mixiユーザー(id:39904538)

2015年07月10日10:36

637 view

フーリエの冒険

このところ雨模様なので散歩にも出られず、写真も撮れないので「晴撮雨読」で読書三昧の日々だ。
私の読書は普通の人とは違いとんでもない変なものだ。つくづく改めたいと思っているがどうしても改められない。
私はどんな本を読んでも1時間もすると飽きてくる。そして読むのを別の本に切り替えるという変な癖がある。
そのためいつも5,6冊を並行して読んでいる。
こういう読み方をしていると1冊がなかなか終わらない。終わらないどころか途中で嫌になって別の本にしてしまうこともよくある。

今回もロートレアモンの「マルドロールの歌」を再読してたが、やめて別の本にしたくなり本棚を探してたところ、「フーリエの冒険」が目に入り久しぶりに再読したくなり引っ張り出してきた。

「フーリエの冒険」はちょっと変わった本で、ヒッポ・ファミリークラブというとこから出版されている。25年ほど前に買った数学の本だ。
内容は具体的で易しく非常にわかりやすい。
ヒッポ・ファミリークラブというのは本来語学のサークルのようなところで、そこから数学の本が出ているというのも異質だ。
内容はサークルのメンバーが数学の勉強をしていくという形式で書かれている。
大きさはB5サイズで400ページ以上あるかなり厚手の本だが、フーリエ解析をするために必要な様々な公式や方程式を勉強していくというような内容になっている。

仕事をやっている頃、いろいろな信号解析をするとき、フーリエ級数やフーリエ展開、FFT(Fast Fourier Transform(高速フーリエ変換装置))などを使って解析していたが、きちんと原理を理解してなかったため今一つ結果に納得することができなかった。(スペクトル解析や音声解析、振動解析など)
そんなときこの本を書店で見つけて買ってきたのだが、たいへん面白くわかり易いので当時夢中で読んだ。

今は数学や物理学は好きだが高校時代は良く理解できないため数学は嫌いだった。
当時この本があればたぶんそのときから数学が好きになったろうと思う。
この本を真面目に読むと、三角関数、微分積分、射影と直交、オイラーの公式などが大変良くわかるようになる。
電気書院のd−BOOKシリーズのなどの参考書も買ったが、この本は仕事上でもたいへん参考になった。

その後同じシリーズで「量子力学の冒険」というが出たのでこれも買った。
「量子力学の冒険」は「フーリエの冒険」よりさらに厚手で1.5倍ぐらいあるが、量子力学を非常にやさしく具体的に解説してある。

ヒッポ・ファミリークラブのような語学カレッジからなぜ数学の本が出たかというと、どうやら”数学は言葉だ”ということらしい。
たしかに物理学の言葉は数学だと思う。啓蒙書ならばいざ知らず物理の教科書や論文は数式だらけなので数学がわからなければ理解できない。


ヒッポ・ファミリークラブの活動はいまどうなっているのか知りたくてネットで検索してみると、今ではかなり大きく活動してるらしい。
本もいろいろなものが出てるし、各国語に翻訳もされている。たくさんの学者が研究協力者になっている。
「フーリエの冒険」などは海外のいくつかの大学で教科書にもなっている。

https://www.lexhippo.gr.jp/
https://www.lexhippo.gr.jp/college/publication.php

昔、本を買ったときは「フーリエの冒険」は3500円、「量子力学の冒険」は3800円だったが、調べてみると本の値段が25年前と変わらない。変わらないどころか「量子力学の冒険」は100円安い3700円になっている。

もし高校生や大学生で数学が苦手な子がいたら「フーリエの冒険」をおススメする。数学が楽しくなることうけあい。


「量子力学の冒険」もそのうち読み返してみようと思っている。

写真は
 1枚目: 「フーリエの冒険」と「量子力学の冒険」
 2枚目: 電気書院のd−BOOKシリーズ参考書
 3枚目: こんなのも買ってた。
 

2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する