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原始仏教コミュの戒律設定の原則 「正法久住のため」

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原始仏教教団のルールである学足・パーティモッカの設定の原則について。





  1.正法が長く続かない原因    少しの九教・設定されない学足パーティモッカ
  2.正法が長く続く原因      多くの九教・設定された学足パーティモッカ
  3.律が設定される時の条件    サンガに漏処法が現れたその時
  4.サンガに漏処法が現れる四条件 長時間経過・教団拡大・利得増大・多聞者増大
  5.律を設定する十の理由
  6.初犯者へのゴータマの叱責の仕方






 *過去七仏 ヴィパッシン・ブッダ   九十一劫(カッパ)前のブッダ
       シキン・ブッダ      三十一劫前のブッダ
       ヴェッサブー・ブッダ   三十一劫前のブッダ
       カクサンダ・ブッダ    バッダ・カッパ 最初のブッダ
       コーナーガマナ・ブッダ  バッダ・カッパ 第二のブッダ
       カッサパ・ブッダ     バッダ・カッパ 第三のブッダ
       ゴータマ・ブッダ     バッダ・カッパ 第四のブッダ
      (メッテーヤ・ブッダ    バッダ・カッパ 第五のブッダ)



「   〔1.正法が長く続かない原因〕
19.先生、何が原因であり何が縁となってヴィパッシン先生・シキン先生・ヴェッサブー先生の梵行は長く続かなかったのですか。
 サーリプッタ、ヴィパッシン先生・シキン先生・ヴェッサブー先生は弟子たちに法を解説[広説]して説くことに疲れたのだ。
 彼らには少しのスッタ・ゲッヤ・ベッヤーカラナ・ガーター・ウダーナ・イティヴッタカ・ジャータカ・アッブタダンマ・ヴェーダッラがあった。
 しかし弟子たちに学足[シッカーパダ]を設定せず、パーティモッカを定めなかった。
 そしてそのブッダたち・先生たちが滅し、それぞれのブッダの弟子たちの最後の弟子までも滅し、様々な名・様々な姓・様々な生まれ・様々な家から出家した彼らはその梵行を速やかに滅ぼしたのだ。
 サーリプッタ、たとえば様々な花が板に置かれていても、それが糸でまとめられていないならば、それらは風が吹くと散らばり壊れて分散してしまう。それはなぜか。
 それらが糸でまとめられていなかったからである。
 サーリプッタ、このようにそのブッダたち・先生たちが滅し、それぞれのブッダの弟子たちの最後の弟子までも滅し、様々な名・様々な姓・様々な生まれ・様々な家から出家した彼らはその梵行を速やかに滅ぼしたのだ。
 ・・・(しかし彼ら三如来も他心通によって弟子を教えることには疲れなかったとの記述)・・・
 サーリプッタ、これが原因でありこれが縁となってヴィパッシン先生・シキン先生・ヴェッサブー先生の梵行は長く続かなかったのだ。


   〔2.正法が長く続く原因〕
20.先生、何が原因であり何が縁となってカクサンダ先生・コーナーガマナ先生・カッサパ先生の梵行は長く続いたのですか。
 サーリプッタ、カクサンダ先生・コーナーガマナ先生・カッサパ先生は弟子たちに法を解説して説くことに疲れなかったのだ。
 彼らには多くのスッタ・ゲッヤ・ベッヤーカラナ・ガーター・ウダーナ・イティヴッタカ・ジャータカ・アッブタダンマ・ヴェーダッラがあった。
 そして弟子たちに学足を設定し、パーティモッカを定めた。
 そしてそのブッダたち・先生たちが滅し、それぞれのブッダの弟子たちの最後の弟子までも滅しても、様々な名・様々な姓・様々な生まれ・様々な家から出家した彼らはその梵行を久しく長い間続かせた。
 サーリプッタ、たとえば様々な花が板に置かれていてそれが糸でまとめられているならば、それらに風が吹いても散らばらず壊れず分散しない。それはなぜか。
 それらが糸でまとめられていたからである。
 サーリプッタ、このようにそのブッダたち・先生たちが滅し、それぞれのブッダの弟子たちの最後の弟子までも滅しても、様々な名・様々な姓・様々な生まれ・様々な家から出家した彼らはその梵行を久しく長い間続かせた。
 サーリプッタ、これが原因でありこれが縁となってカクサンダ先生・コーナーガマナ先生・カッサパ先生の梵行は長く続いたのだ。


