これは、思春期の少年の体内で繰り広げられる精子たちの大冒険をユーモア満載で描くノルウェー発のアニメーション。
「バイオレント・ナイト」のトミー・ウィルコラと「リトル・パイレーツ」などを手掛けたノルウェーのラスムス・A・シーヴァートセンが共同監督で製作された。
「スター・ウォーズ」とゲームが好きな少年・イェンスは、夏のバカンスで、友人たちと泊まりがけで遊びに出かけ、気になる女の子・リサとの“初体験”を迎えること――そのイェンスの体内の“精子たちの王国”(精巣)では、“スペルマゲドン警報”が発令され、外の世界へ飛び出すことを夢見てきた10億もの精子たちが旅立ちの準備を進めていた。ゲームオタクの精子・シメンは、勝気でまっすぐなカミラに引っ張られ、成功確率10億分の1と言う勝ち目のない大冒険へと飛び出して……
これ、あまり予備知識なく観始めたのだが、絵柄とか名前に違和感がある、と思ったら、ノルウェー映画だった。
然しながら、先日の「劇場版ミルキー☆サブウェイ」の感想でも書いたように、今や、3Dアニメなど個人でも製作出来てしまう訳で、このような映画はどの国でも作れるようになった、と言う事なのだろう。
あと、今回、ちょっと後悔があって、県内で字幕版の上映がなく、かと言って都内まで出かける気にもなれずで、やむを得ず吹き替えで鑑賞……ところが、これがディズニーアニメのようなミュージカルシーンを多用する内容で、この日本語吹き替えは結構辛いものがあった。
映画内容は、基本的にコメディなのだが、気になる所多数。映画の中には、様々な避妊の方策が描かれ、それが受精を阻む様々な障壁となる……まぁ、これはなかなか興味深い描写だと思う。
ダメだ、と思ったのは、アナルセックスで直腸に射精された精子が腸内を逆流、胃から腎臓を経由して尿道を経由、陰毛を伝って膣に辿り着く、と言う描写……確かに大冒険ではあるが、これは本当にあり得ない――エンドロールで医療監修者の「消化管内を精子が逆流する事はありません。尿道から膣に精子が移動する事もありません」と言うコメントを入れるくらいなら、様々な避妊方策のカバー出来ない領域を脚本で突き、「避妊策も完全ではない」と言うメッセージを示すべきではないだろうか?
最終章で、主人公シメンが成し遂げた“受精”が、堕胎薬により無に帰す、と言う展開を描き、そこで“望まぬ妊娠と出産”の回避の為、専門医に相談して、と言う説教臭いメッセージを入れるのなら、まずはそこに至る過程を、現実に「起こり得る事」として描く事が必要だろう。
ちょっぴりエッチなお気軽コメディを期待していたのに、こんな内容で、ちょっと気分を害した、と言うかもやもやとした思いになってしまったのが正直な所。
コメディだから、何をやってもいい、と言う訳ではなく、コメディにするならば、その土台はちゃんとしておかないと、安心して笑えるものにならないだろう、と思う。
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