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2024年02月20日12:49
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SARD UNDER GROUND 恋が待ち伏せしていた午後 一話完結物語 私との直接対面 アドラー心理学 ガリレオ・ガリレイとホイヘンス 新宿御苑 生田緑地（日本古民家園、岡本太郎美術館）夜景麻布台ヒルズ、z坂
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＜1話完結物語 SARD UNDER GROUND 恋が待ち伏せしていた午後 リリース記念イベント ＞
前回2023年9月10日 埼玉県羽生市でのリリース記念イベント
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前回ライブイベント 2023年9月18日（月・祝）Zepp haneda
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訪問地の一つ 直近の生田緑地に関する日記
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今回は恋する若い男女の物語と共に、作者である私の視点から、進めていく。テーマは、2022年9月14日にリリースされたSARD UNDER GROUNDの1st ミニアルバム 日の名残りに収録された「恋が待ち伏せしていた午後」である。同曲はテレビ愛知で放送されたショートショートのアニメ「おかしなさばくのスナとマヌ」の主題歌を努めていた。若者の心情を丹念に綴った同曲は、昼下がりに、心を通わせデートする男女の姿が浮かび上がる。ファンと直接対面があるSARD UNDER GROUNDのリリース記念イベントのレポートと共に、冬晴れの都市部のたび物語である。
写真 左 おかしなさばくのスナとマヌ 掲載元 公式サイト https:/
写真 右 SARD UNDER GROUND 公式サイト
紹介する場所
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・東京都新宿区新宿御苑 訪問日 2月12日（月・祝）
�� SARD UNDER GROUND イベント
・セイコー時計ミュージーアム 1月14日（日）
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・イベント 東京都中央区銀座 山野楽器本店 訪問日 1月14日（日）
・イベント 東京都新宿区新宿 マルイメン 訪問日 2月12日（月・祝）
�� 神奈川県川崎市多摩区 生田緑地
・日本古民家園 https:/
・岡本太郎美術館
夜景スポット
・東京都港区麻布台ヒルズ地上33階展望台 訪問日 1月14日（日）
・神奈川県川崎市多摩区三田 ｚ坂 訪問日 2月12日（月・祝）
夜景FUNより https:/
第1章 新宿御苑 早咲きの河津桜
2月12日（月・祝）一人の青年が、雲ひとつない澄み切った青空の下、薄手のコートを羽織った彼女と新宿御苑の新宿門の前で待ち合わせをしていた。ゲートを潜り、散策を開始する。
大都会新宿の中の緑豊かな空間には、老若男女問わず、幅広い世代が訪れる。ベビーカーを引き連れて、散策する若い親子連れの姿に、青年は未来の自分の姿と重ね合わせていた。
SARD UNDER GROUNDの「恋は待ち伏せしていた午後」は、デートする若者の心情を丹念に綴っている。 必：全詞掲載
Ａメロ
歌詞：「神様はパレットいっぱいの色で世界を描いた 影まであたたかいその絵には運命がたくさん眠っている」
我々人は、個性が豊かである。身長が高くて、バネがあり、バスケットボールで活躍するスポーツマン、または本の内容を暗記するような記憶力を発揮する読書家まで、それぞれ異なる能力を持つ。一方で産まれながらハンデを負い、影で生きている人の存在も忘れてはならない。我々人は、互いに権利を尊重し、共に手を取り合って、一つの社会を築き上げた。生きている限り、運命は良い方向に向う、そう青年は信じていた。
