mixiユーザー(id:124952)

2024年07月14日00:00

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「ボ−ン・トゥ・フライ」感想

 これは、「無名」のワン・イーボー主演、中国版「トップガン」とでも言うべき内容のスカイアクション。
 共演は、「少年の君」のチョウ・ドンユイ。

 空軍パイロットのレイ・ユーは、優れて操縦技能に加えて航空技術の知見もある事を、軍のテストパイロットのチャン・ティンに見出され、「新型のステルス戦闘機に乗せてやる」と、テストパイロットに誘われる。
 そうして、全国から集められた優秀パイロットの中から、かつてレイと競い合ったライバルだったドン・ファンら6人と共に、レイもテストパイロットに選出された。だが、チャン・ティンと共に飛んだテスト飛行任務で、思わぬ失態をしてしまい、レイは飛行停止処分を受けてしまう。こんな屈辱を受けるくらいなら、とレイは原隊復帰を願い出るが……

 この映画だが、思っていた以上に「トップガン」だった――前線での敵対勢力との小競り合いに始まり、後方施設に集められた、選りすぐりのパイロットによる切磋琢磨、ライバルとの衝突、そして、挫折と、大切な人の死を乗り越えて、前線に戻る……と言う展開もそのままだし、登場人物設定もよく似ている。
 本作らしい部分は、後方施設と言うのが、新型ステルス戦闘機のエンジン開発の為の実験航空部隊、と言う設定で、中国における戦闘機開発姿勢を垣間見せるものになっている所だ。
 実際、中国の航空エンジン技術は遅れており、期待の第四世代ステルス戦闘機のJ20にしても、試作機はロシア製エンジンを積んで飛んだものの、その後、国産エンジンの開発が難航、国産エンジンは予定推力の5割減となって性能出ず、出力アップ版に載せ替えとか、すったもんだをやっているので、それが物語のベースになったものと思われる。
 開発、と言う、言わば舞台裏に陽を当てる、その着眼点は好印象だし、結果として、「プロジェクトX」的な面白さも盛り込んだ。
 また、最早、金と物量を背景に自信満々に見える中国も、その内部では、先進国に対する劣等感から、どうにも自信が持てない、と言う心情が描かれ、これは考えようによっては恐ろしいものに思える。

 飛行機ファンの視線からすると、主人公が最初に乗るのがJ10、その後、実験航空隊では、ステルス戦闘機のJ20に、チャイニーズ・フランカーのJ16など、馴染のあまりない中国軍機のディティールが子細に見られるのに興味津々……飛行シーンの多くがCGになっているのは残念だけど、それを言ったら「トップガン・マーベリック」だって、クライマックスの空中戦はCGだ。ハリウッド大作に比べ、多少の粗はあるが、やはり実機を使える、と言うのはメリットが大きい。

 惜しいのは、物語、そして、シーンの繋がりに、時に違和感を感じる事で、これは脚本の作り込みが不足していたせいか、あるいは横槍のせいなのか……
 あと、軍医役のチョウ・ドンユイは、ドラマも描けず、ロマンスにも至らずで、これはかなり勿体ない感じがした。

 人民解放軍の協力を得ているだけに、中国軍万歳のプロバガンダ臭がするのは避けられないが、それは「トップガン」にだって少なからず含まれるもの。(ここまで露骨ではないが)
 それでも、これはなかなか楽しめる1本だと思う。
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