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2015年07月23日09:19

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7月20日鈴本演芸場中席夜の部

 白鳥主任の夜席楽日。今席は初日と二日目に美内すずえの少女漫画「ガラスの仮面」にインスパイアされ作者公認で作った「落語の仮面」を連作で上演。間に過去の新作を挟んで昨日と今日で「落語の仮面」を再度演じるという趣向。開場時間に鈴本の前に着くとかなり長い列。入場すると7割方の入り。徐々に増えてほぼ満席になった。

●前座 あおもり「牛ほめ」
 初めて落語するのを見た。のっけからプロンプターを見ているかのような、あらぬ方向に視線を向けての棒読み。まあなりたて前座だからねと聞いていたら、どんどん変な方向に噺が向かっていく。最後はちゃんと「牛ほめ」で終えたわけだが、う〜ん、やはり白鳥の弟子。

●緑太「桃太郎」
暑さと疲労で爆睡してしまった。この出番、一蔵、たん丈と交替。

●太神楽曲芸 鏡味仙三郎社中  

●文左衛門「馬のす」
 いつもながらこの人にはぴったりな噺だと思う。彦いちと交替。

●甚語楼「犬の目」
 個人的にこの人には期待していただけに、こんなもんじゃないだろうという気持ちがいつもある。今日は寄席の出番とか全体の流れとか関係なく、もう少しはじけてほしかった。

●ギター漫談 ペペ桜井

●百栄「寿司屋水滸伝」
 聞く度に思うのだが、キモくてモサモサした物言いの割には、云いだてやタンカのキレが良い。このへんのギャップが面白さを支えている。今輔や喬太郎の新作をやっても、しっかり百栄の落語にしているところがいい。鬼丸と交替

●三三「碁泥」
 何やら苦笑しながら登場。めくりの横で客席の様子を見ていたあおもりが、退屈げに喉を掻いたのを見てやんわり注意。以前自分の弟子の小かじが正楽の残した切りくずを拾いきれずに散らしてしまったときには、舞台に戻して客の前で注意したそうな。落語の方は相変わらずきれい。カヤの碁盤に打つ石の音が響く静かな座敷の様子が見えてくるよう。しかしこの人昔ほど外見すっきりした雰囲気ではなくなった。ひとりだけ涼しい顔で周りのことなど知らぬ存ぜぬときめているように見えていたが、弟子も抱え、それなりにキャリアや苦労が滲むようになったか。

<仲入り>

●奇術 夢葉

●一之輔「加賀の千代」
 「熊の皮」と同じく「馬鹿を愛でる」アプローチの噺。嗜虐なようでいて被虐指向も持ち合わせる隠居に対する徹底した甚兵衛さんの無自覚が一之輔の持ち味か。

●漫才 ホンキートンク

●白鳥「落語の仮面 第二回 嵐の初天神」
 「『ガラスの仮面』を知らない方はいますか?」と客席に問うと、ぱらぱらと手が上がる。本来底本となった漫画の解説や初回のあらすじが必要なところなのだろうが、「知らなくてもそれなりに楽しめます! 長い噺なので忘れそうだから!」と早々に落語に入る。
 女流落語家・三遊亭月影に入門した三遊亭花。前回で見習いを終え、晴れて前座にあがることになったが、師匠は「前座の修行はテキトーでいいのです」と言い放つ。困惑する花に月影は「良くできた前座が良い落語家になるわけではない」と確かにそうかも・・・な現実を突きつける。よく気がつき着物が完璧にたためたたい平や、立て前座よりもネタを完璧に理解していたという一之輔、彼らは「落研出身だからです!」その落研イズムが落語をダメにしたと一刀両断する月影。逆に百栄は「キモ前座と呼ばれながらも真打ち昇進後は活躍している」と賞賛。「あなたは他の前座たちが前座部屋でタバコをすったりさぼったりしている間に袖で落語を聞いて他の師匠の芸を盗め」と花に教える。
 そこへ落語協会から急遽花の楽屋入りが立ち消えたと連絡が入る。抗議のために月影が協会に向かうと、柳家の天下を謳歌する上から目線のイヤなやつ・三三会長が「オンナに落語ができるか!」と月影を追い返す。前座にあがれる見込みがなくなり落ち込む花に、月影は上野公園に座布団を敷いて空き缶を置き、ストリート落語をやるように迫る。そして一万円集まるまで帰ってくるなと告げるのだった。その後このストリートで花は終生のライバルとなる落語界のサラブレッド(市馬とあやめのバツイチカップルの孫?)にして立川談志の最後の愛弟子・立川亜弓と出会い、怒濤の「初天神」バトルに突入する・・・ってもう滅茶苦茶。
 会場は揺れるような笑いに包まれ、まあ楽屋落ち的笑いも多々あったが、ラストで「この噺の続きを聞きたいですか?」と白鳥が客席に呼びかけると大きな拍手が。おそらく続くことでしょう(笑。

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