続く歌詞では、彼女への思いを語っている。
歌詞：「君に出会うまでの私は、モノクロの世界を生きていたみたいだよ。こんなにもきれいな色があると知らずに」
彼女に出会うまで青年自身は、憂鬱だった。今は自分を出迎えてくれる人がいるおかげで、物の見方が大きく変わった。
新宿門側、レストランゆりのき前には、梅の木の足元には、スイセンペーパーホワイトが芽を出していた。
細くて大きく張り出した枝についた花を眺めると、腰をかがめながら、スイセンにも視線を注いだ。梅の花言葉は「上品」、「高潔」、「忍耐」、「忠実」の4つである。古来より人々は、寒風吹きすさぶ2月に、白や紅の小さな花を付けるあでやかな姿から、清楚で大人しい人物を想像していた。一方、スイセンペーパーホワイトの花言葉は「神秘」と「尊重」である。冬場にひっそりと咲く姿から、人々は畏敬の念を抱いていた。
二人が次に向う場所は、南側の日本庭園だった。枝葉が落ちている中、濃いピンクの花をつけた河津桜に来場者の視線が吸い寄せられていた。分類学上バラ目バラ科サクラ亜科サクラ属の一種で、本格的な春を迎える前に咲き出す。写真家にとってはお決まりの構図となる、蜜を求めてスズメ目メジロ科のメジロの群れが、枝の上にとまった。平均体調はわずか18ｃｍ、緑色の背中は、葉っぱの保護色になるとはいえ、鮮やかなピンクの河津桜の木に降り立つと、目にとまりやすい。枝から枝へ小刻みにわたるうちに、チラッとカメラの方にも顔を向けてくれた。青年も彼女も、密を集めるメジロを追っているうちに、心の距離がぐっと縮まった。その心境は続く歌詞に表れている。
「この恋はまるでおとぎ話 愛と呼ぶには何かが足りないみたい Oh, love is safe」
求愛期前の2月、メジロはせっせと密を吸って、栄養を蓄える。青年は、彼女と夢中で観察したものの、何か一言足りないことに気付かされた。
サビの歌詞へ
「恋が待ち伏せしていた午後に君をみつけられて良かった。強くなる君への想い 誤魔化せないから両手広げた」
青年は、両手を広げて、彼女を受け止める覚悟を決めた。一緒に散策しているうちに、想いは強くなる一方である。
歌詞：「Ah 欠伸しながらでいい ゆっくり歩いていこう 悲しい夜 始まる夢が 愛に満ちた物語であるように」
メジロの群れが去っていくと、二人は手を取り合って、歩き出した。足元には、黄色い花弁をつけたフクジュソウが顔を出していた。「幸せを招く」、「永久の幸福」の花言葉が示すとおり、二人は将来寄り添いながら生活していく姿を描いていた。
新宿御苑から、銀座へと移動した。お昼時は、車の往来がなく、歩行者天国と化す。広い通りの真ん中を、シャネルのバックを下げて歩く貴婦人に、視線を注いだ。銀座は、日本で最も公示地価が高いエリアとして知られている。中央通り沿いには高級料理を提供するお店や、ブランド物店が並ぶ。さすがに若い二人には、高嶺の花だった。
青年自身、彼女をデートに誘うまで、心労を重ねていた。Ｂメロでは、青年の揺れ動く心情を丹念に綴っている。
歌詞：「気持ちが騒がしくて、慌てたり、静かになったり、喜びで満たされたり、悲しみで満たされたり、恋は忙しいね」
確かに、恋というのは、その都度相手に左右され、気持ちが揺れ動く。時に自分自身さえ見失ってしまう。
あの有名なオーストリア人心理学者アドラーによると、「全ての行動には（本人も無自覚な）目的がある」と説いた。いわゆる「目的論」である。
もう一つアドラーは、恋する人への行動について、「使用の心理学」と呼んで説明している。端的にいうと、人間は、他者の行動によって、心が突き動かされるのではない。自分自身の目的のために、感情表現をするのである。最も良い例は涙である。悲しいときやうれしい時、目が潤む。次第に抑えきれなくなり、涙になってこぼれ落ちる。その理由は、他者と悲しみや喜びを共有することにより、絆を深めることにある。
人は、役者でもなければ、意識的に涙を流すことはない。全て無意識のうちに、目からこぼれ落ちてしまうのである。
恋も同じように、相手の行動如何により、無意識のうちに、感情がほとばしってしまう。その都度、心を落ち着けて、冷静になることにより、相手の本音を引き出すことができる。
