椎名誠「孫物語」新潮社
------------
「子どもより孫の方がかわいい」と言うけれど、そんなことは……ありました!
あまり大きい声じゃ言えないけれど、こんなに楽しいことはない!
突如、男女男の孫がシーナ家のすぐそばに越してきた。
はるか昔に書いた『岳物語』の息子・岳の子たちは小学生。
本好き、おませさん、活動派の3人は、家の外でも室内でも、今日も何かをやらかしてくれる。
71歳、イクジイ・シーナの奮闘スーパーエッセイ。
------------
椎名誠さんの孫に関するエッセイです。
他のエッセイでも孫の話は良く出てきましたが、このエッセイでは息子が結婚し孫が生まれるまでの経緯や、家の近くにいる孫との交流が描かれます。
他でも書かれた話も多いので新味はそれほどありませんが、やはり椎名さんのエッセイは面白いです。
宇江佐真理「通りゃんせ」角川文庫
------------
平凡な25歳のサラリーマン、大森連はツーリングに出かけた先で道に迷い、滝の裏に落ちてしまう。
目覚めると、そこはなんと天明6年の武蔵国中郡青畑村―!?
時次郎とさな兄妹の許に身を寄せ、川の氾濫や重い年貢が招く貧困等、江戸の過酷な現実を目の当りにしていく連。
天明の大飢饉のさなか、村の庄屋が殺害される事件が起こり、連は思い悩みながらも自らの運命を切り拓いてゆく―。
感動の長編時代小説!
------------
宇江佐真理さんの長編時代小説です。
宇江佐さんのあまり良い読者とは言えないのですが、時代小説家としては珍しく本作は現代の主
人公が江戸にタイムスリップしてしまうという話です。
特に大きな事件が起きる訳ではなく、天明の飢饉の村の現実を描きます。
過去の描き方はさすがにリアリティがありました。
時間SFをたくさん読んでいるとタイムスリップの説明はご愛嬌ですが。
ログインしてコメントを確認・投稿する