   〔3.律が設定される時の条件〕
21.そこで尊者サーリプッタは起立し上衣の一方をはだいて先生に合掌して先生にこう言った。
 先生、今がその時です。善きところへ達した方、今がその時です。
 先生は弟子たちに学足を設定し、パーティモッカを定めてください。
 そうすればこの梵行は長い間続くでしょう。
 サーリプッタ、あなたは待ちなさい。サーリプッタ、あなたは待ちなさい。
 如来はその時を知っている。
 サーリプッタ、ここにある漏処の法がサンガに現れないならば、師は弟子たちに学足を設定しパーティモッカを定めることはない。
 サーリプッタ、しかしここにある漏処の法がサンガに現れたならば、そのとき師は弟子たちに学足を設定しパーティモッカを定め、それによって漏処の法を破壊する。


  〔4.サンガに漏処法が現れる条件〕
 サーリプッタ、サンガに長い時間が経たないならば、ここに何らかの漏処の法はサンガに現れないだろう。
 サーリプッタ、しかしサンガに長い時間が経てば、そのときここに何らかの漏処の法はサンガに現れ、そのとき師は弟子たちに学足を設定しパーティモッカを定め、それによって漏処の法を破壊する。
 サーリプッタ、サンガが拡大して大きくならないならば、ここに何らかの漏処の法はサンガに現れないだろう。
 サーリプッタ、しかしサンガが拡大して大きくなれば、そのときここに何らかの漏処の法はサンガに現れ、そのとき師は弟子たちに学足を設定しパーティモッカを定め、それによって漏処の法を破壊する。
 サーリプッタ、サンガの利得が最上となり大きくならないならば、ここに何らかの漏処の法はサンガに現れないだろう。
 サーリプッタ、しかしサンガの利得が最上となり大きくなれば、そのときここに何らかの漏処の法はサンガに現れ、そのとき師は弟子たちに学足を設定しパーティモッカを定め、それによって漏処の法を破壊する。
 サーリプッタ、サンガに多聞の者が多くならないならば、ここに何らかの漏処の法はサンガに現れないだろう。
 サーリプッタ、しかしサンガの多聞の者が多くなれば、そのときここに何らかの漏処の法はサンガに現れ、そのとき師は弟子たちに学足を設定しパーティモッカを定め、それによって漏処の法を破壊する。
 サーリプッタ、実に〔現在〕比丘サンガは汚れなく、卑しくなく、黒なるところに行かず、清浄であり、精髄として住している。
 サーリプッタ、これら五百の比丘たちの中で最後の比丘であっても、彼は流れに入った者であり、堕ちることのない法であり、決定しており、正覚に向かう者である」
   (『南伝大蔵経1 律蔵1』大蔵出版 P12−15  に相当)
 

それから後にスディンナ・カランダカプッタが元妻に子種をくれとせがまれて性行為を行ない、最初の犯行者となり、学足・パーティモッカが設定されることになります。設定の際にゴータマは学足を定める十の利益を先に述べます。




  〔5.律を設定する十の理由〕
「39.・・・・・・
 比丘たちよ、私は十の利益[意義]を縁として比丘たちに学足を設定する。
 1 サンガを善くするため
 2 サンガの安穏のため  
 3 悪いことを考える者を抑制するため
 4 愛すべき比丘たちが安穏に住するため
 5 現世の漏を律儀するため 
 6 後世の漏を破壊するため
 7 信じていない者たちを信じさせるため
 8 信じている者たちをさらに多くそうさせるため
 9 正法を続かせるため  
 10 教え[律 ヴィナヤ]を資助するため。」
   (『南伝大蔵経1 律蔵1』大蔵出版 P32)



スディンナへの厳しいゴータマの叱責は学足設定の十利の記述の前にあるものですが、参考のために紹介するだけですので、順序は逆ですが最後にしました。この叱責はサンガにおける大罪において毎回言われる定型文です。