続く歌詞：「人の心の形は、言葉で表しきれないから。身体中で君を感じられるまで 遠くの街へ 独り歩いてゆこう」
自分の思ったことを全て伝えることはできない。心の迷いから、一人町から離れていった。
第2章 時計博物館 SARD UNDER GROUND イベント
（１）時計博物館
さてここから私の目線で物事を語っていく。銀座ではデートするカップルの姿はもちろん、親子で買い物を楽しむ人々も見かける。お店の中は、ブランド物の日用品が並び、庶民には手が届かない程の価格設定をしている。時計店セイコーでは、ブランド物の時計を求める客を接待していた。一般庶民の目線にも立ち、無料での見学コーナーを用意していた。その一つが「セイコー時計博物館」だった。日本に問わず、世界から時計を収集していた。とりわけ、目を引くのは、近代物理学の父ガリレオ・ガリレイの振り子時計だった。
時計の開発には、ガリレオ・ガリレイの発見が一役かっている。彼は「振り子」について、同じ長さであれば、振れ幅やおもりの重さに関係なく、同じ時間で振れることに気付いた。1583年に、検証した結果を論文にまとめ「振り子の等時性」として発表した。
振り子の周期性を明らかにすることにより、時間の経過がよりはっきり分かるようになる。さらに応用発展させたのは、オランダ人のクリスチャン・ホイヘンスだった。1656年、振り子の等時性は、振り幅が極めて小さいときに限られていることを突き止めた。改良の必要性から、振り子を2枚の板の間に取り付け、振れる幅を制御することにより、誤差1日数分に縮めた。1675年に振り子の代わりとしてヒゲゼンマイの付いたテンプ時計を歴史上初めて作ることに成功し、フランスで特許を取得した。当時最も小さいサイズで高さも厚さも10ｃｍになる振り子式時計だった。ヒゲゼンマイのついたテンプ時計の開発により、小型化に成功する。懐中時計としての実用化にも貢献した。時刻表示もより正確になり、時針から分針、秒針まで搭載され、より精密になった。我々の日常生活においても、秒刻みでスケジュルーを管理することができる。時計の正確性は、人間の日常行動も変えた。科学の基礎を作ったガリレオ・ガリレイとホイヘンスは、後世にその名を刻んでいる。
（2）SARD UNDER GROUND イベント
さて、紹介するのはZARDのトリビュートバンドとしてデビューしたSARD UNDER GROUNDのリリース記念イベントである。彼女たちは、2024年3月20日（水・春分の日）に、5ｔｈアルバム「ZARD tribute Best celection」をリリースする。14曲入りのアルバムには、2019年9月18日のデビューアルバム「ZARD tribute」に含まれた9曲を再録していた。1月14日（日９の銀座山野楽器本店から、3月24日（日）まで、27箇所を予定している。
私自身は、1月14日（日）午後1時から銀座山野楽器本店、2月12日（月・祝）午後1時からの新宿マルイメンで行われたイベントに参加した。リリース記念イベントは、トークを挟みながら4曲熱唱する「ミニライブ」と、来場者とアーティストが直接対面でプレゼントを受け取る「特典会」に分かれる。通常のライブよりも、参加人数が少なく、ファンとアーティストの距離が近い。前方には座席が並べられ、後方は立ち見である。
セットリスト
1月14日 銀座山野楽器本店
�� 心を開いて �◆〔欧譴覆ぬ襪鯤�いて �� この愛に泳ぎ疲れても �ぁ．泪ぅ侫譽鵐�
2月12日 新宿マルイメン
�� Good bye My Loneliness �◆／瓦魍�いて �� 運命のルーレット廻して �ぁ”蕕韻覆い�
