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2024年04月17日07:17

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2022年度のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第42話「夢のゆくえ」に寄せて

建保2年(1214)6月、和田合戦が終わってから1年が経過していました。源実朝(柿澤勇人)は、後白河法皇(尾上松也)が夢に出てきていました。


後鳥羽上皇「上皇様だよ。実朝、ともに力を合わせ日ノ本を治めようぞ。義時はくわせものじゃ。さらばじゃ。

懐かしのにしおかすみこのギャグを想起させる自己紹介をしたかと思うと、そのまま消え去りました。

源実朝「えっ?」

そして、後白河上皇を手本にして判断していこうとしていました。
源実朝「父がつくったこの鎌倉を源氏の手に取り戻す」
北条泰時( 坂口健太郎)「北条から取り戻すということですか?」
源実朝「上皇様の手を借りたい」
北条泰時「私も北条のものですが?」
源実朝「義時に異をとなえることができるのはお前だけだ」
北条泰時「鎌倉殿のために、この身をささげます」

実朝は意気込みますが、宿老の義時(小栗旬)、三浦義村(山本耕史)、大江広元(栗原英雄)が評議の中心であることに変化はありません。


源実朝「今年は日照りが続いた。将軍所領だけでも、秋から年貢を1/3にしたい」
実朝の意見は宿老たちからの反対の意見が相次ぎます。
北条泰時「1度にすべての領地で年貢を減らすのではなく、年ごとに年貢を減らす土地を変えていく」
北条義時「お前は、どういう立ち位置でそこにいる!?」
実朝の願いで泰時を自分の側近として評議に参加させてもらっていました。
源実朝「太郎は、わしが頼んで参加している」
北条泰時「父上が義理の弟というだけで頼朝さまの側にいたのと同じです。私も鎌倉殿の従兄というだけでここにいます」

その後、義時(小栗旬)はのえ(菊地凛子)のすすめもあり執権になります。


実朝は、少しでも良い政にするため試行錯誤しますがそんなに簡単にすすみません。伊豆から将軍家領地だけ年貢が1/3になったことで不満の声があがっていました。

義時「将軍領だけ年貢を下げるとそういうことになる」
源実朝「太郎、伊豆の様子を見てきてくれ」
義時「すでに、弟に調べさせております」
三浦義村「さすが執権殿は、打つ手がはやい」

それを自分の徳が足りないことが原因だと考えた実朝は自室に聖徳太子の肖像画をはり聖徳太子のようになろうと考えます。
源実朝「聖徳太子さまは、自らの生まれに満足することなく功績をつまれました。私の道しるべだ」
聖徳太子の肖像画は、後白河法皇にもらったものでした。

建保4年(1216)後白河法皇に仕える源仲章(生田斗真)が宋から客人を連れてきました。
源仲章(生田斗真)「宋の国の匠、陳和卿殿です」
陳和卿(テイ龍進)は、東大寺の仏像を再建した人物です。陳和卿は、実朝を見て泣き出し、前世で実朝が宋の国で長老しており、陳和卿がその門弟であったことを伝えます。
源実朝「この光景、以前夢で見たことがある。そなたは、私の前に現れて同じことを言った」
実朝は夢日記をつけており、その日のものを見せました。そして、陳和卿は大きな船を作り交易をおこなうことをアドバイスします。
源実朝「聖徳太子もかつて、遣隋使を送った」
心を動かされた実朝は、すぐに大きな船を作るように命じます。
しかし、御家人たちにとっては負担が重く、義時も渋い顔をしていました。
北条泰時「鎌倉殿は、聖徳太子様にならって宋に使者を送ろうとされています」
三浦義村「それだけ大きな船となれば、鎌倉殿が力を示すことになる。確かに北条にとっては、余計だな」
義時「つまらなぬことを申すな。御家人たちの負担を案じておる」
泰時は、陳和卿が不審な人物であることを続けます。
北条泰時「和卿殿は、鎌倉殿の夢を当て信頼をえました。しかし、あの部屋に入れるものなら誰でも日記を見ることができます。仲章殿であれば、見ることができます」
義時「西側の方々が糸を引いているということか…。この船つくりは、坂東のためにならん。完成させるわけにはいかん。太郎、よう知らせてくれた」
義時は、京からの工作にイライラしました。

11月に入り、陳和卿が高度の造船技術を保有しており、八田(市原隼人)が世話役として協力をしていました。

京では、鎌倉で船の建築に取り掛かったことが後鳥羽上皇の耳に入り上機嫌でした。
後鳥羽上皇(尾上松也)「これで、実朝の力は強くなる。北条の影は薄くなる」
後白河法皇の思い通りに進んでいました。

これ以上の京のいうことを聞いては、政はうまくいかないと考えた義時は政子(小池栄子)のところに向かいました。
義時「実朝さまは、頼朝さまの遺志に反しており、誤ったものは改めなければなりません。以後、政は宿老が。これ以上、西を第一にすれば鎌倉中の御家人を敵に回します。あのお方に、頼家さまのようになってほしくないのです」
北条政子「つまり、あなたの言うことを聞かなければ、実朝も頼家のようになると言いたいのね」
政子は、義時を痛烈に皮肉りました。
義時「どうとらえようと結構です。お許しいただけますね。尼御台」


