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原始仏教コミュの三遍知による解脱 ―欲色受の味患離―

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中部経典第13経をまとめたものです。


自分用の備忘録に手を加えただけなので経典をお持ちでない方はわかりづらいかも知れませんが、重要なところは押さえてあると思います。五欲と色の欠点を無常苦無我以外の表現でゴータマ自身が説いているところですので、初禅を作りたい人にとっては欲の欠点と無欲の利点を考察する上で大切な経典になると思います。四禅をもって無害を最上の感受の味と説くというところも色々と考えさせられます。







(『南伝大蔵経9 中部経典1』大蔵出版 P138−149 に相当)



中部経典 第13経 マハードゥッカッカンダ・スッタ[大苦蘊経]のまとめ。



[あらすじ]

 異学の者たちが比丘たちに言った。
 「沙門ゴータマは欲・色・受の三遍知を説くと聞いた。
  しかし我々もまた欲・色・受の三遍知を説く。
  どこに差があるのか」
 ゴータマ曰く。
 「彼らに聞け。
 欲の味・欠点・脱出とは何か。
 色の味・欠点・脱出とは何か。
 受の味・欠点・脱出とは何か。
 彼らは答えることはできない。
 ただ如来とその弟子とそこから聞いた者しか答えれない。
 それが彼らと我々の違いである。
 これを知らない彼らは他者を三遍知に導くことはできない。
 しかし誰であってもこれを知るならば他者を三遍知に導ける。
 私はこの三遍知を知る。
 私が今あなたたちをこの三遍知へと導こう。
 では比丘たちよ、何が欲の味か」




1.欲  カーマ kāma

 欲の味 ・・・五欲徳。愛すべき色・声・香・味・触。
 欲の欠点・・・1 働いて生計を立てても寒暑に苦しめられ
         身体の苦しみの接触があり飢えと渇きで死ぬ。
        2 働いても徒労に終われば悲しむ。「無駄だった」と。
        3 働いて財産を得ても心配し損失を憂う。「もはやない」と。
        4 欲のせいで互いに争う。
        5 欲のせいで侵略する。(嫉によるもの)
        6 欲のせいで防衛する。(慳によるもの)
        7 欲のせいで犯罪を犯し刑罰を受ける。(現世の罪)
        8 欲のせいで三悪行をし悪趣に行く。 (来世の罪)
 欲の脱出・・・欲への意欲と貪りを制御し、意欲と貪りを断つ。



2.色  ルーパ rūpa

 色の味 ・・・年齢十五、十六の容姿端麗な女性。
        その美貌を縁として生じる楽と喜。
 色の欠点・・・1 美女が老婆になり醜くなる。
        2 美女が重病になり要介護となる。
        3 美女が死んで死体が膨張し青黒くなり腐り始める。
        4 美女が死んで死体が動物やうじ虫に喰われる。
        5 美女が死んで死体が肉と血と筋だけになっている。
        6 美女が死んで死体が血と筋だけになっている。
        7 美女が死んで死体が筋だけになっている。
        8 美女が死んで死体が散骨している。(筋がないから)
        9 美女が死んで死体が白骨になっている。
        10 美女が死んで死体が堆積している。
        11 美女が死んで死体が粉末になっている。
 色の脱出・・・色への意欲と貪りを制御し、意欲と貪りを断つこと。



3.受  ヴェーダナー vedanā

 受の味 ・・・四禅 
        「四禅を具足して住するときは、自己を害することを思わず、
        他者を害することを思わず、両者を害することを思わない。
        そのときは無害の感受を感受する。
        比丘たちよ、私は無害を最上の感受の味と説く」
         無害(avyābajjha)最上受(param vedanā)
 受の欠点・・・感受は無常であり、苦であり、変化する法である。
 受の脱出・・・受への意欲と貪りを制御し、意欲と貪りを断つ。




「比丘たちよ、いかなる沙門バラモンであってもこのように欲の味を味と、欠点を欠点と、脱出を脱出と事実の通りに知らないならば、その沙門バラモンが自らも欲を遍知し、他者をも欲を遍知させるように行道させれるというこの処はない。
 しかし比丘たちよ、いかなる沙門バラモンであってもこのように欲の味を味と、欠点を欠点と、脱出を脱出と事実の通りに知るならば、その沙門バラモンが自らも欲を遍知し、他者をも欲を遍知させるように行道させれるというこの処はある」