披露した7曲は、全てZARDのカヴァー曲である。銀座山野楽器店でのＭＣにおいては、2019年のデビュー時を語った。同年9月18日にリリースした1st ALBUM「ZARD Tribute」を引っさげたリリイベの初日は、ここ山野楽器銀座本店だった。彼女たち自身も、ZARD Tributeの収録されたナンバーを再録したアルバムを出したいとの思いを抱いていたという。当時と比べて、神野友亜自身も、ボイストレーニングの成果により、キーが上がっている。ヴォーカルの声量が豊かになると、バックの演奏も変わるという。初日にデビュー5周年に向けた意気込みを語った。ラストナンバーの「マイフレンド」では、観客の手拍子がより、小さな会場にこだました。ZARDオリジナル盤と比べると、Ｂメロ後の間奏は、ギターソロから、坂本ひろ美によるキーボードソロに代わった。ギターに比べて、キーボードは、柔らかい音が出る。坂本ひろ美は、滑らかな指使いで、しっかりと弾きこなしていた。
続いて、新宿マルイメンでは、トークにおいて、メンバー自身リラックスしている印象を受けた。イベント開催に向けて、移動時には、メンバー一堂スイカゲームに嵌っていることを打ち明ける。坂本ひろ美は、読書をする習慣もあるという。神野友亜は、リリイベのセットリストについて、いつも考えていることを、オーディエンスに伝えた。坂本ひろ美は、お薦めの本を、Ｘ（旧ツィッター）のコメント欄を含めて、教えてください、とオーディエンスに呼びかけた。確かに本を読むことにより、新たな知識や世界に触れ、より感性が豊かになる。彼女たちがリスペクトするZARDの坂井泉水も本が好きだったという。神野友亜は、「今年やれていないスノボーをする」と意気込みを語った。杉岡泉美は「美味しいもの巡りをしたい」と希望を口にした。過去のスケジュルーを確認すると、彼女たちは2023年12月27日に大阪にてファンクラブイベントを開催した。年越しを挟み、すぐにリリース記念イベントへと入っている。年末年始ゆっくりしている期間が短かったことが想像できる。ラストナンバーの「負けないで」は、国民的応援歌、作詞者の坂井泉水は、リズミカルなメロディーに、男女の青春を描いた歌詞を付けた。メッセージ性のある内容から、カラオケでも歌いやすいと評価されている。発表から31年の時を経ても、マイ応援歌として、多くの人々の心に残っていた。
写真＝2024年2月4日 千葉県テラスモール松戸にて 掲載元 神野友亜Ｘにて
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さて、特典会において、来場者はアーティストから4種類になるポストカードをランダムにて、受け取る。私は、銀座山野楽器店において、面と向き合い、神野友亜の歌詞について触れた。
一礼した後、単刀直入に切り出した。「私は神野友亜さんの歌詞について考えることがあります」、神野友亜は、瞳孔が開き、「はい」と合図して、聞きの姿勢に入った。深呼吸を入れて、話始めた。「｛恋は待ち伏せしていた午後｝という歌に次のフレーズがあります。「神様はパレットいっぱいの色の世界を描いた」
ベースの杉岡泉美もキーボードの坂本ひろ美も静かに耳を傾けていた。「もし、神様が色鮮やかな世界、つまり個性を認めたことを、多くの人々が認識していれば、現在のようなガザ紛争はなかったと思います」
神野友亜は、沈痛な面持ちで頷いた。脇にいる二人も黙っていた。ガザ紛争の当事者、イスラエルはユダヤ教、ガザ地区を実効支配するハマスはイスラム教のスンニ派である。つまりは宗教戦争の意味合いを持つ。イスラエルのエルサレムにおいては、キリスト教徒、アルメニア使途教会、イスラム教徒、ユダヤ教徒が、それぞれ別々の地区で暮らしている。2022年4月１５日には、イスラム教徒が礼拝するアルアクサ・モスク、通称岩のドームにおいて、イスラエル警察と、イスラム教を信仰するパレスチナ人との間で衝突が起きた。同月、イスラム教徒のラマダーンとユダヤ人の過越の祭、キリスト教の復活祭（イースター）が重なり、民族間で緊張が高まっていた。一連の衝突により、150人のアラブ人が負傷したとみられている。2023に事態はさらにエスカレートした。10月7日に、ガザ地区を実効支配するハマスが、イスラエルへ越境攻撃に打って出た。報復感情を募らせたイスラエル軍が、民間人を巻き込んで軍事作戦を続けたことにより、民族間の軋轢が深まる一方である。
写真＝エルサレムの解説 掲載元 論座アーカイブス
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私は、続けて話した。「神野友亜さんは、世情を反映した歌詞を作りました。坂井泉水さんも世の中の出来事に注意深く耳を傾け、歌詞を通してメッセージを発しました。しっかりと思いを受け継いでいると思っています」