実朝があの船で海を渡りたいと希望に胸を膨らましているところ、実朝を義時、政子、時房(瀬戸康史)、泰時、三善康信が囲んで集まることになります。
時房「船の建造を中止していただきたいです。御家人の間からも不満がでております」
源実朝「私は、父上と違いなんの苦労もなくこの座についた。私は、あの船にのって海を渡り…」
義時「上皇様にそそのかされて作る船など必要ござらん」
義時は、実朝に強く言いました。
実朝は、政子に理解を求めますが、政子も実朝のことを援護しませんでした。
源実朝「結局、兄上と同じじゃ。もうよい。船は、中止じゃ」
泰時がそれをとりなし、船に尽力してくれた御家人の名前を刻むように提案します。
北条泰時「船のあちこちに木材に当たった人たちの名を記すのです。あの船は、鎌倉殿だけではなく、御家人たちが作ったものです。その絆の証となるのです」
三善康信「どうか船の建造だけは、続けさせてください。尼御台」

政子は、船の結論を先延ばしにしました。そして、大江広元(栗原英雄)を呼び意見を聞きました。
大江広元「実朝さまは頼朝さまの遺志に反しているかもしれません。しかし、世の中が変わった今、頼朝さまが何をいうかわかりません。無論、小四郎殿にも一理があります。尼御台がお決めください。あなたが頼朝さまの妻であったことは変わりありません。あのお方にかわって鎌倉を引っ張っていくのは、あなたです」
政子は、自分が判断することを決めます。そして、船は継続して作ることを決定します。

建保5年(1217)4月、船が完成しました。そして、実朝や義時、政子たちが観覧席で船が進水するところを見ていました。しかし、入水するまえにトラブルが発生します。
八田知家 (市原 隼人) 「えらいことになった。支えを外して引きはじめたら、船が浜にめりこんじまった」
下人たちが必死に船を引いても、うんともすんとも動きません。和卿が数値を確認すると、値を大幅に間違っていたことが判明します。観覧席で、実朝は呆然と見ていました。
義時「重さの勘定を誤ったか」
義時はそう漏らし、時房 (瀬戸康史)らと帰りました。

政子はうまくいかない実朝にアドバイスします。
北条政子「これぐらいでくじけてどうするの。やるなら、とことんやりなさい。自分の政がしたければ、もっと力をつけなさい。母は、考えました。あなたが揺るぎない主となるために」
政子は、実朝が力をつけるための作戦を伝授しました。最適の手だと感じた実朝はすぐに義時、時房、泰時、政子、実衣(宮澤エマ)を集めました。
源実朝「私は、家督をゆずる。外から養子をとって、わしは大御所になる」
義時「お待ちください。源氏の嫡流には公暁殿がおられます。鎌倉殿は代々、源氏の嫡流が後を継いでおります」
源実朝「公暁は、仏門におる。源氏の嫡流にするというもの文書には残っておらぬ。朝廷の血筋で高貴な方を養子にもらい受ける」
義時「鎌倉殿とは、武士の頂点に君臨するものでございます。このようなことを一人で決めるのは、おかしいです」
義時は、懸命に食い下がります。
北条政子「鎌倉殿の好きにさせてあげましょう。すぐに取りかかりなさい」
義時「鎌倉殿は、源氏と北条の血のあるものが受け継いできました。これからも、そうあるべきです」
北条政子「北条がなんですか。小四郎、あなたが言ったんですよ。北条あっての鎌倉ではなく、鎌倉あっての北条だと。まずは鎌倉殿のことを考えたらどう」
北条泰時「執権殿は、御自分の思い通りに動かしたいだけなのです」
義時「そういうことではない」
北条泰時「鎌倉は、父上一人のものではない」
義時「だまれ」
北条政子「実現すれば、これ以上の喜びはないわ」
政子の言葉に、義時は自分の知らないところで決まっていたことをはじめて知ります。源氏と北条の血筋をひいた鎌倉殿は、実朝が最後になります。
義時「このままではすまさん」

実朝の嘆願は、源仲章(生田斗真)によって後鳥羽上皇(尾上松也)に届けられました。

そして、泰時が伊豆に行って時政(坂東壇十郎)の様子をうかがっていました。泰時がやってきたことを時政は喜びます。
その後に、亡くなりました。鎌倉を追われて10年後のことでした。

※ 初回放送 : 2022年11月6日


参考文献

 『鎌倉殿の13人 後編』 NHK出版〈NHK大河ドラマ・ガイド〉
 『鎌倉殿の13人 完結編』 NHK出版〈NHK大河ドラマ・ガイド〉

 『日本中世の朝廷・幕府体制』 河内祥輔(著) 吉川弘文館
 『世にも不気味な日本史 闇にうごめいた謎の人物篇』
                歴史の謎を探る会(編) 河出書房新社
 『武家の棟梁源氏はなぜ滅んだのか』 野口実(著) 新人物往来社
 『日本中世の朝廷・幕府体制』 河内祥輔(著) 吉川弘文館
 『世にも不気味な日本史 闇にうごめいた謎の人物篇』
                歴史の謎を探る会(編) 河出書房新社
 『武家の棟梁源氏はなぜ滅んだのか』 野口実(著) 新人物往来社
 『鎌倉時代 下(京都)』 龍粛(著) 春秋社
 『北条義時』 安田元久(著) 吉川弘文館〈人物叢書〉
 『鎌倉幕府』 石井進(著) 中央公論社〈日本の歴史7〉
 『実朝考 ホモ・レリギオーズスの文学』 中野孝次(著) 河出書房新社
 『鎌倉幕府』 大山喬平(著) 小学館〈日本の歴史9〉
 『鎌倉源氏三代記 一門・重臣と源家将軍』 永井晋(著) 吉川弘文館
 『源実朝』 三木麻子(著) 笠間書院
 『源実朝 「東国王権」を夢見た将軍」』 坂井孝一(著) 講談社〈講談社選書メチエ〉
 『源実朝 歌と身体からの歴史学』 五味文彦(著) 角川学芸出版〈角川選書〉
 『三浦一族の中世』 高橋秀樹(著) 吉川弘文館

※ 2022年11月12日の初回投稿文に加筆
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