mixiユーザー(id:124952)

2025年11月25日07:27

49 view

「KILL 超覚醒」感想

 これは、列車の中での壮絶バトルを描く、インドのノンストップ・バイオレンス・アクション。
 自身の若き頃の実体験を基に本作の脚本を書き上げたニキル・ナゲシュ・バートが監督を務める。
 フォト
 インド東部のジャールカンドから首都ニューデリーへと向かう長距離寝台列車が、武装強盗団に襲撃され、パニックに陥る――この列車には、対テロ特殊部隊のアムリトが、意に沿わない婚約をされそうになっている恋人トゥリカを、彼女の父・タークルから奪還する為に乗り込んでいた。
 強盗団の首領の息子ファニは、地元の有力者で富豪のタークルと家族が乗り込んでいる事を知ると、強盗ではなく誘拐により大金を得られると目を輝かせるが、大事になる事を懸念する首領と対立――様々な思惑が交錯する中、アムリトはトゥリカを守る事が出来るのか……
 
 本作は異例のインド映画。映画の舞台となるのは、殆どが列車内の狭い空間であり、インド映画ならではの歌と踊りの要素は皆無。アクションの方も、スローやCGを多用し、「絵」になる事を狙う、“見せる”アクションではなく、マーシャルアーツのクラヴ・マガや近接格闘術のカリと言う現実の格闘術に基づくリアル・アクションを見せるのだ。そして、銃器は殆ど登場せず、ナイフや鉈と言う刃物や棍棒、最大の武器は肉体と言う、生々しくも、時に“痛い”アクションシーンは、インド映画らしくなく、まるで韓国や東南アジア系の映画のようだ――確認したら、アクション監督は韓国人だそう。
 また、その“痛み”を活かす為、強盗団は親類縁者など血縁で結ばれており、強盗団側も、戦いの中、仲間の死を悲しみ、悲嘆に暮れるシーンも描かれるなど、痛快アクションとは一線を画すものとなっている。

 だが、この映画、そうしたアクションが目を引く一方で、物語は粗く、展開にも工夫がない――「列車強盗」と言うのは、アクション映画では定番とも言える題材で、それこそ、参考となるネタは幾らでもあると言うのに……
 タイムサスペンス的な要素も効果的ではないし、列車の構造などを制約条件にする事もなく、アクションは客室通路でのドツキ合いの攻防戦に終始……途中、ある悲劇で主人公が覚醒、と言うか、怒髪天を衝いてブチ切れるのだけど、それで怒涛の勢いで強盗団を叩きのめすのか、と言えばそうでもなかったりするなど、展開も腑に落ちない。更に、挿入される回想シーンがテンポを削ぐと、どうにも納得出来ないものとなっている。
 そもそも、この映画、物語的にカタルシスを感じられるようなものではないので、せめてアクションでスカっとさせて欲しいものだが、それも勝利の痛快さではなく、復讐の陰惨さを描くものとなっているのだ。
 確かに、インド映画として、本作はこれまでにない、異色のアクション映画ではあるし、エポックメイキングな1本かも知れない。だが、これは、自分的にはどうにも楽しむ事が出来ない映画だった。
2 1

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2025年11月>
日 月 火 水 木 金 土
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      

過去の日記

2026年
2025年
2024年
2023年
2022年
2021年
2020年
2019年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年
2009年
2008年
2007年
2006年
2005年
2004年