『 家売るオンナ 』

偶然、第８話(全10話)を観たドラマ『世界一難しい恋』があまりに面白かったので、見逃した回を観るためにhuluを契約した。毎回、huluにログインするとお勧め動画に北川景子主演『家売るオンナ』が出てくるのに惹かれ、第１話第２話と観てみた。これがまた面白かった。

　「私に売れない家はありません」と豪語する不動産屋の敏腕営業・三軒家万智(北川景子)。彼女の人間離れした直線的な動きや機械のようなしゃべり方、謎めいた過去も面白いが、何より「家」の売買仲介を通じて、「家を買おうとする人」「家を売ろうとする人」の人生まで描いて見せたのには感心したよ。昔、小田急線か相鉄線で見かけた木造家屋建築業者の広告に「人は家を造り、家は人を育てる」というキャッチコピーがあり、巧い表現だなと深く感じ入ったことがある。『家売るオンナ』は正にそれに通じている。家はただ単に「食べて寝る場所」ではなく、人が人としてより良く生きるための「土台(礎)」なのだ。主人公・三軒家万智の巧みな売買仲介が結果的に人々を幸せにしていく様は感動的ですらある。

　回を重ねるたびに徐々に明らかになる三軒家万智の過去。彼女はなぜ、「家を売るために生まれて来ました」と公言し、かつ「趣味は家を売ることです」と言うほど家の売買仲介に没頭するのかが解明されるのも楽しみだ。独特なキャラの主人公とその謎の過去は、松嶋菜々子主演で話題になったドラマ『家政婦のミタ』によく似ている。

　余談。第４話では、セカムズで柴山美咲(波瑠)のおじいちゃんを演じた俳優が意外な役で登場したことも嬉しかったよ。