ここ数日雨続き。今日は療養中の友人を見舞う予定だったが、梅雨寒で体調を崩してはと慮りまた後日にすることに。仕方なく出先からそのまま上野に向かう。ぽかっと上席昼の部が喬太郎主任なのだな。ここ数年この時期の喬太郎は鈴本夜席でR18とか笑えないとかテーマを決めてやっていたようだが、今席は特にそういうしばりもなし。開口一番途中から入場。つる子がアメからいきなり凧になるという「初天神」を演っていた。元気に声を張っていたが、発声は落語向きじゃないような。顔立ちは色白で可愛らしく人気が出るのもよくわかる。女性落語家も本当に多くなった。先月鈴本での文雀独演会でこみちが「ワタシは新人イジメは絶対にしません！」と力説して笑いを取っていたのを思い出した。いじめた（というか注意した）方が絶対周囲から悪く思われるから・・・らしいが、女性落語家同志だとそういう苦労が多そう。実際のところ男同士の嫉みそねみが多い業界だろうに。
この悪天候なのに七割方の入り。仲入り頃には立ち見なしだがほぼ満席になった。
●喬の字「子ほめ」
寄席でしか見たことがないのだが、これといって目立った特徴のない風貌ながら、毎度ちょこちょことくすぐりをぶつけてくると印象。まあ野心的なのかな。「せんたくはふたばんでかわくかな」を「せんたつのでしはふたつめになったかな」「ひとりはなったな」とか、それ昼席というより深夜寄席ノリ？って感じだが。この出番はやなぎ・小んぶ・小太��・さん若と交替出演。
●奇術 ダーク広和
毎度おなじみ三枚が必ず四枚になるカードマジックと、カラーひもが五輪になる手品。
●桃月庵白酒「茗荷宿」
これはあんまり聞かない噺だ。以前誰か（小満ん？）で聞いたときはもう少し長い噺だったように記憶しているが、寄席の出番に合わせてか短くしていた。飛脚という仕事柄のせっかちさも相俟って、白酒の語りの速さがぴったりくる。「茗荷の刺身です」「これ茗荷を切っただけじゃねぇか」「いえ刺身です」「引かねぇなお前も！」に大笑い。白酒の落語を聞いていると、これ宮治にやらせてもいいだろうなと思ってしまう。
●左龍「お花半七」
久しぶりに左龍を聞いたが、良い感じに軽さが出てきたように思った。このひとの「宮戸川」ではお花は必ず半七に逆プロポーズするために夜遅く帰りを待っている設定なのだね。駆けっこで半七に勝ち、おじさんの家の前でボルトの勝利ポーズをするお花ちゃんがカワイイ。さん生の代演。
●漫才 にゃん子・金魚
金魚ちゃんの頭に仙台のたなばた飾り。でも仙台は八月だから、せめて平塚にして欲しかった。この出番笑組と交替。
●歌武蔵 相撲漫談
落語をする気分じゃなかったようなのだが、ここで「喬太郎だって調子が悪いときもある」「本当に落語を聞きたければ余一会（7月の鈴本余一会が落語教育委員会）に来なさい。もう完売だけど」と云うので、主任の喬太郎の体調が心配になる。
●太神楽 翁家社中
いまだにああ、二人なんだな・・・と思う。
●正蔵「鼓ケ滝」
小三治との落語会の後の打ち上げは反省会になるって本当だったのか。
●動物物まね 猫八
着物で出てきて座布団に座る。「落語家じゃありません」
●玉の輔 いつもの
権太楼代演。爆睡してしまった。
＜仲入り＞
●紙切り 二楽
鋏試しの後は朝顔市、七夕。
●さん助「ろくろっ首」
昇進披露、予定が合わず見に行けなかった。昇進してすぐに鈴本の主任をやっているし、十人真打の中では抜けているということなんだろうか。ただ今日はちょっとスベリ気味。ちょっと持ち前のフラに頼りすぎでは？ また下手側スピーカーの調子が悪く、擦過音が気になってしょうがなかった（この後は問題なかったが）。小傳次と交替出演。
●一朝「看板のピン」
間違いない。
●三味線漫談 小円歌
前座の小はぜが舞台に出てきて太鼓をたたいた。
●喬太郎「井戸の茶碗」
マクラなしで噺に入る。風邪気味だったのか、喉の調子が悪いようで、咳払いをくりかえしていた。歌武蔵の前振りがこのことだったのかどうかは知らないが・・・。いろいろなしがらみがあって休みが取れないのかとも思うが、ちょっと働き過ぎ。しっかり休んで身体を大事にしないと。「自分の欲望に正直な清兵衛」は以前も見たが、今回は高木佐久左衛門の中間もなかなか黒かった。二人して佐久左衛門をダークサイドに引き込もうとするのが可笑しい。仲入り前に前座が注意をしたのに途中で携帯が鳴り出したのにもびっくりしたが。
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