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2016年01月11日17:38

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虚ろな十字架/天冥の標IX/我もまたアルカディアにあり

東野圭吾「虚ろな十字架」光文社

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別れた妻が殺された。もし、あのとき離婚していなければ、私はまた遺族になるところだった。
東野圭吾にしか書けない圧倒的な密度と、深い思索に裏付けられた予想もつかない展開。
私たちはまた、答えの出ない問いに立ち尽くす。
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東野圭吾さんの長編小説です。
別れた妻が殺された事から事件に巻き込まれていく主人公がたどりつく意外な真相とは。
東野さんらしくじっくりと読ませますが、ラストの後味は重いですね。


小川一水「天冥の標IX ヒトであるヒトとないヒトと part1」ハヤカワ文庫JA

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カドム、イサリらは、ラゴスの記憶を取り戻すべく、セレスの地表にあるというシェパード号をめざしていた。
しかし、セレス・シティの廃墟に到達した彼らを、倫理兵器たる人型機械の群れが襲う。
いっぽう新民主政府大統領のエランカは、スキットルら《恋人たち》の協力も得て、《救世群》への反転攻勢に転ずるが――
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小川一水さんの10巻構想のSF大長編最新刊です。9巻の1。8巻の続きです。
カドムとイサリの世界の秘密を明かす冒険行、さまざまな登場人物が交錯し先の読めない展開です。
8巻まででえんえんと張られてきた伏線の一つに解答があり、はらはらさせながら読ませたラストには、実に意外な展開と圧倒的なSFビジョンがありました。
part2が早く読みたいですね。さすが小川一水です。


江波光則「我もまたアルカディアにあり」ハヤカワ文庫JA

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我々は世界の終末に備えています―そう主張する団体により建造されたアルカディアマンション。
そこでは働かずとも生活が保障され、ただ娯楽を消費すればいいと言うが…
創作のために体の一部を削ぎ落とした男の旅路「クロージング・タイム」、大気汚染下でバイクに乗りたい男と彼に片思いをする不器用な少女の物語「ラヴィン・ユー」など、鬼才が繊細な筆致で問いかける閉塞した天国と開放的な煉獄での終末のかたち。
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江波光則さんのSF長編です。
世界の終末に備えるというアルカディアマンションをめぐる数世代の物語です。
時代も異なり、語り手も変わっていくのですが、その語り手につながりがある事が分かってきます。
背景には震災と原発事故の影響がありますね。
なかなか読ませる話でした。
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