mixiユーザー(id:15312249)
2010年07月24日17:36
12 view
八大龍王伝説 【０８３ 血戦！マルシャース・グール（十三） 〜謎の声�供繊�
いつもお読みいただいている皆さま、ありがとうございました
それでは早速、八大龍王伝説をはじめます
※ちなみに今回のタイトルの「謎の声�供廚任垢�、�気蓮擅娃沓亜‘罎寮次曚任�
【０８３ 血戦！マルシャース・グール（十三） 〜謎の声�供繊�
〔本編〕
黄金の戦車の底板を外し、戦車の真下から降りたステイリーフォン聖王子、ハクビ、カリムの三人は一般の兵士の姿に扮装していた
その衣装は脱出する準備として前もって黄金の戦車の中に用意されていたものの一部であった
そしてそのままハクビ達は東方へ戦線を逃げるように離脱していった
三人は途中、何人かの帝國兵に見られたが、彼らは戦場から逃れようとしている（ように見える）一般の兵などには興味を持たなかった
やがて三人は謎の声が示した戦場から東に一キロメートルの地点にたどり着いた
そこは草が生い茂った草原で何もなかった
ハクビ達三人が戸惑っていると、急に地震が起こった
かなり大きな地震で立っていることができないぐらいであった
するとハクビの前の地面が二つにパックリと割れてハクビ達が立っている地面でない方の地面が大きくハクビ達の前に盛り上がった
その盛り上がった地面に大きな横穴がポッカリと開いていた
「その王子をこの穴から中に入れろ！」
ハクビの耳にまたもや謎の声が聞こえた
しかし、ハクビはまだ半信半疑でその命令に従いかねた
「聖王子をこの穴から中に入れろと言うが…お前をどうやって信じればいいのだ！」
「信じるか信じないかはお前しだいだ」
謎の声が言った
ハクビが迷っていると…
「ここから中に入ればいいのですね！ハクビ様！私がステイリー様について行きます」
カリムであった
そう言うとカリムはステイリーフォン聖王子の手を引いて穴の中に入っていった
「は・ハクビ様、あ・ありがとう！れ・レナさまを大切に」
ステイリーフォン聖王子がカリムに手を引かれながらハクビにそう言った
二人が入ってすぐに地震が起こり、盛り上がっていた地面は一瞬にして沈み、元の平らな草原に戻った
同日の午後一時頃のことであった
ハクビは草原を後にして、ムーズ将軍のいる戦場に急いで戻った
そこは既に聖王国軍と帝國軍が入り乱れ乱戦になっていた
ステイリーフォン聖王子の乗っていた金の戦車は横倒しになり、ヴォウガーの率いる黒色槍兵隊（シュワルツランツェンレェィター）がその周りを囲んでいた
ヴォウガーは、一人の聖王国の兵の胸ぐらを掴み叫んでいた
「聖王子はどこだ！」
胸ぐらを掴まえられた聖王国の兵は怯えながら言った
「わ・分かりません！」
「そんなに聖王子の場所が知りたいか！」
ヴォウガーの後ろから声が聞こえた
そこにはハクビが立っていた
「ハクビ！！」
ヴォウガーは続ける
「聖王子の居場所を教えろ！」
「教えると思っているのか？」
「ふはっはっはっ！まさかな…貴様を倒して…貴様の口から聞き出してやる！」
ヴォウガーの言葉にハクビは苛々しながら
「今はお前の相手をしている暇はない 教えてやる！聖王子は今頃王城の中だ！」
と…
それに対し、ヴォウガーは
「はっ！そんな見えすいた嘘を！先ほど黄金の戦車の方向から逃げ出した兵が数人、東へ向かって走っていたのを見た者がいるのだ…そして貴様は今、東からやってきた！
