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2016年05月08日16:13

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音楽の恩人

 つぶやきでも触れましたが、今日はとんでもない訃報に接することになりました。冨田勲さんが84歳で5月5日に旅立たれていたのです。
リボンの騎士
https://www.youtube.com/watch?v=664Wfc0Y7KA

マイティジャック
https://www.youtube.com/watch?v=syDiAnfZMhI

天と地と
https://www.youtube.com/watch?v=MOH9KrdJL1A

勝海舟
https://www.youtube.com/watch?v=rl4w8THOfyw

 振り返ってみれば、幼少年時代に私が親しんだテレビ番組の多くには、この人の音楽が付いていたように思います。
 また、次の曲を代表曲に挙げる人も多いですね。本当に素晴らしい作曲家であり、編曲家でした。
新日本紀行
https://www.youtube.com/watch?v=YoMRp3P8d_g 

 今ではシンセサイザーの第一人者としてよく知られているこの人も、シンセサイザーを始めた頃は、まだ日本ではこの楽器の名前すら知られておらず、楽器を外国から個人輸入しなければならなかったため、苦労されたようです(1971年頃)。
 なにしろ、楽器の値段そのものが非常に高く、まず金銭面での苦労が並大抵ではなかったと云います。
 そして、やっと楽器が日本まで来たら、今度は税関から軍事機器と疑われ(アナログコンピュータそのものですから、無理もないのですが)、税関の検査場で数ヶ月間も止められ、しかもその間の保管料まで請求されたそうです。
 その上、楽器とは関税率が異なる精密機器として扱われそうになったので、冨田さんは楽器であることを証明する必要に迫られました。そこで、冨田さんは、シンセサイザーの演奏写真を送ってくれと輸入元に頼んだのですが、これがまたいつまでたっても届かず(今のようにITが発達していなかった時代ですからね)、もうダメかと思った頃にやっと届いて、ようやく楽器を手に入れることができたということです(生前、ラジオの対談番組で語っておられました)。
 ただ、手には入れたものの、その楽器には、なんと説明書が付属していなかったそうで、使い方が全く分からなかった冨田さんはここでも苦労することになりました。そのため、「高いだけの鉄くずを買ってしまった」と後悔されてます。
 でも、ここでくじけずに、 その後も、電子音による管弦楽曲の再現を試行錯誤しながら始め、これを続けていったところが、この人の偉いところで、おかげで、私たちは、この分野でも、見事な作品の作曲・編曲を聴くことができます。
ドビュッシー:月の光
https://www.youtube.com/watch?v=8ajSyyzIC_8

ドビュッシー:雪は踊っている
https://www.youtube.com/watch?v=oz3wNCT4JAc

ホルスト:組曲「惑星」から木星
https://www.youtube.com/watch?v=Mn11SIK2-AI

ムソルグスキー:「展覧会の絵」
https://www.youtube.com/watch?v=grO3sEdHHe4

ヴィラ・ロボス:「ブラジル風のバッハ第4番」よりパルサーからの呼びかけ
https://www.youtube.com/watch?v=6UDyTNntlH0

 シンセサイザーでは、近代モノの編曲が多いですね。冨田さんによれば、近代モノは、作品の題名から映像をイメージしやすく、編曲しやすいそうですが、バッハとかベートーヴェンとかの作品となると編曲するには抽象度が高すぎて、編曲には苦労するということでした。
 個人的なことを言えば、冨田さんがシンセサイザーで活躍し始めた頃は、私の嗜好も丁度クラシックに傾き始めた時期で、とはいっても、いきなり本物はちと荷が重いというときなど、よく聴いたものでした。モノによっては、冨田さんの編曲の方が好きというものも少なくありません。
 考えてみれば、ここでもお世話になってたんですね。
 そういうわけで、旅立ってしまわれたことは、自分にとっては、音楽の翼の一方をもがれてしまったような悲しみがあり、実に残念です。
 心より、ご冥福をお祈りいたします。
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