坂井泉水自身は、バブル崩壊により世の中暗い空気に覆われる中、透明感のある歌声から、人々を勇気付けたと評価されている。神野友亜は、普段から坂井泉水の歌詞を読み、歌い方も学んでいるという。
私は会話の締めくくりに、未来への展望について語った。「ガザ地区と共に、ウクライナでもまだ戦争が終る気配がありません。避難民も数多く発生しています。生活が再建の目処が立たず、苦しい日々を送っている人が沢山います。難民たちに希望を灯すような歌を作ってください」
銀座山野楽器店では、ヴォーカリストの神野友亜の歌詞をテーマに話を進めた。次の新宿マルイメンでは、ベースの杉岡泉美とキーボードの坂本ひろ美を意識して、要望を伝えた。「メンバーの方々が、体調に気を使い、イベントを開催していることは分かっています。このような全国を駆け巡るリリース記念イベントを含め、単体の映像作品としての発売が実現することを願っています。」
メンバーからは、笑顔を返してもらった。ヴォーカリストの神野友亜は、自身が作成した歌詞について言葉をもらうと、恥ずかしいのか、やや視線を落としていた。
SARD UNDER GROUNDは、活動拠点は大阪である。2024年はデビュー5周年を迎えるにあたり、一段と活動が活発になることが予想される。これまでと同じく、ファンから直接声を聞きながら、イベントの開催を重ねていく。
写真＝2023年1月13日（土）千葉県幕張メッセで開催のオートサロンライブ2024出演前の楽屋にて
神野友亜 Ｘアカウントhttps:/
第3章 生田緑地 夜景
さて「恋は待ち伏せしていた午後」に描かれた男女を中心とした物語の続編である。都市部で彼女と過ごした青年は、日を改めて会うことになった。舞台は神奈川県川崎市多摩区の生田緑地、敷地内の日本古民家園を訪れた。江戸時代から残る日本全国の民家を移築展示した野外施設は、ゆったりとした時間が流れている。関東の村,太田家の母屋の前では、ボランティアの職員が、人の腰ほどの高さになる青い葉っぱを育てていた。植物名はアオキといい、4年から5年かけて、育つという。殺風景な2月に、瑞々しい緑の葉っぱは、若い二人の気持ちを表しているようだった。
「恋が待ち伏せしていた午後」の続く歌詞にも現れている。
歌詞：「もう一度巡りあえたら 一日の始まりはこんな歌がいい。Just lovin you」
昔懐かしき母屋を観察していると、新鮮な気持ちになる。江戸時代の母屋は、間取りが広くて、開放的だった。夏場は風が通り抜けることにより、幾分涼しく感じられる。逆に吹きっさらしの冬場は、寒さが厳しい。人々は、薪に火をくべて、暖をとっていた。
幸いにも2024年は暖冬の影響により、快適に過ごせるようになった。古民家園の外も緑に覆われ、日光を程よく吸収してくれる。都会とは一味違った雰囲気を味わえた。
サビの歌詞：「恋が待ち伏せしていた午後に君を見つけられて良かった。ふと浮かぶ君の名前を、呼んでみたら少しなけた」
青年は、彼女と一緒に森林浴をすることにより、心が吸い込まれていくような感覚を抱いた。素直に、気持ちを吐き出した。
歌詞：「Ah また会えるその日まで 強く空に願おう。独りの夜 始まる夢が 愛に満ちた物語であるように」
青年は、彼女を掴んで離さず、そのまま、敷地内の岡本太郎美術館を訪れた。
作品名 樹人 年代：1951年 作品名 よろこび 年代：1982年
岡本太郎は、奇抜なアイディアで、一誠を風靡した画家である。身近な猫や犬などの動物や、茶碗やお皿、木などの植物を擬人化した作品を数多く残した。作品のモチーフは1枚、１枚異なるとはいえ、共通点はいくつかある。どの作品も、眼光が鋭く、腕や足を力強いタッチで描くことにより、躍動感を表現していることにある。時に現実離れした世界を描いた作品は、21世紀に生きる我々の心をひきつけてやまない。後世の画家の作風にも大きな影響を与えている。
（2）夜景z坂 麻布台Hills
