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『世界の肖像』コミュの「フェア・フィールド」と高濃度重金属の子どもたち

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ニューヨークの郊外、大西洋が一望できる場所に、
イタリア風の巨大な邸宅が建っている。

29のベッドルーム、
39のバスルーム、
3つのプール、
レストランサイズのキッチンもあれば、
ボウリングレーン、
164席あるシアター、
そして、車200台分の駐車スペースがあり、
建築費用は、100億円とも言われている。



その対岸の太平洋に面する南米の国ペルー。

その首都リマから180キロメートルほど東の
アンデス山脈の標高3000メートルのところに、
ラ・オロヤ(La Oroya)の町がある。

ラ・オロヤは、1万年以上も前から
人々が住んでいたとも言われるとても古い街だ。


この土地に、鉄道がひかれ、
アメリカ合衆国資本の会社が、
金属精錬工場を設立したのは、1922年のことだった。


現在は、この工場は、1997年から、
アメリカ合衆国の会社 ドエ・ラン社(Doe Run)が所有し、
銅を主力に、20種類もの金属を精錬している。



「わたしの12歳の娘の手は、
 水ぶくれができて腫れています。
 
 そして、この子は、頭がとても痛いと言うんです。」

この街に住む、ルス・ファジャルドさん(Ruth Fajardo)は、
BBCのインタビューの中で語った。


また、別のメディアIPSの記事に登場する母親、
イレーネさん(Irene Caso Huerta)の
6人の子どものうち、4人も、
高い血中鉛濃度で、
1番低くて、33 mcg/d
1番高い濃度の子どもは 91 mcg/dだった。


1番高い濃度の子どもは、
末っ子のステュアートくん。

1歳6ヶ月のステュアートくんの大きさは、
1歳の平均にも満たない。



近年の研究によれば、
WHOの許容値 10 mcg/dl以下でも、
子どもたちは、鉛による知的障害が起こるといわれている。



2001年、ペルー政府は、
公害地区ワースト13の1つに、
ラ・オロヤをあげた。

2006年、アメリカのシンクタンク、
ブラックスミス研究所は、
世界の公害地区ワースト10のうちの1つに、
ラ・オロヤをあげた。


2005年、セントルイス大学が
6歳以下の子どもの血液中の鉛濃度の
調査結果を発表。

調査した子ども788人のうち、
世界保健機構(WHO)の許容値 10 mcg/dlを
"超えなかった"のは、1人のみで、
多くの子どもたちは、40 mcg/dl を超えていたと公表した。



工場の煙突から排出される
未処理の硫黄酸化物の1日の量は、
ペルー政府の許容基準の4倍の、810トン。

その他にも、
マンタロ川への未処理かつ無許可の液体廃棄物の排出、
規制量を上回る液体廃棄物の排出などで、
ペルー政府から、240万円ほどの罰金を受け、
さらに改善を求められている。


それに対し、ドエ・ラン社は、
金属価格の下落などでの経営の悪化で、
環境への対応の先延ばしを主張し、
また、工場の閉鎖をちらつかせている。

この工場は、3000人以上の労働者を雇用し、
3万5千人ほどの人口のラ・オロヤの街の住人の
ほとんどは、何かしらの形で、
経済的に、この工場と関わりを持っている。



28歳で、ハーバード大学史上最年少の教授となり、
世界銀行上級副総裁(世界銀行チーフエコノミスト)、
クリントン政権の財務長官
ハーバード大学に学長だった、
ローレンス・サマーズは、
世界銀行時代に、
有名な「サマーズ・メモ」を残している。


その概要は、こんなものだ。

・公害被害による病気や死者への保障額は、
 貧しい地域ほど、少なくて済む。
 
・公害被害とその対策コストは、初期段階では非常に小さい。
 公害対策のコストが増大する前に、
 企業は、公害の少ない地域に移転するべきである。
 
・クリーンな環境への要求は、豊かな地域ほど大きい。
 一方、5歳までに5分の1の子どもが死ぬ地域では、
 公害が問題になりにくい。

そのような理由から、
世界銀行は、
公害産業を、最貧国へ誘致することを奨励すべきである…と…。



2009年、ローレンス・サマーズは、
オバマ政権の国家経済会議委員長に就任した。


ニューヨークの郊外、大西洋が一望できる場所に、
イタリア風の巨大な邸宅が建っている。

29のベッドルーム、
39のバスルーム、
3つのプール、
レストランサイズのキッチンもあれば、
ボウリングレーン、
164席あるシアター、
そして、車200台分の駐車スペースがあり、
建築費用は、100億円とも言われている。


