〜東京で妻子と暮らす雄太は、足を骨折した義父・誠が回復するまで身の回りの世話をするため、九州の田舎町へやって来る。雄太は義父が営む昔ながらの写真館の仕事を手伝いながら、東京にいる妻と娘との間で、スマートフォンで撮った映像を交わす日々を過ごす。大きな事件は起こらなくても、日々の些細な出来事の記録と記憶の連なりに、家族の人生という長い時間が静かに、鮮やかに浮かび上がっていく〜<映画.comさんより>
予告で柄本佑の「ワ〜ン、ツ〜、スリ〜ぃ」のシーンが、妙に、妙に、気に入ってしまい、よし、観てみよう!
冒頭、フェリーの窓枠&窓際シーンから、いきなり引き込まれた。
また、誠の部屋の窓だったり、様々な’frame’が出てくる作品。
雄大はフェリーに乗って、妻ゆきの父親、つまり義父の手伝いに向かう。
義父の骨折した足のギプスがとれるまでの60日間のお手伝いだ。
ちょっと「えっ?」と思ったのが、雄大と義父の再会シーンがすっ飛ばされていたこと(笑)
「お久しぶりです」「元気だった?」これが全く無し。
で、いきなり、2人の生活が始まっているっていう。なんと、大胆。
しかし、雄大の仕事って、なんなんだぁ?2か月ずっとリモートでやれる仕事?
ゆきは、東京で中国人観光客のガイド、そして育児の日々。
雄大は義父の写真館の仕事を手伝いならが、誠の愛犬の散歩もする。
このワンちゃんがめちゃ可愛い。歩き方がいいリズムを刻んでたな。
2人のお昼はお弁当。
ある時、雄大が、それを皿に盛り付けてみた。ほぉおお、これは雰囲気が変わったぞ。
誠もまんざらでもない表情を浮かべるが、食べて一言「味は同じだな」(笑)
似てるけど違う2つの湯呑。
同じような毎日でも、決して同じじゃないっていうことかな。
いつも聞こえていた音楽が聞こえなかったり。
誠の写真の撮り方が、これがプロなのかとしみじみ思わされた。
本番の如く1枚撮って、その直後、被写体人物の表情が緩んだ瞬間を、見事に捉える。
ゆきのスマホの大量フォトがスクリーン一杯に出てくるところに、なぜかウルウル。
奇妙な洞窟のようなトンネルにも、心、揺さぶられた。
この監督、凄いな。こんな攻め方もあるんだと、あれこれ感心。
あまり会話がない感じの義父と雄大だが、雄大の誕生日には、外食に連れ出してくれた。
※予告編
https://youtu.be/96uemG-9Mvg?si=lslwEfpmNIr_FNcQ
キャストでは、柄本佑さんの自然体演技に癒された。
イッセー尾形さんは、写真撮影時の顔つきが普段とはガラリ変わるし、とにかく存在感が凄い。
ビックリしたのが’台湾映画’のように見えたシーンがあったこと。
誠のかつての顧客が亡くなり、遺影(おそらく生前に頼まれていた)を、雄太に車を運転してもらって届けに行くシーン。
車を降りて、しばらく行くと、向こうから、故人の家族が近づいてくる。
このシーンが、猛烈に、少し前の台湾映画のような雰囲気だったの。
『ヤンヤン 夏の想い出』かなあ。イッセー尾形さん出てたから、そう思ったのかも?
これは実際観てもらわないと、その雰囲気は伝わらないと思うんですが。
後半、確か、今、そこに映っていた人物が、ふと消えるというシーンが2回ほどあって〜。
人生ははかなく、記憶は薄らぎやすい...。
誠が雄大に見せるスライドのシーンが、おそらく今作のハイライト。
誠の亡くなった妻と、まだ小さいゆき。
それは、現在のゆきと、夫婦の小さな娘に重なる。
誠のギプスがとれている。
妻を失った誠の哀しみも少しずつとれていきますように。
総評:あまり期待していなかったせいか、思ったより良くて、嬉しい驚きでした。
人はこんなことで感動できるのかと、随所で発見あり。
ただ、特に何かが起きるわけではなく、淡々としているので、万人向けではないかな。
この監督と感性が合えば、もうけもの。3.7☆
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