、同じイスラム教徒。
だからモロッコにもカスバは随所にある。

フェズのカスバの内側は青い町としても有名なシャウエン同様、敵の侵入を阻止するために迷路になっている。
そこには民家もあれば商店も軒を並べている。

荷物を運ぶロバも通る狭くてごちゃごちゃした通りは、あちこち剥げている高い壁に挟まれるようにして縦横無尽に続いているのだが、そんな壁にいくつもの民家のドアがある。
我々がお邪魔した家はその中の一軒の家。

驚くのはそのドアを開けると、いきなり華やかな柄のソファーがある二間続きの居間になっていること。
入ると二階まである。
なるほど、外壁が高いわけだと納得。
何しろ路地裏のような通路を作っている外壁はそのまま民家の壁なのだ。
通路は狭く、外壁は高いので路地の日当たりは非常に悪いけれど、中は天窓から明かりを採っているため、思いの外明るい。
そこで振る舞われたミントティーを飲みながら、台所を見せていただいた。
決して広くはないが、小綺麗にされていた。

火は小型のプロパンガスを使っているのだけど、どうやら直接コンロになるように作ってあるみたいだ。
壁には結婚式の写真。
おそらくカスバの中にある民家の中の、平均的なお宅だと思う。

三日後には文化遺産になっていて、ラッセル・クロウが主演したアカデミー賞受賞作品の「グラディエーター」がロケに使った「アイト・ベン・ハッドウ」にある民家にお邪魔した。

そこは文化遺産ということもあって、修復のためになら手をつけられるけれど、近代的にすることはできないためか、時代をかなり遡るように台所が外だった。
(写真 中)

見せていただいた居間の敷物は羊?のような動物の毛皮が敷かれていて、それがいかにもハンドメイド。(写真左)
トイレは陶器の便器だが、小さな穴が開いていて男性もしゃがむ。
したがって昔の日本のポットントイレのように、モノを落とすような心配は皆無。
そしてバケツに水を入れて流せるようになっているので、清潔だ。(写真右)
ただ流石にそこにはもう親族同士で数家族しか住んでいないとか。

こうした文化遺産もさることながらモロッコは観光で保っている国。
「アラビアのロレンス」でサハラ砂漠を訪れる観光客が増えたことにより、国も観光に力を入れているらしい。
特にワルザザートは映画のロケ地としてよく使われるため、ハリウッドのスタジオもいくつかある。

*アラビアのロレンス、

*スター・ウォーズ、

*007 リビング・デイライツ、

*ハムナプトラ/失われた砂漠の都、

*グラディエーター、

*クンドゥン

今までにもこれらの作品のロケがここであったとの事。
我々が宿泊したホテルはハリウッドのスターもよく利用するホテルだとかで、長く逗留していればハリウッドのスターに遭遇することもあるかも、と添乗員さんが笑って言う。

その関係でホテルのあちこちに映画で使われた馬車とか、王座なんかが置かれていて、ポスターも貼ってあった。

モロッコは私にいろんな顔を見せてくれた。
印象に残っている事はいくつもあるが、最後に通訳のガイドさんがイスラム教に対する偏見や誤解を解こうと、一生懸命真の教えを説明されていたことを、付け加えさせていただきたいと思う。
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