〜イギリスの国立劇場ロイヤル・ナショナル・シアターが厳選した名舞台を映像化し、映画館のスクリーンで上映する「ナショナル・シアター・ライブ」の1作。アメリカ演劇界を代表する劇作家アーサー・ミラーの名作をイボ・バン・ホーベが演出し、2026年ローレンス・オリビエ賞で最優秀リバイバル賞および助演男優賞を受賞〜
〜戦時下、ジョーは軍需品の製造で莫大な富を築く。しかし、パートナーが不良品の製造によって罪に問われ、さらに次男は戦場で行方不明になってしまうなど、その成功には大きな代償も伴っていた。妻は次男の死を受け入れられず、そんな彼らの前に、恐るべき秘密を知る人物が現れて……〜<映画.comさんより>
ナショナル・シアター・ライブ、久しぶりに行きました。
それもこれも、シネ・リーブル池袋がなくなってしまったせい!
あそこでNTLのが楽しみだったのにぃいい。
それでも今作は、気になる俳優さんが勢ぞろいしていたので、日比谷まで遠征。
(日比谷でもシャンテはまだいいんだけど、東京ミッドタウン日比谷は、労働者階級の私には永遠に馴染めない場所

)
アーサー・ミラーのこの物語は、まるで知りませんでした。
冒頭が、まず面白い!
夜、強風が吹き荒れている。大きな木が倒れそうになっていて、ナイトウェアの女性が必死に木を押さえているのだが・・・。
それからの展開、舞台にはずっとずっと大木が横たわっている。
シンプルなのだが、重みがあって、見事。
大木がその時々で、様々なものに見えてくる。
亡くなった次男そのもの、もしくは家族に重く横たわる哀しみ。
巨大な富の代償。罪の重さ。取り除くには、少しずつ枝を切るしかないのか・・・。
また中央上部に大きな円。
最初は太陽や月に見え、その後はずっと窓として使われるが、終盤には銃口に見えた。
セットチェンジはなく、ずっとこのまま。
ジョーは飛行機の部品工場を経営していて、戦争特需で財を成した町の大物。
次男は戦場で’行方不明’になっている。
母親は次男が帰ってくる可能性があると信じている。
長男のクリスは次男の恋人だったアンと心通わせるようになっていて、結婚の気持ちの確かめるため、アンをニューヨークから呼び寄せる。
だが、母親は、クリスとアンの結婚を認めること=次男の死を認めることになると、素直に賛成できない。
後半、アンの兄がアンを連れ戻しにやってくる。
アンの兄は、戦争時中に飛行機の部品に欠陥があったのにジョーがそのまま納品したということを知っていた。
そのせいで多くのパイロットが亡くなった。
だが、その時に逮捕されたのは、共同経営者だったアンの父親。
ジョーは当時インフルエンザにかかっていて工場にいなかったと偽証し、無罪になっていたのだ。
そして、クライマックス。決定的な真実が明らかになり・・・。
登場人物全員が、割り切れない思いを抱えている。
※予告編
https://youtu.be/vXTuitncLDI?si=MJMoj922rUaxIdAK

豪華キャスト共演
ブライアン・クランストン『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』『THE UPSIDE 最強のふたり』
マリアンヌ・ジャン=バプティスト『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』『秘密と嘘』
パーパ・エッシードゥ『おくびょう鳥が歌うほうへ』
トム・グリン=カーニー『ダンケルク』
ヘイリー・スクワイアーズ『わたしは、ダニエル・ブレイク』
本当、よくこれだけの豪華かつ実力派キャストが勢ぞろいしたなと。
全員、とんでもなく上手い。舞台ですからね〜。生ですからね〜。
失敗なんてあり得ないし、とんでもない緊張感が漂っておりました。
終盤の母親のドレスが花柄で、大木(=次男かな)に横たわるシーンの切なさ。
始まってすぐ、新聞を手にして「ニュース欄は読まない」と言っていたジョー。あれも伏線だったんだな。
ジョーは確か求人募集とか「classified」を見てるとか言ってたけど、調べてみたら「classified」って「機密扱いの」「極秘の」という意味もあることがわかり、ひゃ〜、これは、よく考えられてる!
ジョー「お前のためだった」
ジョーは戦争で富を築きながらも、同時に戦争で翻弄され、歯止めが効かなくなってしまっていた。
タイトル『みんな我が子』の意味がわかるエンディング。
戦争はいかなることがあっても起こすべきではないのだ。
総評:改めて、ナショナル・シアター・ライブは面白いと実感。
毎回、斬新なセットや演出、素晴らしき演技に圧倒される。
今作、終盤、同じ台詞の繰り返しがちょっとだけしつこいと感じたものの、それ以外は、猛烈に素晴らしかった。
上映劇場は多くはないですが、遠出しても元を取れる素晴らしい舞台です!4.3☆
※公式サイト
https://www.ntlive.jp/allmysons2026
ログインしてコメントを確認・投稿する