生田緑地から、西の専修大学の方面へ歩き、およそ2ｋｍ離れた多摩区三田の住宅街の通りを抜けていく。川崎浄水場を迂回し、小高い丘の上に立つ住宅地を結ぶ坂の途中に見晴らしの良いスポットがある。浄水場と丘の上に繋がる道路の形から「ｚ坂」と名々された。
写真＝17時13分 平地からz坂を見上げる
ｚ坂は、浄水場の奥にこんもりと生い茂った生田緑地を背後に、都市部のビル群を臨む。逆に西側は、坂の下から尾根沿いにかけて住宅地が続く。食器を洗う音や、テレビの音が聞こえる中、二人は暮れゆく町並みを眺めた。
写真＝17時39分 写真＝17時43分
Ｃメロのサビ：「恋が待ち伏せしていた午後に勇気絞りだせてよかった。溢れ出す君への思い、はちみつ頬張った時のように」
青年は、彼女をデートに誘い、高層ビル群の中に聳えるオアシスとなる新宿御苑、郊外の緑豊かな生田緑地で、小さい春を見つけた。殺風景な冬場に咲く梅や河津桜の木には、甘い蜜を求めてメジロが集う。その甘い蜜から栄養を蓄えて、メジロも恋の季節を迎える。
歌詞：「Ah ときめき感じていたい 振り返らずに歩いてゆこう。また君にくる 人生の夢が 愛に満ちた物語であるように」
写真＝17時48分
人生は時に躓くこともある。苦しみを乗り越えることが出来る力は「友情」や「愛情」だった。青年は、ただまっすぐ見つめていた。
歌詞のラストフレーズ：「愛に満ちた物語であるように」
作詞者神野友亜は、若い二人が永遠に結ばれるように、メッセージを添えた。西暦2000年9月14日生まれの彼女はｚ世代の一員、小さい頃から歌うことが好きだったという。高校卒業と同時にデビューし、一般人とは異なる日常を過ごした。住む世界は違っても、彼女はどこにでもいる若者像を描いていた。坂井泉水の世界を受け継ぎ、令和を生きる我々の日常を表現していた。
さて最後に私自身の視点から、1月14日の銀座でのリリース記念イベント後に訪れた麻布台ヒルズの地上38階の展望室からの夜景を紹介する。
麻布台ヒルズは、開業間もなく、物珍しさから、観光客が押し寄せ、夜景の時間を見計らい、場所取りを行っていた。ガラス越しに写る真っ赤に染まった東京タワーが、主役として引き立つ。背景のビル群も、シンボル的存在の東京タワーを前にかすんでしまう。
逆に西の空は、箱根や丹沢の山々の稜線から富士の頂が浮かび上がっていた。人口1000万都市の東京は、日暮れになると、ビル群の窓から明かりが漏れる。道路では、車の列が出来ることにより、テールランプが、点滅する。光量の多さは圧巻だった。
写真＝17時8分 写真＝17時14分
写真＝17時17分
少子高齢化が進む日本だが、都市部では若者によって、活気を帯びている。労働力不足が叫ばれる中、ようやく企業の間でも賃上げの動きが高まった。坂井泉水が出現したバブル崩壊時から、30年の時を経て、経済界も変わりつつある。SARD UNDER GROUNDのメンバーは、z世代を代表し、坂井泉水の世界観を表現しながら、音楽活動を続けていく。
前回2023年9月10日 埼玉県羽生市でのリリース記念イベント
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前回ライブイベント 2023年9月18日（月・祝）Zepp haneda
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訪問地の一つ 直近の生田緑地に関する日記
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今回は恋する若い男女の物語と共に、作者である私の視点から、進めていく。テーマは、2022年9月14日にリリースされたSARD UNDER GROUNDの1st ミニアルバム 日の名残りに収録された「恋が待ち伏せしていた午後」である。同曲はテレビ愛知で放送されたショートショートのアニメ「おかしなさばくのスナとマヌ」の主題歌を努めていた。若者の心情を丹念に綴った同曲は、昼下がりに、心を通わせデートする男女の姿が浮かび上がる。ファンと直接対面があるSARD UNDER GROUNDのリリース記念イベントのレポートと共に、冬晴れの都市部のたび物語である。
写真 左 おかしなさばくのスナとマヌ 掲載元 公式サイト https:/
