mixiユーザー(id:13333098)

2024年03月23日11:52

3 view

映画化の呪いに立ち向かう!「変な家」

「変な家」という本が売れているらしい・・・というのは、ボンヤリと知っていました。
どうせ実話系怪談の類だろう。
それが子供相手にヒットしたのだろう、くらいの認識で、本当にまったく興味を持ちませんでした。

映画化されても、やっぱり興味無し。
しかし、その感想を見たら観たくなってしまったのです。
雑な作り!
原作と全然違う!
ババアがチェーンソーを振り回す!
石坂浩二が出てくる!
高嶋政伸が暴れる・・・!

またJホラーがやらかした。
それは間違いなさそうなのですが、今回はもう徹底的にはっちゃけたイメージを受けたのです。
最近映画をあまり観に行っておらず、明らかに観るべき話題作、問題作は他にある。
でも、今は「変な家」が観たい、というか確認したい気分なのでした。

それで劇場に行ったら驚いた!
平日なのに学生どもがウロウロ、ドッサリ。
もう春休みなのでしょうか。
いつもは閑散としている売店にも、長い長い列。
コーラにフードがじゃんじゃん売れています。
若いって経済効果!

それがみ〜んな「変な家」に吸い込まれていく・・・。
この原作ってそういう層に人気があるやつなんだ。
愕然としました。
修学旅行に混ざってしまった感じです。
上映前の予告も、明らかにティーンを狙った感じの、耐えられない映画のコンボで、意識が薄れてきました。
もうダメだ。

それが、映画が始まってみると、案外そんなチャラい感じはありません。
シリアスな雰囲気で、フザけたムードは無し。
なにより、佐藤二郎の演技が素晴らしく好感が持てます。
家の間取りを見ただけでスルスルと出る不気味な仮説。
なんだこれ、すごく面白いじゃないか!

・・・まあ、知っているのです。
おそらく原作に準拠しているのは序盤だけで、これからどんどん壊れて違う内容になってしまう事を。
そしてそれを楽しみにして来たクズ客である俺!

学生の皆さんはコーラを飲み、ジャンクフードをモリモリ食べながら(経済効果)、すっかり映画に夢中です。
音でバーンと驚かせば、ちゃんとビックリしてくれます。
思い出すのは、「牛首村」の劇場で、あんなポンチ映画に本気で恐がっていた少女です。
「音で驚かせるタイプのホラーは質が低い」等と、したり顔で語るシネフィルは間違っています。
みんなこれで楽しいのだ!

映画の内容は、まあまあ退屈になってきました。
村のしきたり?左手供養?
なんか「樹海村」みたいな感じになってきたな〜。
しかし、いよいよ村に行けば、ようやく楽しみにしていたシーンが続々と登場します。
みんな頑張っている(特に高嶋政伸)。
誰も悪くない。
・・・でも、もう一つ気持ちが盛り上がりません。

観終わってみれば、決して悪い印象は無いのですが、何か物足りない気分です。
思ったほど弾けていないのです。
「もうどうにでもなれ!」というヤケクソ感が無かった。
ただ、本当に一生懸命作った感じは伝わりました。

そもそも、この映画の企画自体が無茶なのでした。
観終わった後にYouTubeで原作と言える「変な家」の動画を見たのですが、もうこれで完全に完成されているからです。
そんなのは誰にでも分かっている事実。
でも、ビジネスとして誰かが映画化をしなければいけない。
誰か、やる者はいないか?
お前、できるだろ?
いや、まあ、はい・・・。
そんな苦しく険しい挑戦だったのだろうと思います。

「変な家」は、ホラーではありません。
純然たるミステリーと言っても良い内容です。
動画でも、登場するのは白いマスクを付けた人物が電話をかけているだけ。
この限られた情報量が、絶妙な面白さを演出しているのです。
それを、「適当にホラーっぽく恐い映画にしちゃって。」というオーダーだったのでしょう。
そうするべきではないかもしれないが、そんなオーダーにも応えなければならない。
それが社会人としての務めです。

こういった無茶な仕事を請け負った場合、あなたならどうしますか。
とりあえず、過去の先輩がやった資料を見ますよね。
なるほど、こうすればとりあえず映画になるのか。
あれとこれを組み合わせ・・・とにかく後はみんなに助けを求めよう!
石坂さんと高嶋さんに電話だ!
斉藤由貴さんも暇そう?お願いします!
ファッション童貞のDJ松永もヨロシク!

本当に真面目に作ったと思いますよ!
中田秀夫の500倍は真面目です。
とにかく出来上がった。
評価は散々。
でも、そんなクソシネフィルなんかより、経済効果の高いティーン達がどっさり劇場に来てくれた!
これは、輝かしい成功と言って良いのではないでしょうか。
本当におめでとうございます。
ヒットしたので、次回作のオファーもありそうですが・・・。

さて。
映画の方は微妙に楽しめなかった自分ですが、原作者の雨穴さんの動画に激ハマリ中。
「変なAI」とか、ミステリーとしてなかなか感心しました。
ガキ向けコンテンツだろ、なんてバカにしないで欲しいです。
本の方も買ってみようかな!
結果的に、メディア戦略にすっかり乗せられてしまったわけですが。

0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2024年03月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31