これは、MCU作品の“脇役たち”が主役を務める異色作。
出演は、「ブラック・ウィドウ」のフローレンス・ピューとデヴィッド・ハーバー、「キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー」のセバスチャン・スタン。
″レッド・ハルク”騒動の後、弾劾訴追されたCIA長官・ヴァレンティーナは公聴会で「アベンジャーズはもう来ない」と言い放つ。
ヴァレンティーナ長官は、弾劾裁判の準備を進める中で、過去の不法活動の資料を抹消すべく、配下の“仕事人”を動かしていた。
その中に、ブラック・ウィドウの妹のエレーナもいた。彼女は、CIAの保管庫から資料を持ち出そうとする者を処理するために、指示された施設に向かうが、それこそがヴァレンティーナの罠で……
この「サンダーボルツ*」、宣伝文句では「“超クセ者”ヴィランたち」となっているが、中心となるエレーナとアレクセイ、それにバッキーの何れも、訳アリで主人公に敵対した事もある、と言うだけで、ヴィランとは言い難いような……正直、主人公になり切れなかった脇役と言う所で、正に「“超クセ者”ヴィランたち」を揃えた、DCの「スーサイド・スクワット」に対し、どうにもキャラが立っていない感じだ。
物語の方も、そんなキャラクターに合わせ、妙に小さい話で、ヴァレンティーナ長官の尻ぬぐいをするだけのものとなってしまっている。
アクション映画としての見せ場も、派手でスカッとするようなものがない――序盤、キャラクターが揃った所で始まる戦いも、結果としては仲間内での殺し合いと言う笑えないブラックジョーク的展開で、しかも、そこで退場する事になるタスクマスターの扱いの軽さはあんまりだ、と思う。その後の脱出と逃走も今一つ盛り上がらない(まぁ、バッキー登場のシーンはカッコいいのだが)。
そんな彼らの唯一の見せ場が、ヴォイド登場後に、人々を守って戦うシーンだったのだが、肝心のヴォイドとの対決は、その心象世界が作り出す“トラウマの迷宮”での過去との対峙、と言う、まるでエヴァンゲリオンの終盤のような展開になってしまうのでは……
最後、新たな“アベンジャーズ”と祭り上げられるのも、この顔ぶれでは力不足もはなはだしく、お馴染みのエピローグで次に繋げるシーンにも不安しか感じなかった、と言うのが正直な所だ。
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