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2015年04月12日08:12

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君の名残を/儚い羊たちの祝宴/ぼくが映画ファンだった頃

浅倉卓弥「君の名残を」上下 宝島社文庫

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幼馴染みでそれぞれに男女の剣道部の主将を務める高校生、白石友恵と原口武蔵は、下校途中、工場火災に巻き込まれ、そのまま消息を断った。
二人は、友恵の友人由紀の弟・志郎と共に、平安末期の世界へと呼ばれたのだった…。
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浅倉卓弥さんの長編小説です。
現代の高校生の主人公3人が平安末期の源平合戦の時代にタイムスリップします。
それぞれ源氏の有名な人物と縁を結んだ3人は、歴史の流れに巻き込まれていきます。
中ほどからは源平の争いを二人の視点から描きほどんど歴史小説になります。
ボリュームもたっぷりで色々とユニークな解釈もあり読ませます。
ただ個人的な好みからすると後半はちょっと感傷に流れすぎる感もありました。


米澤穂信「儚い羊たちの祝宴」新潮文庫

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夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。
夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。
翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、四年目にはさらに凄惨な事件が。
優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。
甘美なまでの語り口が、ともすれば暗い微笑を誘い、最後に明かされる残酷なまでの真実が、脳髄を冷たく痺れさせる。
米澤流暗黒ミステリの真骨頂。
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米澤穂信さんの連作短編集です。
読書サークル「バベルの会」をめぐる5つの事件を描きます。
米澤さんらしく読ませますが、本作はどれもかなり黒いです。
ダークですが語り口のうまさ、結末の切れ味の鮮やかが読ませます。
いわゆる奇妙な味の世界です。
またかなり有名なミステリなどの引用も多く凝っていました。
さすがは米澤さんの作品でした。


和田誠「ぼくが映画ファンだった頃」七つ森書館

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Welcome to WADALAND!決定版映画コラム集!
少年時代に見た1940ー50年代の映画─監督論に俳優論、作品論や、三谷幸喜やジェイムズ・ステュアートとの対談を収録。
和田誠さんの楽しい映画コラム集です。
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和田誠さんの久々の映画の本です。
再録もありますが、加筆訂正がされているとか。
和田さんの映画の本は大好きでほとんど読んでいます。
三谷幸喜とジェイムズ・ステュアートとの対談が楽しい。
追悼文、監督論や作品論などバラエティたっぷりでとても楽しい本でした。
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