もうすぐ体育の日ですが、以前は学校の運動会も、秋に行われるのが一般的でした。最近では、春に行う学校も多いようですが。
この運動会という行事でも、クラシック音楽は活躍します。
とは言うものの、運動会には付き物と言ってもいいはずのこの曲のタイトル、作曲者を私が知ったのは、ごく最近のことでした。
https://www.youtube.com/watch?v=TvGeX5b4zJ4
タイトルは「クシコス・ポスト」、作曲者はヘルマン・ネッケということです。
このネッケという人はチャイコフスキーやブラームス、ドヴォルザーク、フォーレといった錚々たる面々とほぼ同時代を生きた人らしいです。ただ、300曲ほども作曲してるのに、現在演奏されるのは、この1曲だけということです。恐るべき一発屋というか、ものすごく効率が悪いというか。
この効率の悪さからすると、どうやって生活してたのか気になってしまいますが、元々はドイツのデューレン市の音楽の教師で、同市の自衛消防団音楽隊の創立指揮者に就任したのを皮切りに、努力して終生同市の音楽発展に尽くしたようです。偉いなぁ。
それから、これも運動会の定番といえるでしょうね。
https://www.youtube.com/watch?v=N6Qnxf04Whg
ドミトリー・カバレフスキーの組曲『道化師』から「ギャロップ」です。
カバレフスキーは、ネッケに比べれば、ほんの少し有名な気がしますが、少なくとも私はこの曲以外のこの人の作品を知りません。
この人は、ソヴィエト連邦公認の芸術家として、作曲界で権勢をほしいままにしたそうなので、それなりに世渡りはお上手だったようです。その分、作品は新奇性のない保守的で通俗的なものになったということかもしれませんが、ソヴィエト連邦という国で、芸術家として生き抜くためには不可欠なことだったかもしれないので、一概に非難はできません。
あと、昔の運動会では、この曲もよく流されたような気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=f4btfaT6kl4
ジャック・オッフェンバックのオペレッタ『天国と地獄』から序曲の一部です。運動会というより、フレンチカンカンのBGMといった方がピンとくる人もいるかもしれないですね。
オッフェンバックという人は、ドイツで生まれたものの、パリが好きで、フランスに帰化しています。
ところで、この『天国と地獄』、元々は『地獄のオルフェウス』という題名だったそうです。本来は死んだ妻を愛するあまり地獄に赴くという感動的な夫婦の物語(ギリシャ神話で描かれるオルフェウスの「冥府下り」のエピソードはそんな話です)を、互いに愛人を作り、決して愛し合っているわけではないのに体面だけを気にして仕方がなく妻を取り戻しにいく、という偽善に満ちた夫婦の滑稽さを風刺した作品らしいです。序曲のさわりだけ聴いているばかりではもったいないかもしれません。
ちなみに、今日はオッフェンバックの135回目の命日です。
それにしても、こうして並べてみると、どれもクラシックとは認識せずに聞いてる曲ばかりという気がしませんか? 音楽のジャンル分けなんて、結構いい加減なものです。
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