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2017年04月03日01:35

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バブルの太陽光発電所に投資するインフラファンドが東証上場、7%余の高利回りも魅力無し

 利回り年7.1%! 定期預金金利が0.01%というこの時代、これだけ聞いたら、新手の詐欺かと警戒したくなるが、れっきとした東証上場ファンドである。

◎東証上場で公募価格割れ
 3月29日に東証インフラファンド市場に上場された日本再生可能エネルギーインフラ投資法人(写真=同投資法人が組み入れる太陽光発電所)は、上場インフラファンドとしては3本目だが、予想分配金を同日の終値(1口8万6600円)で割った利回りが、冒頭の7.1%となったのだ。
 これを見れば、誰もが飛びつきたくなるだろうが、そうは甘くはない。実は、このインフラファンドの公募価格は9万3000円で、寄りつきから公募価格割れを起こし、その後3月31日までの3日間でも1度も公募価格を上回れないのだ。
 公募に応じた投資家は、全員損失、という悲惨な状況だ。今後も、公募価格を上回れるか、僕は疑問に思っている。

◎REITよりも倍近い利回り
 なぜこんなインフラファンドを取り上げたかというと、実は幹事証券の営業マンから募集に応募して購入するようにお誘いがあったのだ。気が進まなかったが、とりあえず目論見書を送ってもらって目を通し、魅力の無いことを確認したうえで、断った経緯がある。
 その時、営業マンは、公募価格に対して、公表された2018年1月期通期の予想分配金は6141円で、利回りは6.6%と、僕が多数購入しているREIT(不動産投資信託)の利回り3.5〜4%の倍近いという魅力をアピールしていたのだが。

◎資産の9割が小規模メガソーラー
 では、なぜ僕が断ったか。
 目論見書をザーとしか目を通していなかったが、資産に組み入れているのは、約9割が小規模メガソーラー(大規模太陽光発電所)8基で、しかも発電開始後2年ほど経っているものばかりだった。
 再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が始まって、初年度こそ買い取り固定価格は1キロワット時42円と、バカ高い価格に設定されたが、その後、悪質な業者の認定施設の架空発注や転売益目的などの乱立が批判され、またあまりにもたくさんの業者の乱入で、買い取り義務を課された電力会社が発送電電力安定のために買い取り制限をするなどし、一方でバカ高い値段で電力会社に売られた電気は、最終的に消費者に転嫁され、それがかなりの負担になりつつあることなどもあり、経産省は毎年、固定価格を下げている。

◎高い予想分配金は漸減の可能性
 4月1日から1キロワット時24円+消費税、来年度から同21円+消費税となる。
 むろん当初の高い買い取り価格は20年間保証されるが、メガソーラーのバブルが過ぎ去ったことだけははっきりしている。今後、新規のメガソーラーは、よほど好条件でないと建設できなくなるだろう。
 今回のインフラファンドの組み入れたメガソーラーが発電開始から平均2年だとすれば、1キロワット時42円より安く、さらに固定買い取り価格で買い取ってもらえる期間は、あと18年ほどしかない。つまり将来にわたって予想分配金6141円が保証されているわけではなく、今後、漸減していく可能性大なのだ。
 ここが、都心1等地のビルやマンションなどに投資するREITと明確に異なる。こうしたREITなら賃料改定でほぼ毎年、わずかだが分配金が上がる楽しみがある。都心というロケーションから資産の値下げリスクも小さい。

◎資産は時代遅れ
 年数がたっていけば、規模が数千キロワット級(メガソーラー8基で合計2万4000キロワット)の旧式となった資産の太陽光発電所など、価値が縮小していく。新型太陽電池を装備した超大型太陽光発電所にとうてい競争力はない。
 中東や北米の砂漠地帯などで今や100万キロワット級という原発並みの超大型メガソーラーがメインの時代に、数千キロワット級の小型メガソーラーなど時代遅れのガラパゴス太陽光発電所である。

◎高利回りは将来の減価の織り込み
 いろいろ考えれば、とうてい長く持てるファンドではない。将来の減価が確実であることが、公募価格割れの利回り7%前後という価格に織り込まれていると見るべきなのだ。
 むろん分配金を受け取れる権利日の数カ月前に安いところで購入し、分配金を受け取って数カ月後に買値を上回ったところで売る、という中期戦略はあり得るけれども。
 ただ権利日直前は、分配金受け取りを見込んで価格はかなり高くなっており、逆に受け取り直後は権利落ちで安くなるので、この点は注意が必要だ。

注 容量制限にタッチしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
 写真をご覧になりたい方は、お手数ですが、https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/201704030000/をクリックし、楽天ブログに飛んでいただければ、写真を見ることができます。

昨年の今日の日記:「トランプ氏の日韓核武装の容認発言の持つ危険極まりない意味;日韓の核武装化は可能なのか?」

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