雪など めったに
積もらない所で
生まれ育ったから
一面に雪が降り積もると
心が弾んで仕方なかった
無限に続く雪原は
幼稚園の砂場が
限りなく広くなったようで
それは
抱えきれないほどの
プレゼントを貰ったような
喜びにあふれた状態
いつの頃からだろう
雪を憂鬱に感じるようになったのは
毎冬 スキー場に言ってた頃までは
そんなことなかった
スキー場に行かなくなって
ゲレンデ情報も気にならなくて
電車が止まったり
交通渋滞が気になるようになって
雪は憂鬱なものに変わってしまった
積もった雪が融けて
日陰にだけ残っていた
子どもたちが
ガレージに集まって
何かを囲んで遊んでいた
横を通り過ぎる時に
ふと見やると
砂場で砂を扱うように
みんなで集めてきた雪を
プラスチックの容器に入れて
型抜きをしたりして遊んでいた
大人になると
子どもの頃には
出来なかったことも
できるようになるけれど
同時に
子どもの頃に出来てたことが
出来なくなっていく
当たり前なんだろうけど
ふと もの悲しい気持ちが
頭をよぎったりする
それは
よく通っていた駄菓子屋が
知らないうちに
なくなっていた時のように
ログインしてコメントを確認・投稿する