これは、強力な酸性雨により、極限状況に陥った人々を描くスリラー。
地球温暖化により、3月なのに泳げそうな高温に見舞われたフランス上空に、不気味な雲が現れる。それは、南米に壊滅的な被害をもたらした酸性雨を降らせる危険な雲だった。
エリースは、危険な雨の予報に、元夫のミシャルと共に、寄宿学校に預けていた娘セルマを迎えに行ったのだが、あらゆるものを溶かす強酸性の雨により車が壊れ、身動きが取れなくなってしまう。とりあえず、放棄された建物に避難した3人は、翌朝、雨が止んだのを機に雨雲から逃げるように避難するのだが……
この映画だが、設定があまりに非科学的――確かに、フランスやイタリアでは貴重な文化財を溶損する酸性雨は環境災害としてのイメージが強いのだろうが、酸性雨の原因となる空気中の硫黄酸化物は、環境対応が進んで減少しつつあり、更に、地球温暖化対策としての化石燃料消費減で、減少が加速しているのだ。
そんな科学的に怪しい災害に加え、そうした災害が起きた時の社会への影響についても考察が足りず、ただ巻き込まれた親子の、危機脱出の物語にしているのも物足りない。
また、登場人物の言動・行動も身勝手が過ぎて感情移入出来ないし、窮地に陥っても自業自得とした思えない場面が続出で、単なるパニックものとしてもどうにも乗れず……まぁ、一歩引いて、実際の災害においても、人間と言うのはエゴや感情爆発で自滅するものだ、と言う事を描こうとしているのかもしれないが、放り出されたようなエンディングも含め、なかなかいい所が見当たらない映画だと思う。
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