貴様が何か鍵を握っているな 貴様を倒して聖王子の後を追いかける」
そう言うと、近くにいた三人の帝國軍の騎兵に東に向かわせた
「私を倒さなくても追いかけられるだろう」
帝國軍の騎兵が東に向かうのを見ながらハクビは言った
「それはそうなのだが…」
ヴォウガーはニヤリと笑い、
「貴様は我が兵団（玄武兵団）にとって畏怖の対象だ！今後の俺様と兵団の存続のためにも、ここで貴様を除いておく必要があるのでな」
と…
ハクビはこの戦いは避けられないと悟った
《せめて、ホースでもいれば強引に突破できるのに》
しかし、ハクビの馬（ホース）は乱戦の中でどこにいるか検討もつかない
《早くムーズ将軍と合流しなければ…》
と思うのではあるが、そのような焦る気持ちは戦いの上で決してプラスには働かない
「小僧（ハクビ）！覚悟しろ！！」
ヴォウガーとハクビの対決が、三度（みたび）開始された
今回はマルシャース・グール王城の南方の草原が舞台である
同日の午後一時十分頃であった
〔参考一 用語集〕
ハクビ（眉と髪が真っ白な記憶喪失の青年 グラフ軍の副官）
ムーズ（ソルトルムンク聖王国の人和将軍）
ステイリーフォン聖王子（ジュルリフォン聖王子の双子の弟）
カリム（元ハクビ小隊の一人）
レナ（元ハクビ小隊の一人）
ヴォウガー（バルナート帝國四神兵団の一つ玄武兵団の軍団長）
ソルトルムンク聖王国（大陸中央部から南西に広がる超大国 第八龍王
優鉢羅（ウバツラ）の建国した國）
バルナート帝國（北の強国 第七龍王摩那斯（マナシ）の建国した國 金の産地）
マルシャース･グール（元ソルトルムンク聖王国の首都であり王城 今はバルナート帝國が占領している）
黒色槍兵隊（ヴォウガー率いる玄武兵団の精鋭部隊 「シュワルツランツェンレェィター」と呼ばれる）
〔参考二 大陸全図〕
〔参考三 マルシャース・グール周辺拡大地図〕
〔参考四 あらすじ〕
龍王暦〇〇〇一年 八大龍王によって八つの國（くに）が建国される
龍王暦一〇四九年八月 ソルトルムンク聖王国にあるクルス山でハクビが発見される ハクビは記憶喪失
龍王暦一〇五〇年二月一五日 ソルトルムンク聖王国のコリムーニ老聖王とバルナート帝國のロードハルト帝王がバクラにて会談 その席上コリムーニ老聖王が急死する
同年三月一〜三日 ソルトルムンク聖王国とバルナート帝國が国境の町バクラで交戦、ソルトルムンク聖王国側大敗（バクラの戦い）
同年同月一〇日 ソルトルムンク聖王国の王城陥落 聖王国滅亡 ジュルリフォン聖王子は大陸最南端のツイン城に逃げ込む
同年五月三日 コムクリ村にバルナート帝國軍が襲撃、ハクビが白虎騎士団のバルゴー隊長を倒す 以後、グラフ将軍に助けられ、残党軍の拠点であるアユルヌ渓谷に到着する
同年八月初頭 バルナート帝國とミケルクスド國連合軍がジュリス王国を滅ぼす
同年九月四〜五日 聖王国軍と帝國軍がツイン盆地で激突（ツイン城の戦い）、帝國軍、ツイン盆地より撤退
同年同月一四日 帝國軍のマルドス城がハクビの策により陥落 帝國軍撤退
同年同月一八日 ハクビが帝國軍ケムローンをカムイ湖の戦いにて倒す 帝國軍カムイ湖より撤退
同年一〇月五日 聖王国ジュルリフォン聖王子、グール平原南にて、グラフ将軍等と合流 五千人の兵を前に演説を行う（グール平原での演説）
同年同月一〇日 聖王国軍がマルシャース･グール奪回に向けて進撃開始
0
0
ログインしてコメントを確認・投稿する