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2015年01月16日21:09

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旅行記@2014年末遠征《8》鹿児島Extra Round

次の目的地へ旅立つ気満々でやって来た鹿児島駅で、乗るはずだった特急列車の到着寸前に100名城スタンプの捺し忘れに気づいたわしは、この特急への乗車を見送り、一旦入場した切符を提示して事情を話し、駅員さんから出場の許可を得て、スタンプの設置場所である鹿児島県歴史資料センター黎明館までトンボ返り。。。
捺し忘れの理由としては、(1)城の見学があっけなく終わったものだから、城を見に来た、という意識が薄かったこと。(2)城の見学をした後に、城山に登ったり黎明館の展示室で国宝刀剣を拝観したりして、それら「そのほかの見学」に気を取られ、先に見た城のことをすっかり失念してしまってたこと。などが考えられると思う。
まあとにかく、10分ちょっとの道のりを、黎明館まで急ぎ足で戻った。いや、次の特急列車は1時間半後。別に急ぐ必要もなかったわけだが。。。

スタンプ設置場所のインフォメーション・デスクには、先にお邪魔した際、展示室の入口で荷物を預かってくれた女性が居て、わしのことを覚えててくれたらしく、「あれ? どうなさいましたぁ?!」と声を掛けてくれた。
「いやー、かくかくしかじかで」と事情を話すと、「それは大変でしたね」とステキなスマイルで対応。100名城のスタンプを出してくれた。
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わしはこれを捺しながら、「やー、おねえさんの笑顔がせめてもの慰めっす、癒されましたよ」なんつって歯の浮くようなセリフを脳裡に思い浮かべたが、もちろんそんなこと声に出して言えるはずない。「ども。ありがとうございました」とだけお礼を述べて、再び黎明館をあとにした。
で、建物の外に出たとこにあったベンチに腰掛け、ガラケーを取り出して、今後の予定、電車の乗り換えなどについて、調べ直してみた。

次の特急列車が約1時間半後だというのは、とっさのことだったが駅の時刻表で調べておいたので、次の目的地・飫肥に着くのも単純に1時間半ほど遅くなって、3時間とってあった飫肥への滞在時間が半分になる? そう安易に考えていたのだが、現実はもっと厳しかった。
次の特急列車では、在来線への乗り換えに1時間近く待ち時間が発生するなどして、飫肥に着くのが当初の予定より2時間半近く遅れてしまう。と、当地に滞在できる時間は最大で38分しかない! という事実が判明した。それならばと、飫肥の次、この日の宿をとってある臼杵まで移動する列車を1本遅らせてみようと検索をかけたのだが、当初予定してた通りの16:32の電車に乗らないと、この日のうちに臼杵までたどり着けないという検索結果がはじき出された(・_・;)
うーん、こいつは困った。どうすべきか?! 飫肥に行くのを諦める? それとも、臼杵の宿をキャンセルして別な宿をとる? いやいや、、、と、いろいろ思案してみたのだが。。。結局、38分の滞在時間でとりあえず城だけざっと見学し、駅から城への移動にはタクシーを使って時間を短縮、もしそれでも帰りの電車に間に合わないような場合は、またその時どうするか考えればいいか。という結論に至った。
で、せっかく鹿児島にあと1時間半ほど滞在できることになったんだから。と、付近を散策してみることにした。

といっても、1時間半ではそれほど遠くへ足を伸ばすことも出来ないし、拝観時間を要するモノを見学してる余裕もない。また、事前に付近のスポットを調べてたわけでもないので、手持ちの情報は何もない。でもまあ鹿児島は歴史のある町だから、適当に歩いてれば何か興味をそそられるモノにぶつかるだろう。てことで、とりあえずあてずっぽうに歩き出した。
ふと、「そうだ。けさ城山に登ったとき、途中の交差点のとこに、『西郷隆盛終焉之地』みたいな標識が出てたな」と思い出し、そちらへ足を向けてみた。
で、記憶通りの標識を見つけ、あとは標識に従って、線路沿いの道を東進。しばらく行くと、石碑と解説看板が立っていた。
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「晋どん、もうここらでよかじゃろ」
わしが子どもの頃、年末にやってた大型時代劇ドラマで、里見浩太朗演じる西郷(せご)どんが苦しそうにそう呟くシーンを、今でもまざまざと思い出すことが出来る。かくして一代の英傑・西郷隆盛は、この地で別府晋介の介錯によりその生涯を閉じたのだった。合掌。

終焉之地の石碑が立つスペースの前、道路脇には、また別な案内標識があって、さらに東方に西郷どんの墓「南洲墓地」があると書いてある。わしは導かれるようにして、そちらへ歩を進めた。
途中から道は結構な勾配の上り坂になり、だんだんと息が上がってきたが、その頃にはもう、丘の中腹にある墓地がすぐ目の前だった。
西郷どんの墓を中心に、西南戦争で命を落とした薩軍将兵らの墓が肩を並べている。封建社会の終わりを告げる日本最後の内戦で、命を落とした将士たちの墓。その南には、雄大な桜島が見えていた。
フォトフォト
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朝、城山の展望台に登った時は、雲がかかってよく見えなかったのだが、この時はかなりクリアにその姿を現してくれていた。まあ、まだだいぶ雲に覆われてる部分はあるが。。。
スタンプを捺し忘れてなかったら、見れなかった景色である。
そう思いながら、ベンチに腰掛け、10分くらいボーっと景色を眺めていた。墓地の隣接地には、西郷どんを祀った西郷神社や、歴史資料館のようなものもあるらしかったが、それらを見学するには時間が中途半端すぎる。何しろ、この日の鹿児島は春のようなぽかぽか陽気で、日向にぼんやり座っているのが気持ちよかった。

10分程そうして時間を潰してから、おおよその駅の方向の見当をつけて歩き始めた。
途中で何度かガラケーの地図を確認し、15分くらいで鹿児島駅に着いた。
で、先刻一度入場して出場した切符を、三度窓口に出して事情を伝え、この日二度目の当駅ホームへ降り立った。今度こそやり残したことはない。
5分ほどしてやって来た特急列車に、今回は間違いなく乗車して、一路次の目的地・飫肥を目指したのだった。

つづく。
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