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2024年03月24日20:35

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ミスター・ボージャングル。

Mr. Bojangles。

ミスター・ボージャングル。

なんか、いい感じのCMで使っていた記憶がある。

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フォト



調べてみたら、1988年、サントリー角瓶のCMだった。

昭和63年。

まだ、CMに時代を牽引する無敵のチカラがあった時代だ。

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CMの出演は鮎川誠。

当時、39歳だと思う。

と、一匹の犬。

ニッティ・グリッティ・ダート・バンドの「ボージャングル」が話題になったらしく、8センチCDがリリースされている。


フォト



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Bojangles というのは、20世紀前半のアメリカ、エンターテインメント業界で、黒人として最も成功した芸能人である。

ビル・“ボージャングル”・ロビンソン。

ビル・ロビンソンのニックネームだ。

お決まりのミンストレル・ショーからの叩き上げで、タップダンスの王様の称号を持つ。


フォト



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Mr. Bojangles という歌は、NGDB のオリジナルではなく、カントリーのジェリー・ジェフ・ウォーカーが1968年に発表したものだ。

この歌の Bojangles という老人は、刑務所で出会ったということなので、ダンスが上手いことから、ビル・ロビンソンのニックネームを戴いたのだろう。

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日本では、Bojangles を【ボージャングル】と写してきた。

まだ、ナマの文化に接触しがたい時代で、映画の出演者、Bill “Bojangles” Robinson の名前を前にした担当者が、ケイジャン・フレンチだと、早飲み込みした可能性がある。

最後の -s はサイレントだと考えたのかもしれない。

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つまり、日本では、Bojangles を【ボージャングル】と読む伝統があったので、この “Mr. Bojangles” も『ミスター・ボージャングル』とされたのだった。

もちろん、曲を聴けば、ボウヂャングルスと発音していることは明らかである。

現在、ネットでは、

  ボージャングル
  ボージャングルズ
  ボージャングルス

の3通りを見受ける。

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Bo [ˈboʊ] は、ケイジャン・フレンチ beau [ˈbo] の借用語で、「伊達男」 とか、「恋人」 の意味であった。

現在では廃用である。

ケイジャン・フレンチ説は、半分は当たっていたわけだ。

jangle [ˈdʒæŋl] は、ビル・ロビンソンが大声で口論する性癖があったから。

「ジャングル」 は英語の擬音語である。

「大声で口論してばかりの伊達男」。

それが、ボージャングルズ。

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初めて、ボージャングルを聴いた頃は、「美しい密林」 を思い浮かべた。

  beau jungle
  [bo 'ʒœ̃ɡl] [ボˈジャんグる]

だが、とても残念なことにフランス語のジャングルは女性名詞なのだ。

forêt 森が女性名詞だからなのか、あるいは、語末が -e に終わっているからなのか。

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フランス語の jungle は、英語からの借用語である。

英語の jungle は、pyjama などと同様、イギリスのインド統治時代、ヒンディー語から借用されたものだ。

当時は、ヒンディー語とウルドゥー語は分離しておらず、ヒンドゥスターニー語と呼ばれていた。

ヒンドゥスターニー語では男性名詞で、その元となった先祖のサンスクリットでは中性名詞だった。

してみると、女性名詞になったのはフランス語の事情らしい。

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フランス語で、美しい密林は、

  la belle jungle
  ラ・ベル・ジャングル

だったのだ。







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