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2026年10月02日22:24

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『私はあなたを知らない、』感想

〜天涯孤独の身である28歳の西山夕平は、自分の中で決められたルーティンをこなすだけの日々を過ごし、その環境を寂しいとも思わないまま生きてきた。そんな彼の日常は、職場にやって来た新しいパート職員・東浜紗月の存在により一変する。彼女と出会い、生きる喜びを得た夕平の毎日は輝いていく。ある日、夕平は紗月から5歳の娘・朝子を紹介され、彼女がシングルマザーであることを知る。紗月と朝子との生活で、「家族」という幸せの形を初めて知った夕平の心は開放されていくが...〜<映画.comさんより>

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観賞からかなり経ってしまったんですが、今作なかなか良かったので、ちょこっと書いておきます✍
中野量太監督は『湯を沸かすほどの熱い愛』が好きだったので、今作もそこそこ期待していました。

冒頭シーンで、いきなり今作が「好物!」だと確信。
ゴム手袋工場が、興味深いやら、なぜか切ないものがこみ上げてきたり...。
いきなり「主人公は素手では人に触れられない=なかなか心を開けないってことだな」って、自分の中で勝手に出来上がっていました(笑)

西山夕平は両親を亡くしており、同じルーティンの毎日を淡々と過ごしています。
不満があるわけじゃないけど、常に平熱。
(夕平、両親が亡くなった後、祖母に育てられていたって設定だった?それだと、朝子と同じだったっていうことか?)

ある時、その工場に東浜紗月が入ってきて、夕平の隣で働くようになります。
高級食パンがきっかけで、2人は親しくなっていく。
夕平が紗月のアパートを訪ねると、そこには幼い女の子(朝子)が。
紗月はシングルマザーだったのです。

それでも朝子は夕平になつき、また夕平も朝子と過ごすのが楽しみになっていきました。

紗月は、朝子のためにも、自分自身の成長のためにも、安定した収入を得られる仕事をしたいとずっと思っていたらしく、ある時、転職します。
最初は契約社員ですが、簿記検定の資格もとれば、正社員にもなれるようです。
紗月の帰りは次第に遅くなり、朝子のための転職なのに、朝子と過ごす時間がとれなくなっていきます。
その分、夕平が朝子の面倒をみているものの、夕平が「もっと朝子のために家にいてあげてほしい」と紗月に話すと、紗月は、まるで向上心のない夕平に腹が立ったのか「私は朝子の将来を考えて一生懸命やってるの」と言い返し、2人には距離ができてしまいます。

やがて朝子の保育園の運動会で夕平が騒ぎを起こし、それが決定打となり、紗月は夕平に別れを切り出します。

その後・・・紗月は亡くなってしまいます。

これが過去パートで、成長した朝子がメインとなる現代パートと並行して描かれていきます。
現代の朝子(18歳)は、母が亡くなってから自分を育ててくれていた祖母を看取ります。
祖母から「あなたが5歳の時に半年ほど父親のような立場の人がいた」という話を聞いていました。
メモに「この世であの男を恨めるのはあなただけ」って書いてあるのは、これ、祖母の言葉だったかな?

朝子は当時事件を担当した弁護士を訪ねます。
弁護士によると、夕平は裁判での発言次第では刑を軽くすることができたのに、それをやらなかったという話を聞きます。
その理由が気になってしょうがない朝子は、ついに母を殺した犯人で服役中である夕平と面会することに。
やがて、実際に過去に起きた映像が入ってきて、観客は朝子と一緒になって、事の真相を知らされていくのです。

※予告編
https://youtu.be/gmKgHo7bWHs?si=pG_YRjIA2WRom3tB

感心したのは、小道具使いの上手さ。
ゴム手袋は、孤独と変わり映えしない日々。
パン切り包丁は、愛と優しさの象徴。
24色クレヨンは、花を咲かせたサボテンを描くために朝子が欲しがったもの。
だが、そのサボテンは、咲くと思われていた夏の終わりには咲かなかった。
されど、されど・・・サボテンにまつわる最後のエピソードは泣き所涙
また、朝子がサクランボを食べていたのも、意味ありげ。

それ以外にも好きなシーンが盛りだくさん。
・幼い朝子と成長した朝子の寝相が全く同じ(笑)
・保育園に朝子を迎えに行った夕平。保育士に母親との関係を聞かれ、紗月にそれを相談すると「婚約者でいいんじゃない?」それを聞いて絶妙に嬉しそうな夕平。
・遊園地のアイスクリームシーン。朝子のためにアイスクリームを買った夕平が、なぜかすぐに朝子のところに戻らず、朝子が不安げな表情を浮かべているのをしばし見つめている(これって、もしかして、自分がかつて味わった寂しさを朝子にも体験させたかったっていうこと?それとも単純に朝子にかつての自分を重ねたのか)
・夕平が目覚めて、ふと隣を見たら、そこには朝日に包まれた紗月と朝子が寝てて、その空間にいる自分があまりにも幸せで泣きだしそうになる。すると紗月が目を覚まし、さっと布団をめくって、夕平を2人の布団に招き、3人で寝るっていうね。これはこちらもウルッ涙

ラストシーン、タクシーには朝子が乗ってくると思いきや、乗ってきたのは弁護士の娘。
シューズの色をこれ見よがしに観客に見せてきて、朝子と勘違いしろっていうこと?
タクシーが去ったその直後、そこに見えたのは・・・。
いやあ、ちょっと、そういうのって・・・好き光るハート

総評:ツッコミどころはある気はする。
人物像の深みがいまひとつだったかもしれないし、脚本はややスムーズじゃない箇所が無きにしも非ずだった。
それでも、隅々まで目が行き届いている丁寧さを感じたりで、私は感動した。
中野量太監督とは相性が良さそう。他の人がどう評価しようと私は好き。とても良かったです!3.8☆
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