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2017年02月27日17:50

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2月25日 さがみはら若手落語家選手権 予選第4回

 乾燥した冬の晴天。一日温暖と云っていたが、橋本の駅に降り立ったら風が強くて寒いのよのさ。予選会場の杜のホールはしもとは駅ビルの中。透明エレベータから眼下に広がる街を一望。駅前はゴチャゴチャした感じなのだが、割と近くに丹沢の山々が望めるという地方っぽさが悪くない。

 「さがみはら若手落語家選手権」は今年で16回。若手の登竜門のひとつとなっているのかな。参加する二つ目は20名。それを各5名、4回に分けて予選を行い、各回観客の投票で一位を勝ち取った二つ目と、4回の予選の中で得票数が多くて惜敗となった一人を加えた5人が本選で優勝争い。ここで優勝すると市の財団が出演料を持って、市内で企画された地域寄席に優勝した落語家を派遣するというもの。

 昨年は宮治が予選を勝ち抜いたにも関わらず、本選と先約の仕事が重なったため辞退と云う事態が生じ、そこで繰り上げ予選一位がたん丈っていくらなんでも・・・という気がするが(結果昨年の優勝者は花ん謝)、それくらい勝ちが読めない大会なんだと思う。
 まず予選で対戦する5名がどのような顔ぶれになるか。当日クジで決める予選の登場順が何番か。そして観客の大半が地元の年配者であり、多くが当日演者を初めて見る客であるということ。つまり「江戸の風が」とか「若手ながら古典の名手」よりも、目の前の客を笑わせてナンボ。審査員が決めるNHKのコンクールや花形演芸大賞とは別物なのである。
 25日は予選最終日。既に3回の予選で昇吉、さん若、小太郎が突破を決めている(暫定惜敗率一位は寸志)。最終日観戦を決めたのは、第4グループに小辰と小痴楽がいたからだが、この日に先立ってわん丈を見た印象からすると、わん丈がこの二人を押しのけて勝ちを取る可能性も否定できない。何しろこの人の落語は、今日のような観客に大層訴求力がありそうだ。

●オープニング
 前座兼司会の希光が登場して選手権の概要を説明。その後本日の挑戦者が登場して箱の中からめいめい数字の入った封筒をひく。開封すると登場順は朝之助、楽天、わん丈で中入り後小痴楽、最後が小辰となった。中入り後にこの二人があがるという状況、印象づけるというより、食い合ってしまうのでは。

●開口一番 希光「平林」
 最近目立つ、お笑い芸人からの転身組。

●朝之助「だくだく」
 一力のころは何度か見ていたが、二つ目になってからはそれほど印象に残っていなかった。しかし今回はトップバッター、観客に忘れられまいと、力いっぱい演じていた。先月の八起寄席で初めて見た一門初の女子・一花も良かったし、一朝一門安泰ですな。

●楽天「粗忽長屋」
 二番目と云うのも難しい出番。そこはどうしても師匠ネタ(錦糸町のホテル云々)に頼るしかない。ルックスも本日の演者の中ではちょっと見た目が地味。しかしこちらもなかなか良かった。また客がスレていないので、定番の小咄でもちゃんと笑ってくれるのが演者を助けていたんじゃないか。

●わん丈「新・蝦蟇の油」
 朝之助はほとんどマクラをふらなかったのだが、楽天は割とたっぷりマクラで印象付け、そのあたりもトップはちょっと不利だったか。わん丈になったらもうマクラから笑いがドッカンドッカン。この人は見た目はそれほど面白そうには見えない。つまりフラに頼らない話力があるのだ。「本日は極上のお客さま」と客をヨイショするのも忘れない。このいわゆるひとつの「ホスピタリティ」、たとえば小痴楽にそれがあるかと考えると・・・。

 この後中入り。5時から横浜で助っ人に入る仕事があり、ギリギリ4人目までは見られるかと思ったが、途中退出は避けたかったので、仕方なく受付に投票用紙をすべて返して会場を出た。あらかじめネタだしされていて小痴楽「浮世床」、小辰「金明竹」。どちらも何度も聞いているし、まあ勝ち負けがかかっているのだから普段より力は入るだろうが、どのように演じるかは予想がつく。ただ小辰は自分が最後になるとは思っていなかったんじゃないかしら。

 仕事を終えてツイッターを見ると、やはり予選通過はわん丈。惜敗率一位で予選通過は暫定のまま寸志だというから、二位の小痴楽は思ったより差をつけられたのかもしれない。自分は寸志は一度しか聞いたことがないし、昇吉の面白さがいまいちわからないので、本選は小太郎とわん丈の競り合いかと予想。小太郎は面白いと思うんだが、わん丈には勝てるかどうか。

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