mixiユーザー(id:168303)

2016年10月05日22:29

289 view

オートファジー

◆オートファジーとは
ギリシャ語でオートは「自分」、ファジーは「食べる」を意味する。「自食作用」と呼ばれ、細胞が健康な状態を維持していくのにとても重要な働き。私たちの体は、約60兆個もの細胞からできていて、絶えず新しい細胞に生まれ変わっているが、その生まれ変わりの過程に関係しているのがオートファジーである。
栄養状態が悪くなって細胞が飢餓状態に陥るようなことがあると、細胞は自ら液胞を作りそこで不要になった自身のたんぱく質を分解して再利用。新たな細胞を生み出すのである。


「人がやらないことを」・・ノーベル医学生理学賞の受賞を決めた大隅良典(おおすみよしのり)・東京工業大栄誉教授(71)は「流行ではなく面白いと思うことをやる」をモットーに、誰も取り組んでいなかった細胞内のオートファジー(自食作用)の解明の道を突き進んできた。基礎的な分野に地道に取り組み、顕微鏡をのぞき続けた真摯(しんし)な研究者は「この上ない幸せ」と、いかついひげを蓄えた顔を思いっきりほころばせた。 【10月4日 毎日新聞】




◆液胞のはたらき

大隅氏は、「液胞」のことをおもしろおかしく「細胞のゴミため」と呼んだそうだが、人間の体にだって腎臓や大腸という「ごみため」があり、おしっこやうんこという自浄システムがあるから人は生きられる。
彼はそのオートファジーを長年の酵母の研究から究明し、それは癌やアルツハイマー病の治療に役立つとのことだ。

私の高校の同窓生に、伏見の酒造メーカーで取締役醸造部長をしている農学博士がいるが、大隅氏は酵母の研究者の間では超有名な先生らしい。大隅氏のノーベル賞受賞の朝、彼は興奮気味にその記事をFBに投稿していた。


◆研究者としてのルーツ

大隅氏は東大卒だが高校は福岡高校。高校では成績トップで科学部の部長。
東大の教養学部に進んだのは、自分の専門を早い段階で決めず、いろんな角度からものごとの基礎をしっかり学んでからと思ったのではないか、と高校時代の同級生は言っていた。

人と競い合うのが好きでない温厚な性格。
「人がやらないことを」という人はたいがいへそまがりか、人と同じが嫌いな変人か。と思いB型の私としては親近感がわくが、
大隅氏がいう「人がやらないことを」というのは、人が競って取り組むテーマというのは、すでに一部は成功の可能性が見えているものであり、だからこそ人気テーマになる。大隅氏は敢えてそういうものは選ばないという。なぜなら、もうすでに誰かが先鞭をつけているテーマではなく誰もまだ解明していないことに取り組むからこそ意義があると思っているからだそうだ。


◆基礎科学の大切さ

ものごとの真理を解明することが科学の基本。
研究が世の中で役に立つことであるか役に立たないことであるかは、あとづけである。すぐに成果が求められ基礎科学がおろそかになっていく今の風潮、ビジネスに応用できる研究だけを重視する傾向に危惧をいだく、と彼は言っている。


「私の受賞が基礎研究を大切にする社会への弾みになってほしい」。
ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった大隅良典(おおすみ・よしのり)東京工業大栄誉教授(71)は4日朝、同大で報道陣に思いを語った。背景には近年、産業応用に直結する研究が重視され、大隅氏が取り組む基礎研究の厳しい環境がある。
こうした動向をとらえ、大隅氏は昨年、日本学術振興会のウェブサイトに寄稿。
「(研究機関が)研究費を獲得しやすい分野の研究者を採用する傾向が強まり、未知の課題に挑戦することが難しい雰囲気を助長している。すぐ企業化できることが役に立つと同義語のように扱われる風潮があるが、何が将来人類の役に立つかは長い歴史で検証される」と思いをつづっていた。【10月4日 毎日新聞】



◆妻・万里子さんについて

万里子さんは東京都立大を卒業後、東大大学院へと進み、同じ研究室で大隅さんと知り合った。2年後に学生結婚。2人の子に恵まれたが、子育てをほとんど万里子さんに任せ、自身は研究室にこもりっきりだったという。「忙しくて仕方なかった面もあるが、それにしても子育てには関わらなかった」と振り返る。
 「夫はいいかげんで不思議な人。ずぼらで適当なのに、どうして実験がうまくいくのか、不思議で仕方なかった。私の方がよっぽどきちんとしているのに」とおどけてみせた。。【10月4日 毎日新聞】

学生結婚、いたずら好きな夫 http://mainichi.jp/articles/20161004/k00/00m/040/087000c



ひとつのことに集中していると他のことがおろそか(ずぼら)になるのは当然。家事や子育ては妻に任せ研究に注力できたからこそ成功できたんだと思う。高学歴の妻が私も研究したい、家事や子育てを分担して、という人だったら結果は違っていたでしょう。夫婦の共同作業というのはなんでも分担するんじゃなくて、自分より優れた能力のある方にその能力がより発揮できるようもう一方がサポートすること。よく「内助の功」とかいうけれど、片方の犠牲の上に成り立つ成功とは違うものだと思う。





ノーベル賞25人 受賞続く日本
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=4223512
3 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2016年10月>
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     

最近の日記

もっと見る