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2016年01月20日20:54

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「 ヴィオレット ある作家の肖像」

1940年代後半のパリ文学界を背景に、実在した女性作ヴィオレット・ルデュックの半生を描いたフランス・ベルギー合作映画です。

私生児として生まれ、自分の容姿にコンプレックスを抱き、男女どちらにも性的欲求を抱くヴィオレットは、作家、哲学者として知られるボーボワールと出会い、その才能を認められて、処女作「窒息」を出版します。

カミュ、サルトル、ジュネらに絶賛され、当時のパリ文学界に大きな衝撃を与えましたが、女性が自身の生と性などを赤裸々に描くという衝撃的な内容は、当時の社会には受け入れられず、ヴィオレットは深く傷つきます。

傷心の中、パリを離れてプロバンスに移り住んだヴィオレットは、ボーヴォワールに経済的な支援を受け、励まされながら、自身の集大成的な作品「私生児」を執筆します。

ヴィオレットは相当にエキセントリックな女性で、よく感情を爆発させて泣きわめき、とうてい好きにはなれない人物です。演じている女優の顏も泣きわめく声も苦手で、2時間半近い映画はなかなか辛いものがありました。

ヴィオレットのことを全く知らないせいもありますが、私たちがまったく知らなかったのは当然で、本国フランスでも忘れられた存在だったそうです。しかし。この映画によって再び脚光を浴びて全集が発刊され、現在は再評価が進んでいるそうです。

ボーヴォワールを演じた女優さんは知的で美しかったです。
ボーヴォワール中心の映画か、「ボーヴォワールと ヴィオレット 」という映画なら、もっと興味が持てました。

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