Ｖ３といったら、もちろん三人目の仮面ライダーだ（クラタ隊長も好きだけど）。
仮面ライダーシリーズ（スーパー１ぐらいまで）は、大学生ぐらいまでに突発的に見たくなって何度か見返しているのだが、なぜかＶ３の最初の数話だけ長いこと見ていなかった。子供のころ見た記憶しかない。大好きな一号二号が死んでしまうショッキングな展開に、当時は、しばらくＶ３が嫌いになって番組を見なくなったくらいだ。
で、今回機会があって見たわけなんだが……。
やっぱいいわ。
なにより殺陣がかっこいい。ストーリーもしっかりしてる。
もちろん突っこみどころも満載なわけだが、大笑いしちゃうよりじっと見入ってしまうシーンのほうが明らかに多い。
このところずっとケーブルテレビで放送しているダイヤモンドアイに比べると、とても同時期の作品とは思えない完成度だ（いや、あれはあれで楽しいけどね。ヒメコブラとかヒメコブラとか……）。
それにしても風見志郎はハードだよなあ。
先輩たちは、テレビシリーズでは家族のことが語られなかったからなあ。でも、本郷と一文字のほうは、会話やちょっとした目配せなんかが、これまでの長いストーリーを背負っていることを感じさせてこれまた良いのだ。
風見は、一歩間違えば復讐の鬼と化して正義だの人類だのどうでもよいキャラになってしまうところを、そうはならない。この辺がライダーなんだと思う（だからといって、彼が『仮面ライダーになる前のことを全て捨ててしまう』などということは決してないのだ。憎しみを胸に秘めつつ、正義のために戦うところがかっこいいのだから）。
どうでもいいが、純子さんはちょっとショコタンに似ている。
ビルが地盤沈下しても、すぐに新しい店を始めてしまうおやっさんの資本力にも驚かされた（保険に入ってたのかな）。
敵は敵で、ハサミジャガーはかっこよく、カメバズーカーは強すぎ。白兵戦が得意なジャガーと支援攻撃が得意なカメ――きっとこの二人は、これまでもコンビで色々な恐ろしい任務をこなしてきたんだろう。別々の作戦を遂行していなければ、ライダーだって倒せたぞ、きっと。
そして、最初の作戦から原子爆弾というすごさ。
デストロンは科学力で押してたのに、いつの間にやら呪術や宗教に頼りだし、「やっぱ呪術はだめだ、科学だよ」とライダーマンを幹部候補生にしたのかなあ……なんて思ってしまった。
ＤＶＤを一本見たわけだが、二話で二人の怪人が登場するという構成も心憎い。なんとしても新番組へと子供たちを引っ張りこもうという意欲が強烈に感じられる。
子供のころはショックだったが、一号二号をあえて死なせてしまうのもすごい（あとでちゃんと生き返らせるけど）。
あと、やっぱり仮面ライダー最強の技は「なんだかわからないがとにかくピンチから脱出しちゃうパワー」なのだと再確認した。三人とも、２〜３話に一回はそうやって助かってしまうんだから、まったくデストロンもやってられんよ。
あれは、怪人の持つ「『プイィッ！』という音ともに何故か消えてしまう」パワーより、ずっと強いもんなあ。
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