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2026年10月08日22:08

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『ナギダイアリー』感想

〜自然豊かな町・ナギで、ひとり創作に打ち込む彫刻家の寄子。ある日、東京と台湾で建築家として活躍する友梨が数日間の休暇をとり、別れた夫の姉である寄子のもとを訪れる。若くして妻を亡くした寄子の幼なじみ・好浩、息子の春樹とその親友・圭太など、人々との出会いは穏やかな日常に小さな揺らぎをもたらしていく。友梨は寄子の彫刻のモデルを毎晩つとめるなかで彼女の知られざる喪失に触れ、友梨自身にも変化が起こりはじめる〜<映画.comさんより>

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カンヌ国際映画祭で、今作、なかなかの好評だったんです。
どのあたりが外国の人たちにウケたんだろうってずっと気になっていました。
ようやく観賞。いやあ、カンヌの観客って、目が肥えてる!

冒頭に自衛隊の車がやって来る。そして演習の音が聞こえる。
かと思えば、中盤ぐらいに、この町の近代美術館が紹介される。
なんだか・・・お金の流れ?

それはさておき。
寄子と友梨の間柄が最初にこちらに知らされた時、それだけで、すでに唸ってしまった。面白い!
で、すぐに、何か奥がありそうだなと感じた。
そこに寄子の幼なじみ・好浩が出てきて、またまた奥が深まった。
好浩の息子の春樹とその親友の圭太は、作品に風と嵐を呼び込む役割。

今作で私が何よりも好きだったのは・・・寄子の彫刻作成の過程。
まず1つの丸太をゴロゴロ持ってきて「これが友梨(になるの)よ」
この台詞にまずグッと心が持っていかれた。
おそらく、その台詞で友梨は「ここで新しい自分が生まれる」のような気持ちになったのでは?

デッサン→粘土→彫る

彫刻の過程=人と人との繋がりの過程。
まず外観→そこからの肉付け→深く心が入り込んでいく。

寄子は幼なじみだった早苗に想いを寄せていました。
されど早苗は好浩と結婚。その後、若くして亡くなってしまう。

ある時、寄子は夢の中で早苗に会います。会う瞬間までのカットが凄く良かった。
3つぐらいの障子(襖)を開けて、開けて、最後に玄関(引き戸)を開けると、早苗がそこにいる。
確か、2人の間には、洗濯物のシーツ?

また友梨が春樹の家で寝てしまうというシーンもあり・・・。
目が覚めた時にふと目に入った絵に描かれていたのは、なんと!

春樹と圭太が突然決めた家出計画。
互いが好き。それだけでどこまでも行ける。2人でいればなんとかなると信じ切っている。
あまりにも無謀ゆえ、普通、大人は止めるべきなのに、寄子は、2人が必要と言ってきたお金を渡す。
おそらく寄子は、かつて自分ができなかった大胆行動を2人に託したっていうことだったかな。
結果じゃないのよね。その時に2人で決めて実行した。それがすべて。それを寄子は応援したかった。

この映画、セクシャリティが極々自然に描かれている。
日本もようやくそうなってきてるのね。

※予告編
https://youtu.be/ByhHZ9kUgaE

松たか子さんって、悪い意味ではなく、どういう作品でも、いつも松たか子なんだけど、それでもしっかり’役として’存在している。
石橋静河さんは、まだまだ顔がしっかり覚えられないんだけど、地に足がついた俳優さんっていう感じ。
松山ケンイチ、上手い。

彫刻の顔は一度潰される。それでも寄子は作り続ける。
このあたりの寄子の心情が手にとるように伝わってきた。

終盤、友梨はタクシーから身を乗り出し、自転車の春樹と圭太にエールを送る。
「行け〜!」「行け〜!」
それは自分自身へ励まし。彼らに力を送りながら、彼らからも力をもらっていた。
ラストシーンの友梨の台詞は、作品を綺麗にそして上手くまとめていた。

総評:主人公は彫刻家という設定がとても良かった。
とてつもなくのめり込んだというわけではなかったけど、いくつかのシーンにハッとさせられた。
日常音が効果的に使われていて、深田監督の世界に浸る。
こういう作品がカンヌで評価されたということに驚いたし、嬉しくもあった。3.8☆
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