写真 右 SARD UNDER GROUND 公式サイト
紹介する場所
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・東京都新宿区新宿御苑 訪問日 2月12日（月・祝）
�� SARD UNDER GROUND イベント
・セイコー時計ミュージーアム 1月14日（日）
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・イベント 東京都中央区銀座 山野楽器本店 訪問日 1月14日（日）
・イベント 東京都新宿区新宿 マルイメン 訪問日 2月12日（月・祝）
�� 神奈川県川崎市多摩区 生田緑地
・日本古民家園 https:/
・岡本太郎美術館
夜景スポット
・東京都港区麻布台ヒルズ地上33階展望台 訪問日 1月14日（日）
・神奈川県川崎市多摩区三田 ｚ坂 訪問日 2月12日（月・祝）
夜景FUNより https:/
第1章 新宿御苑 早咲きの河津桜
2月12日（月・祝）一人の青年が、雲ひとつない澄み切った青空の下、薄手のコートを羽織った彼女と新宿御苑の新宿門の前で待ち合わせをしていた。ゲートを潜り、散策を開始する。
大都会新宿の中の緑豊かな空間には、老若男女問わず、幅広い世代が訪れる。ベビーカーを引き連れて、散策する若い親子連れの姿に、青年は未来の自分の姿と重ね合わせていた。
SARD UNDER GROUNDの「恋は待ち伏せしていた午後」は、デートする若者の心情を丹念に綴っている。 必：全詞掲載
Ａメロ
歌詞：「神様はパレットいっぱいの色で世界を描いた 影まであたたかいその絵には運命がたくさん眠っている」
我々人は、個性が豊かである。身長が高くて、バネがあり、バスケットボールで活躍するスポーツマン、または本の内容を暗記するような記憶力を発揮する読書家まで、それぞれ異なる能力を持つ。一方で産まれながらハンデを負い、影で生きている人の存在も忘れてはならない。我々人は、互いに権利を尊重し、共に手を取り合って、一つの社会を築き上げた。生きている限り、運命は良い方向に向う、そう青年は信じていた。
続く歌詞では、彼女への思いを語っている。
歌詞：「君に出会うまでの私は、モノクロの世界を生きていたみたいだよ。こんなにもきれいな色があると知らずに」
彼女に出会うまで青年自身は、憂鬱だった。今は自分を出迎えてくれる人がいるおかげで、物の見方が大きく変わった。
新宿門側、レストランゆりのき前には、梅の木の足元には、スイセンペーパーホワイトが芽を出していた。
細くて大きく張り出した枝についた花を眺めると、腰をかがめながら、スイセンにも視線を注いだ。梅の花言葉は「上品」、「高潔」、「忍耐」、「忠実」の4つである。古来より人々は、寒風吹きすさぶ2月に、白や紅の小さな花を付けるあでやかな姿から、清楚で大人しい人物を想像していた。一方、スイセンペーパーホワイトの花言葉は「神秘」と「尊重」である。冬場にひっそりと咲く姿から、人々は畏敬の念を抱いていた。
二人が次に向う場所は、南側の日本庭園だった。枝葉が落ちている中、濃いピンクの花をつけた河津桜に来場者の視線が吸い寄せられていた。分類学上バラ目バラ科サクラ亜科サクラ属の一種で、本格的な春を迎える前に咲き出す。写真家にとってはお決まりの構図となる、蜜を求めてスズメ目メジロ科のメジロの群れが、枝の上にとまった。平均体調はわずか18ｃｍ、緑色の背中は、葉っぱの保護色になるとはいえ、鮮やかなピンクの河津桜の木に降り立つと、目にとまりやすい。枝から枝へ小刻みにわたるうちに、チラッとカメラの方にも顔を向けてくれた。青年も彼女も、密を集めるメジロを追っているうちに、心の距離がぐっと縮まった。その心境は続く歌詞に表れている。
「この恋はまるでおとぎ話 愛と呼ぶには何かが足りないみたい Oh, love is safe」
求愛期前の2月、メジロはせっせと密を吸って、栄養を蓄える。青年は、彼女と夢中で観察したものの、何か一言足りないことに気付かされた。
サビの歌詞へ
「恋が待ち伏せしていた午後に君をみつけられて良かった。強くなる君への想い 誤魔化せないから両手広げた」