「比丘たちよ、いかなる沙門バラモンであってもこのように色の味を味と、欠点を欠点と、脱出を脱出と事実の通りに知らないならば、その沙門バラモンが自らも色を遍知し、他者をも色を遍知させるように行道させれるというこの処はない。
 しかし比丘たちよ、いかなる沙門バラモンであってもこのように色の味を味と、欠点を欠点と、脱出を脱出と事実の通りに知るならば、その沙門バラモンが自らも色を遍知し、他者をも色を遍知させるように行道させれるというこの処はある」

「比丘たちよ、いかなる沙門バラモンであってもこのように受の味を味と、欠点を欠点と、脱出を脱出と事実の通りに知らないならば、その沙門バラモンが自らも受を遍知し、他者をも受を遍知させるように行道させれるというこの処はない。
 しかし比丘たちよ、いかなる沙門バラモンであってもこのように受の味を味と、欠点を欠点と、脱出を脱出と事実の通りに知るならば、その沙門バラモンが自らも受を遍知し、他者をも受を遍知させるように行道させれるというこの処はある。
 このように先生は行った。その比丘たちは先生が説いたことを喜んだ(終)」

  註  遍知 パリンニャー pariññā 
    「遍知とは貪が尽き、瞋りが尽き、癡かさが尽きること」との記述有り


  誰であっても欲色受の味患離を実際に知っているならば、
  自分でも三遍知に行く修行はできるし、
  人を三遍知に導く修行もさせれるということ。
  




4.総括

 欲から脱出・・・欲界を超越し、色界に転生可能になる。
 色から脱出・・・欲界色界を超越し、無色界に転生可能になる。
 受から脱出・・・欲界色界無色界を超越し、不死界へ。

 欲を遍知し、欲に関する無明が滅すれば、欲から離脱する。
 色を遍知し、色に関する無明が滅すれば、色から離脱する。
 受を遍知し、受に関する無明が滅すれば、受から離脱する。

  受の離脱は受の滅。
  受が滅して愛が滅する。
  愛が滅して取が滅する。
  取が滅して有が滅する。
  有が滅して生が滅する。
  生が滅して老死苦が滅する。
  老死苦が滅すればさらに為すべきことなし。

 「これが最後の生である」と自覚する。
 悟り、慧解脱し、修行は完成する。





・無色界・色界・欲界の善趣と悪趣の四

 不死界 涅槃  貪りのない者が転生を超越
 無色界 静寂  色貪のない者が転生    
 色界  梵天  欲貪のない者が転生    
 欲界  善趣  欲貪ある三善行の者が転生 
     悪趣  欲貪ある三悪行の者が転生 



 1.三悪行を断つ  → 悪趣が断たれる
 2.欲貪を断つ   → 欲界を超越
 3.色貪を断つ   → 色界を超越
 4.無色貪を断つ  → 三界を超越  涅槃する



正知によって正解脱がある。
欲の味患離を正知することによって欲からの正解脱があり、
色の味患離を正知することによって色からの正解脱があり、
受の味患離を正知することによって受からの正解脱がある。
欲色受を正知するために正定〜正見がある。

戒学・心学を学んで、慧学として三遍知して解脱する。
良い順序だと思います。



経典の終わり方が少し微妙ですが、異学よりもこちらがレベルが上だと示し、「これが真の三遍知だ」と打ち出せたのでゴータマもそこで説法をやめたのだと思います。ゴータマの本意は「私が一番すごいことは私が一番わかっている。それはそれとしてお前たち、そこにいい樹下といい空家があるから精進してきなさい。三遍知するまでは席を立ってはならない。解散」だと思います。


三遍知は増支部経典の三集の記述にも絡んできます。

・旧友バランドゥ・カーラーマ
 http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=26901332&comm_id=951429



このトピックは欲色受の味患離を忘れたときに思い出す用として使ってください。

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