ここは、アメリカの富豪、
そして、ラ・オロヤの工場を所有する
ドエ・ラン社のオーナー
アイラ・レナート(Ira Rennert)の自宅だ。

彼の資産は、およそ6000億円。


レナートの邸宅が建つ
東京ドームが5つ、十分収まる土地は、
「フェア・フィールド=公正な土地」と呼ばれている。


ペルーの銅を一番買っている国は中国で、
そして、2番目は、日本だ。

-----
関連リンク
ラ・オロヤについて

オックスファム(Oxfam)
Crisis Deepens in La Oroya
http://es.oxfamamerica.org/en/newsandpublications/news_updates/archive2004/news_update.2004-12-20.4019587716

IPS
PERU: Gasping for Clean Air in La Oroya
http://ipsnews.net/news.asp?idnews=35822

BBC
Life in Peru's most polluted town
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/7057749.stm
Peru smelter pollution at crisis point
http://news.bbc.co.uk/2/hi/business/8081907.stm

New York Times
In the Andes, a Toxic Site Also Provides a Livelihood
http://www.nytimes.com/2009/06/25/world/americas/25peru.html
At Home in Versailles on the Atlantic
http://www.nytimes.com/2004/07/04/nyregion/at-home-in-versailles-on-the-atlantic.html

The Observer
Poisoned city fights to save its children
http://www.guardian.co.uk/world/2007/aug/12/environment.pollution

ブラックスミス研究所
The World’s Worst Polluted Places(PDF)
http://www.blacksmithinstitute.org/wwpp2007/finalReport2007.pdf

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の
ラ・オロヤに対する資料(PDF)
http://www.cdc.gov/nceh/ehs/Docs/la_oroya_report.pdf

サマーズ・メモ
New York Times
Furor on Memo At World Bank
http://www.nytimes.com/1992/02/07/business/furor-on-memo-at-world-bank.html

The Memo
http://www.whirledbank.org/ourwords/summers.html

Doe Run Company
http://www.doerun.com/
------------------
『世界の肖像』関連
聖なる男の子とアンデスの子ども
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=44483418&comm_id=1808806

原油が高いと言う話じゃない
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=15504854&comm_id=1808806

アフリカとハゲタカ
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=17927298&comm_id=1808806

アフリカのヨイトマケの唄
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=16177118&comm_id=1808806

最も愚かな理由、金のせいで死なせないだろう。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=260072883&owner_id=5766188

コークとカフェとアイスクリーム
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=251705060&owner_id=5766188

・・・生きることをあきらめなくてはならない
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=30401454&comm_id=1808806

--------
写真
1.
ラ・オロヤの子どもたちの多くが、
体内に高濃度の重金属を取り込んでいる。
http://www.nytimes.com/slideshow/2009/06/25/world/06252009PERU_index.html
2.ルス・ファジャルドさんと娘と家族
3.「フェア・フィールド」
http://en.wikipedia.org/wiki/Ira_Rennert

コメント(20)

アイラ・レナートさんの豪邸は病院にすべきです。 いじめっこを見てみねふりする子供も同罪であるように、日本も同罪ですね。
他人をどんなに不幸にしても、自分が儲かればよいという
「成功した銀行家」「賢者」とやらの「経営哲学」「戦略」
これは今でも自民党・公明党の信奉するカルトでもあり
マスコミに流させているものでもありますね。
それが根本的に間違っているという事が分からないのが
自己中心的な「エリート」というもの、あるいは「愛国者」
などという右翼。醜い事限りなしです。

