mixiユーザー(id:19073951)

2015年05月16日20:30

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「私は音楽だから」

好きな曲だと,オケ違い,ピアニスト違いで複数のCDを持っている。

例えば,ラヴェルのピアノ協奏曲だと,演奏家違いで7枚(中には,ラヴェル自身の指揮も)持っているが,ただ,その中でもやっぱ,どーしても偏愛の対象となるピアニストなり指揮者がいる訳で。
同じ曲を演奏しているなら,サンソン・フランソワのピアノ。

今日は,スクリャービンのピアノソナタ第3番を,フランソワとグールドとで聞き比べ。

表向きクールを気取っていても,仮面の下はロマンチストであったグールドの演奏も,グールドには珍しく詩情が感じられて良い演奏なのだが,それでも,根っからのロマンチスト,フランソワの,まるで魂を握られて揺すぶられるかのような,ドラマチックな演奏にはかなわない。

音楽にどっぷり没入し,いとも簡単に,カメレオンのように曲と一体化してみせる。
「楽曲」,「ピアノ」そして「フランソワ自身」の3者があたかも一体化しているかのような,そして,そのフランソワが築く音楽で満たされた空間に,聴いている私もまた取り込まれていくような感覚。

私の大好きな,クラシックピアノをテーマにしたマンガ「神童」の中に,急遽演奏会でモーツァルトのピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466を初見で弾くことになった主人公の少女が,周囲の心配に対し笑顔で「大丈夫,私は音楽だから」と応えるシーンがある(カッコいいんだ,これが)

で,フランソワの演奏を聴くと,いつもこの台詞を思い出すのだ。
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