これは、「パスト ライブス/再会」のセリーヌ・ソン監督によるラブロマンス。
出演は「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」のダコタ・ジョンソン、「キャプテン・アメリカ」シリーズのクリス・エヴァンス、「スター・ウォーズ/マンダロリアン」のペドロ・パスカル。
ルーシーは、ニューヨークの結婚相談所で“マッチメーカー”として働いている。過去の恋愛経験から、結婚を恋愛感情ではなく資産価値で判断するマテリアリスト(物質主義者)となったルーシーは、彼女がマッチングさせたカップルの結婚式で、新郎の兄ハリーと出会う。
長身でハンサム、リッチで家柄も人柄も上々と言う、マテリアリスト的には完璧な彼から情熱的なアプローチを受ける一方で、その披露宴でウェイターをしていた元カレの売れない俳優のジョンとも再会する。
ハリーとの真剣交際に踏み出したルーシーだったが、夢を諦めないジョンへの想いも再燃して……
この映画、結婚相談所に務める女性のロマンスなのだが……“マッチメーカー”とは字幕にも出るように「仲人」だろう……これは、人生経験を踏んだ人でないのと説得力がなさそうで、アメリカの仲人事情は勿論よくは知らないが、この仕事を未婚の若い女性がやる、って言うのは成立するものなのか、と思ってしまった……少なくとも、この役を演じるにはダコタ・ジョンソンは美人に過ぎ、相談者の男性がみな目移りしてしまうのではないだろうか?
確かに、(今や揺らぎも見えるとは言え)社会制度と人生設計と言う、社会圧と計算が、時に愛情に勝る「結婚」と言うシステムを、当事者ではない仲介者目線で捌いて来た主人公の「選択」を描く、と言う物語には、A24製作映画らしい挑戦的なものを感じるし、「パスト ライブス/再会」の成功を受けて、セリーヌ・ソン監督に、より豪華で、大きな成功を狙える材料を用意した、と言う狙いは判り易くもあるのだが……
そんな映画が物語るのは、前作「パスト ライブス/再会」と同様、ふたりの男性の間で揺れる女心……だが、「思い出」と「現実」の間で揺れた前作に対し、「金」と「愛情」を天秤にかけるとなれば、現実はともあれ映画の中では決着は明らかであり、物語の先が読めるのはちょっと惜しい。
実際に、結婚相談所で働いた経験もある、と言うセリーヌ・ソン監督が描く、相談者のあり様はリアルであり、そんな相談者の打算と願望を如何に折り合いつけて行くか、と言うのを描く方が面白くなりそうな印象を受けた。映画としては、金持ちを掴まえに相談に来たダコタ・ジョンソン演じる相談者を元カレに翻意させるまでを描いた方がよかったのではないだろうか?
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