世界人類が平和でありますように

オーム ナマッ シヴァーイャ
 重金属汚染ですね。足尾鉱毒事件と同じことですか。。。

 資本の論理からいかにして脱するか。

  闘うしかないでしょう。





 
>2009年、ローレンス・サマーズは、
オバマ政権の国家経済会議委員長に就任した。

*ほぉー。
*オバマはラ・オロヤの事、知ってんのかな。。

>ペルーの銅を一番買っている国は中国で、そして、2番目は、日本だ。
*ほー、そうなんだ。

>文句を言えば文句を言わない地域に移転してくれるだろう

だが次の日から金が入る術はなくなる

この先も全員が黙って操業するのだろう

*ペルー現政権がどうなっていて、どういう政策なのかを知りません。
*日本の次期政権候補政党の外交政策はどうだったかな。
>>9:スカイクロレラ 様
次期政権が、内政干渉して改善を迫るかなと敢えて妄想してみましたが、しないでしょうね。。

ローレンス・サマーズといえば、
2005年には「金融自由化を疑うのは科学の進歩を疑うのと同罪」
2006年には「民間の規制とは事実上の無規制に等しく、規制は政府も民間企業も想定外の最悪の事態は想定できないことを前提にすべきだ」
と、1年間で180度主張を反転させた人物。
きっと、公害問題も今頃180度真逆の主張をしていても驚きませんねwww

さて、公害問題とはちょっと外れますが、排出権取引の考え方に「キャップ&トレード方式」と「ベースライン方式」と2種類あります。
前者は旧共産圏が労せずして排出権を得てしまう「ホット・エア問題」で普及しませんでした。
後者には、「外国で環境投資して排出量減らした分も自国の削減実績に加算できる」という特徴があります。
これは、日本のように削減コストの高い国で削減する代わりに、中国やロシアのように削減コストの低い国に投資して同じコストでより多く削減する方が、地球全体としてメリットがあることから認められました。
キャップ&トレード方式はEU始め世界から忘れられてますが、ベースライン方式はシステム的なインフラも含め2007年から排出権取引が実務的にも開始されています。
既に日本から他国に投資する環境プロジェクトが複数立ち上がっており、中には公害解決を含むプロジェクトもあったりします。

日本が利潤を追求することで、世界をより善く変えていくことができます。
そして、利潤追求はモラルよりはるかに人々や国々を動かす力が強いのです。
>きっと、公害問題も今頃180度真逆の主張をしていても驚きませんねwww

公害対策をする事で利潤追求に繋がればいいのでしょうが・・・。


皆様頭が良いですね。
馬鹿なオレにはよくわからんす。

何かもっと単純に…
空気が汚いです。じゃあキレイになるよう努力しましょう。
空気が汚いせいで病気になります。じゃあ空気の正常化と治療をしましょう。
って発想にならないんですかね?

人類ってそんなに腐ってるんですかね?

まぁオレ自身腐ってるうちの一人なのでしょうが…
金持ちが、天国に行くにはラクダが針の穴通るのより難しい

と言う聖書のみ言葉がチャンと有りますから病気、差別に

負けないで、最後まで貧乏人でも良いから人生を全うして貰いたいの一言

この世は仮の宿。

天国は、永久の住みか。万歳〜金持ち罵倒、糞くらえ〜
  どの国も発展をする為に弱者は切り捨てられてきた・・・

いつまでくさい物に蓋をする政策を取り続けるんだろうと思ったりします。

自分が成功すれば他は良いなんて考えは何時までも通用する訳では無い。

全ての国の公害が解決された訳では無いけれど、公害問題をどの様に取り組んで乗り越えたかを各国で共有し国益よりも、世界益を優先して無くす事に努めて欲しい。





お応えした方が良いですかね。。。

Fox-sendai様

ベースライン方式の排出権取引は一つのモデルだと考えます。

リアル様

日本政府による国際貢献が欧米や中国のそれとは最も異なる点が、「三方善し」の考え方です。
一方的でなく、互恵的となるようにすること。
これが「心の問題」を乗り越える決め手です。

弐玖様

社会保障経済学の泰斗・権丈善一氏が「大事なことは単純じゃない」と言ってました。
環境問題に限らず「飯が食えること」は絶対必要条件です。
飯が食えないプロジェクトは必ず尻切れトンボで終わります。
地球的問題群の多くは世代を超えて持続的に取り組まなければならず、それで飯が食えなければ担い手は飢え死にしてしまいます。

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