前評判通り、圧倒的に面白い。昼食もまともに食えない過酷な仕事をこなした後、22時過ぎのレイトショーに駆けつけたのに、1秒たりとも眠くならなかったのだから凄いものだ。「エンタメホラー」という枠内では史上5本の指に入る傑作と言っていいだろう。
ミラ・ジョヴォヴィッチ主演で製作された以前のシリーズとはまったくの別物。アンブレラ社による生物兵器(?)の事故で生み出されたモンスターが横行する中を主人公がサバイバルするというコンセプトは共通しているが、本作の主人公ブライアン(オースティン・エイブラムス)は、アリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)のような超人的能力など持たない、平凡で気のいい配達人。その彼が、事情も分からぬまま貴重な荷物を任され、モンスターの襲撃をかいくぐりながら、ある場所に運ぼうとする物語。
思いきりダークなホラーであり、過酷なサバイバルアクションなのだが、同時に全編がオフビートなコメディタッチという点が何よりもユニーク。両極端な要素が、互いの持ち味を殺すことなく完全に両立している様は奇跡的だ。映像は暗い悪夢のような光景だが、主人公ブライアンのキャラクターと軽妙なセリフが、この奇跡を可能にしている。
そのような「ホラーとコメディの両立」という面で言えば、これはズバリ「バイオハザードの皮をかぶった『死霊のはらわた』」だ。サム・ライミの『死霊のはらわた』(1981年)も、製作されてからすでに45年。この手の作品としては、あれ以来の傑作だし、絶妙にグロい映像は『遊星からの物体X』(1982年)からの強烈な影響が感じられる。つまり1980年代前半におけるホラー映画の2大金字塔を2026年に甦らせた作品だと言える。
ザック・クレッガー監督の前作『WEAPONS』は世評ほど良いと思わなかったが、本作は文句無しの出来映え。「邪悪なものが走ってくる」というモチーフが『WEAPONS』と共通しているが、「邪悪なものに追われる→逃げる(時々反撃する)」という構図がより明確な分、全編が映画的な運動の快楽で満たされている。実にお見事な作品だ。
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