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LA MISTERIOSA FIAMMA DELLA…コミュの7.Otto giorni, Di fronte a tanta....以下の訳

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 大量の雑誌を前にして屋根裏部屋で座ったままでいたため、体がこわばっていたが、私は一階にあるリンゴの大部屋に何冊も運び込んだ。何故ならその数日間、暑さが耐えられない程だったから。そして私は大テーブルに並べられたリンゴ全てにカビが生えているという印象を持った。しかしそのあと、カビの匂いが、まさしくそういう雑誌から生じていることが判った。屋根裏部屋の乾燥した空気の中で、50年たってどうして湿気を帯びたというのか? 多分寒い雨の多い季節には、もう屋根裏部屋はそんなに乾燥していなかったのだろう。そして屋根を通して湿気を吸い込んでいたのだ。あるいは多分それらの雑誌は、そこに到着する前に地下室か何かで何十年もの間、壁からしたたり落ちる水分に接していた。祖父はそこでそれらを見つけ出したのだ(彼もまた未亡人たちを口説かなければならなかった)。そしてそれらは、かさかさに乾かす熱気の下でさえ、匂いを失わない程まで腐っていた。私が残忍な出来事や無慈悲な復讐を読んでいた時には、カビが私に残酷な感情を思い起こさせたというよりも、むしろ東方の三博士や幼児イエスがそういう感情を私に思い起こさせたのだ。

注)ここではK氏は、bensiのあとi Re Magi e Gesu Bambino を主格ととらえている。私はそれを目的格と考えている。その場合、訳は次の様になる。
「カビは私に残酷な感情よりも、むしろ東方の三博士や幼児イエスのことを思い起こさせたのだ」
K氏は両方ともあり得るとし、物語の今後の推移によると述べた。
なお、solo che は「....思い起こさせただけだ」ともいえるし、接続詞句のように「ただ、単に」などともいえる。どちらでも良いようだ。

何故? いつ私がいったい東方の三博士とかかわりがあったのか? その東方の三博士がサルガッソー海(注:船の墓場)の皆殺しと、どんな関係があったのか? Grand Guignol(注:フランスの人形劇、残忍な主人公)で示された残酷な世界、八つ裂き、皮剥ぎ、火刑や縛り首の世界について私に物語ったそういう冒険から、善良な家庭的な感情の世界を切り離すという生まれつきの能力を、私は多分持っていたのだ。
 最初の棚は完全に空にされた。私が全てに目を通すことができなかったにせよ。三日目に私は二番目の棚を試してみたが、もっと隙間があった。そこでは本は整然と一列に並べられていた。伯父たちがまるでかんかんになって対策を講じたかのように、彼らが厄介払いしたかった類の物を詰め込もうと夢中になったのではなくて、その前にむしろ祖父がしたのだった。あるいは私だったかも。それらはもっと子供向けの本ばかりだった。そして多分私の個人的な小さな蔵書に所属するものだった。
 私は自分のSalani少年文庫の全集全部を引き出した。それについては私は表紙に見覚えがあり、またその本を取り出すよりも前にその題名をそらんじていた。それを見分けられるという確信を持って、同業者のカタログの上に、あるいは最近の未亡人の蔵書の中で、最もよく知られた本、ミュンスターの地図学(注:世界図誌)あるいはCampanellaの諸物及び魔術の感覚について:海から来た少年、ジプシーの遺産、Fior-di-soleの冒険、逃げ出したウサギの一族、意地悪な幽霊、カザベッラ屋敷の女囚たち、絵のついた荷車、北の塔、インデイアンのブレスレット、鉄人の秘密、バルレッタサーカス......
 多過ぎる。屋根裏部屋にいたのでは、私はノートルダムのせむし男のようにまひするだろうと思った。それらの本を一抱え持って降りて行った。書斎に行き着くことも、庭に腰を下ろすこともできたが、むしろはっきりしないけれど他の事を考えていた。
 家の裏手を通って右手の方へ行った。そこでは豚が鼻先で地面をかき回しており、雌鶏が鳴き声をあげているのを、最初の日に聞いていた。そこ、アマーリアの棟の裏手では、まさに昔のままの中庭があった。そこではニワトリが地面を引っ掻き回しており、もっと前の方にはウサギ小屋と放し飼い用の囲いが見られた。
 一階には農業用の道具、熊手、堆肥用熊手、シャベル、石灰用のバケツ、古い大桶で一杯になった大部屋があった。
 中庭の奥には小道が果樹園に通じており、本当に勢いよく生き生き育っていた。最初の欲求は木の枝に登り、跨ってそこで本を読み始めることだった。多分子供の頃にそのようにしていただろうが、しかし60歳になっては用心し過ぎるということは決してない。そのあと私の足は既に別な所に赴きつつあった。私は青葉の間の石の小階段に進んだ。そして円形のスペースに降り立った。そこはセイヨウキヅタによって覆われた一寸した壁で取り囲まれていた。

(次は、p.142、上から2行目中間、Proprio di fronte all'accesso.....から)


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