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LA MISTERIOSA FIAMMA DELLA…コミュのp.154,上から8行目,Per contrasto,alla......から

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 気分を変えて夜はベッドで、私はサルガーリの「Mompracemの虎たち」を開いていた。
 1849年12月20日の夜、非常に激しい台風がMompracemで荒れ狂っていた。忌まわしい評判の未開の島、恐るべき海賊の巣窟となっていた。マレーシアの海に位置し、ボルネオの西岸からは何百カイリと離れていない。空一面に逆らいようのない風に押されて、黒い雲の塊が、解き放たれた馬のように流れていた。絶え間なくかき混ぜられながら、その黒い雲の塊が、時折島の暗黒の砦の上に猛烈な集中豪雨を降らせていた。誰が一体そんな時間に、そんな台風の時に目覚めていたというのか、血なまぐさい海賊の島で?その住居の一室は明るく照らされている。壁は重い赤の布で、ビロードのとても高価な浮き織りの錦織りで覆われている。しかしあちこちに皺が寄り、ちぎれ、汚されている。そして床は金色のきらめく部厚いペルシャ絨毯の下に隠れている。その中央には真珠貝で象嵌され、銀の唐草模様で飾られた黒檀のテーブルがある。そこには瓶と最高級のクリスタルのグラスが載っている;四隅には大分壊れた大きな棚があり、金のブレスレット、イヤリング、指輪、メダル、ゆがんだり押しつぶされた高価な聖具、疑いなくセイロンの有名な養殖場で採れた真珠、エメラルド、ルビーやダイアモンド、それらは天井に吊るされた金のランプの光を受けて無数の太陽のように輝いているが、それらが溢れている壷がぎっしり詰まっている。そのように奇妙なインテリアのその部屋に一人の男が、かしいだ肘掛け椅子に座っている:背が高く、ほっそりして、筋肉が盛り上がり、精力的な顔立ちで不思議な美しさの持ち主である。
 私の英雄は誰だったのか?ホームズ、彼は暖炉の前で一通の手紙を読んでいた。お気に入りの(sua)7パーセントの溶液によって上品に陶然として。あるいはサンドカンか、彼は愛するMariannaの名前を呼びながら、胸中は張り裂けんばかりだった。
 それから私は粗悪な紙に印刷された他の仮綴本を集めた。そこに私は仕上げを加えていた。何度も読み返すことによって皺くちゃになって、多数のページの余白に自分の名前を書いたままで。奇跡的に一緒にはなっていたが、すっかり(とじの)ばらけた本もあった。その他の本は恐らく自分で手直ししていた。砂糖用の紙と家具用の接着剤を使って、新しく背を張って。
 もはや本のタイトルさえ見ることはできなかった。屋根裏にいたのは八日間だった。私はそれが判っていた。全て事細かに読み返すべきなのだろうが、しかしそれにはどれだけかかるのだろうか?私の5歳の時の終り頃にたどたどしく読むことを学んだこと、それから少なくとも高校に上がる頃まで、それらの見つけ出した読み物の中で過ごしたことを考慮すると、少なくとも10年はかかった筈だ。八日間どころではない。私がまだ文字が読めなかった時に、特に挿絵付きにせよ、私に両親や祖父が他の多くの本を読み聴かせてくれたことを勘定に入れなくても。
 もし自分自身をすっかり、そういう紙類の山の中でやり直そうとしたなら、私はFunes el Memorioso(注:Borgesのストーリーの題名、偶然に記憶の超能力を持つことになった人の話)になりかねないし、子供時代の年月の全てを一つ一つもう一度生き直すことになっただろう。夜、木々の葉がこすれる音の一つ一つも、朝、カフェラッテの匂いを嗅ぐ一つ一つ(の瞬間)も。膨大過ぎる。そしてもしあいも変わらず言葉だけが残ったなら、私のもっと真実の隠された記憶に道を開くようなニューロン同士の未知のやりとりを作動させることもなしに、私のなおも病んだニューロンを一層混乱させるように(注:ここまでse fossero rimaste.....の仮定文の中に入る)。「何をするか?(注:または、何をなすべきか? Chernyshevskyの小説、1863、レーニンに繋がる)」 レーニンは控えの間の白い肘掛け椅子の上だ。多分私はすっかり間違っていたし、そしてパオラもすっかり間違っていた:ソラーラへ戻らなければ私は唯の呆け老人であったものが、そこへ戻ることによって気が狂ってそこから出て来ることにもなりかねなかった。
 私は全部の本を再び二つの本棚に戻した。それから屋根裏を離れることにした。しかしその途中で一揃いのボール箱を見つけた。それには殆んどゴシック体の見事な筆跡で書かれたラベルが付いていた:「ファシズム」「40年代」「戦争」......
それらもきっと祖父によってずっと置かれたままの箱だった。その他のボール箱はもっと最近のもののように見えた。叔父夫婦が、出くわした空の箱を手当たり次第に使ったに違いなかった。Azienda Vinicola Fratelli Borsano(ボルサーノ兄弟ワイン商会)、Borsalino(帽子の会社)、Cordial Campari(カンパリの会社名)、Telefunken(ドイツの電器会社) (ソラーラにラジオがあったか?)
 それらを開けることはできなかった。そこから出て山あいを散歩に行かなければならなかった。そのあとで戻るつもりだった。私はもう限界だった。多分熱があったのだ。
 日没の時刻が近づいていた。アマーリアは既に大きな声で呼んでいた。そして私が自分の指を舐めるほど(美味しい)フィナンチェールソースだと予告した。最初のぼんやりした影が屋根裏の最も奥まったコーナーに忍び込んで来て、何かのファントマが待ち伏せていることを私に教えてくれた。そいつは私の背後から跳びかかり、麻縄で私を縛り、そして底なし井戸の深みに私を吊るそうと、私がよろけるのを待ち構えていた。何よりも先ず、私がもはや子供ではなく、もう一度子供になろうとしていることを、自分自身に示すために、私は明るみの少ない区域をちらっと見ようと、勇敢にゆっくりと歩みを進めた。古いカビの匂いに再び襲われるまで。
 

コメント(1)

上記の訳は、p.156,上から18行目迄です。次はそのあと、Ho tirato fuori,....からです。

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