大世界この歳になってぼくはやっと気づいたぼくは大きな円にまもられているこの円からうつし世をみているのだここは天国なんぞじゃないし地獄なんぞでもないうつし世から5センチ遊離した世界この円から手をのばしちょん、ちょん、ちょん、と標をつけぼくはそ
だから、じぶんを立ててくれるじぶんの内の小さな勇気をおもうじぶんが崩れそうなときそんなときは幾度もあったけれどそのたびにぼくをまもってくれたのはその勇気がもたらす幾片かのことばだった励ましじゃない自分をときはなつ言葉それはぼくを耀かせてくれ
ボールのことボールの縫い目に指をかけて握るそうしてそのボールをくちびるに近づけるかすかに革の匂いそれと 枯草の匂いにぎりつづけているとほのかにぬくもってくるのはいまこの季節が冷たい所為だあたたまろうとするぼくの体温がボールをやさしい生きもの