  〔6.大罪犯行者へのゴータマの叱責の仕方〕
「39.・・・・・・ 
 スディンナ、あなたが元妻と性行為の法を行なったというのは真実か。
 先生、真実です。[サッチャ sacca 四諦の「諦」と同語]
 愚か者よ[モーガプリサ!]、適切ではなく、相応しくなく、威儀ではなく、沙門の行ないではなく、許容されず、為すべきではない。
 愚か者よ、どうしてあなたはこのように善く説かれた法と律において出家し、自ら生涯、円満で遍く清浄な梵行を為すことができないのか。
 愚か者よ、私は多くの方法によって貪りを離れるために法を説いたのであり、貪るためではない。
      束縛を離れるために法を説いたのであって束縛されるためではない。
      執着しないために法を説いたのであって執着するためではない。
 愚か者よ、それをあなたは私が貪りを離れるために説いた法を貪るためだと思い、
      束縛を離れるために説いた法を束縛されるためだと思い、
      執着しないために説いた法を執着するためのものだと思っている。
 愚か者よ、私は多くの方法によって貪りを離れるために法を説く。
      驕慢を打ち破るために、
      渇きを制御するために、
      アーラヤを根絶するために、
      輪廻を断絶するために、
      渇愛を尽くすために、
      離貪のために、
      滅のために、
      涅槃のために法を説く。
 愚か者よ、私は多くの方法によって欲を断つことを語り、
      欲の想い[欲想]を遍知することを語り、
      欲の渇き[欲渇]を制御することを語り、
      欲の考え[欲尋]を根絶することを語り、
      欲の熱悩を寂静にすることを語る。

  ・・・(以下は性行為特有の叱責の記述)・・・」
   『南伝大蔵経1 律蔵1』大蔵出版 P30−31
















学足を設定する:sikkhāpadaṃ paññapeti
パーティモッカを定める:uddisati pātimokkhaṃ

漏処の法 :āsavaṭṭhānīyā dhammā
破壊する :paṭighāta

長い時間が経つ:rttaññu mahatta
拡大して大きくなる:vepulla mahatta
利得が最上となり大きくなる:lābhagga mahatta
多聞の者が大きくなる:bāhusacca mahattta


・律を設定する十の理由の原語
 1 サンガを善くするため  [saṅgha suṭṭhutāya]
 2 サンガの安穏のため   [saṅghaphāsutāya]
 3 悪いことを考える者を抑制するため [dummaṅkūnaṃ puggalānaṃ niggahāya]
 4 愛すべき比丘たちが安穏に住するため[pesalānaṃ bhikkhūnaṃ phāsuvihārāya]
 5 現世の漏を律儀するため [diṭṭhadhammikānaṃ āsavānaṃ saṃvarāya]
 6 後世の漏を破壊するため [samparāyikānaṃ āsavānaṃ paṭighātāya]
 7 信じていない者たちを信じさせるため    [appasannānaṃ pasādāya]
 8 信じている者たちをさらに多くそうさせるため[pasannānaṃ bhiyyobhāvāya]
 9 正法を続かせるため   [saddhammaṭṭhitiyā]
 10 教え[律]を資助するため    [vinayānuggahāya]。」


愚か者:モーガプリサ moghapurisa プリサは人、男
適切ではない:ananucchavikaṃ
相応しくない:ananulomikaṃ
威儀ではない:appaṭirūpaṃ
沙門行ではない:assāmaṇakaṃ
許容できない:akappiyaṃ
為すべきではない:akaraṇīyaṃ

離貪:virāgāya
有貪:sarāgāya
離結:visaṃyogāya
有結:saṃyogāya
無取:anupādānāya
有取:saupādānāya

驕慢を打ち破る:Madanimmadanāya
渇きを制御する:pipāsavinayāya
アーラヤを根絶する:ālayasamugghātāya
輪廻を断絶する:vaṭṭupacchedāya

愛尽:taṇhākkhayāya
離貪:virāgāya
滅 :nirodhāya
涅槃:nibbānāya

欲を断つ:kāmānaṃ pahānaṃ
欲想を遍知する:kāmasaññānaṃ pariññā
欲渇を制御する:kāmapipāsānaṃ paṭivinayo
欲尋を根絶する:kāmavitakkānaṃ samugghāto
欲の熱悩を寂静にする:kāmapariḷāhānaṃ vūpasamo

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