青年は、両手を広げて、彼女を受け止める覚悟を決めた。一緒に散策しているうちに、想いは強くなる一方である。
歌詞：「Ah 欠伸しながらでいい ゆっくり歩いていこう 悲しい夜 始まる夢が 愛に満ちた物語であるように」
メジロの群れが去っていくと、二人は手を取り合って、歩き出した。足元には、黄色い花弁をつけたフクジュソウが顔を出していた。「幸せを招く」、「永久の幸福」の花言葉が示すとおり、二人は将来寄り添いながら生活していく姿を描いていた。
新宿御苑から、銀座へと移動した。お昼時は、車の往来がなく、歩行者天国と化す。広い通りの真ん中を、シャネルのバックを下げて歩く貴婦人に、視線を注いだ。銀座は、日本で最も公示地価が高いエリアとして知られている。中央通り沿いには高級料理を提供するお店や、ブランド物店が並ぶ。さすがに若い二人には、高嶺の花だった。
青年自身、彼女をデートに誘うまで、心労を重ねていた。Ｂメロでは、青年の揺れ動く心情を丹念に綴っている。
歌詞：「気持ちが騒がしくて、慌てたり、静かになったり、喜びで満たされたり、悲しみで満たされたり、恋は忙しいね」
確かに、恋というのは、その都度相手に左右され、気持ちが揺れ動く。時に自分自身さえ見失ってしまう。
あの有名なオーストリア人心理学者アドラーによると、「全ての行動には（本人も無自覚な）目的がある」と説いた。いわゆる「目的論」である。
もう一つアドラーは、恋する人への行動について、「使用の心理学」と呼んで説明している。端的にいうと、人間は、他者の行動によって、心が突き動かされるのではない。自分自身の目的のために、感情表現をするのである。最も良い例は涙である。悲しいときやうれしい時、目が潤む。次第に抑えきれなくなり、涙になってこぼれ落ちる。その理由は、他者と悲しみや喜びを共有することにより、絆を深めることにある。
人は、役者でもなければ、意識的に涙を流すことはない。全て無意識のうちに、目からこぼれ落ちてしまうのである。
恋も同じように、相手の行動如何により、無意識のうちに、感情がほとばしってしまう。その都度、心を落ち着けて、冷静になることにより、相手の本音を引き出すことができる。
続く歌詞：「人の心の形は、言葉で表しきれないから。身体中で君を感じられるまで 遠くの街へ 独り歩いてゆこう」
自分の思ったことを全て伝えることはできない。心の迷いから、一人町から離れていった。
第2章 時計博物館 SARD UNDER GROUND イベント
（１）時計博物館
さてここから私の目線で物事を語っていく。銀座ではデートするカップルの姿はもちろん、親子で買い物を楽しむ人々も見かける。お店の中は、ブランド物の日用品が並び、庶民には手が届かない程の価格設定をしている。時計店セイコーでは、ブランド物の時計を求める客を接待していた。一般庶民の目線にも立ち、無料での見学コーナーを用意していた。その一つが「セイコー時計博物館」だった。日本に問わず、世界から時計を収集していた。とりわけ、目を引くのは、近代物理学の父ガリレオ・ガリレイの振り子時計だった。
時計の開発には、ガリレオ・ガリレイの発見が一役かっている。彼は「振り子」について、同じ長さであれば、振れ幅やおもりの重さに関係なく、同じ時間で振れることに気付いた。1583年に、検証した結果を論文にまとめ「振り子の等時性」として発表した。
振り子の周期性を明らかにすることにより、時間の経過がよりはっきり分かるようになる。さらに応用発展させたのは、オランダ人のクリスチャン・ホイヘンスだった。1656年、振り子の等時性は、振り幅が極めて小さいときに限られていることを突き止めた。改良の必要性から、振り子を2枚の板の間に取り付け、振れる幅を制御することにより、誤差1日数分に縮めた。1675年に振り子の代わりとしてヒゲゼンマイの付いたテンプ時計を歴史上初めて作ることに成功し、フランスで特許を取得した。当時最も小さいサイズで高さも厚さも10ｃｍになる振り子式時計だった。ヒゲゼンマイのついたテンプ時計の開発により、小型化に成功する。懐中時計としての実用化にも貢献した。時刻表示もより正確になり、時針から分針、秒針まで搭載され、より精密になった。我々の日常生活においても、秒刻みでスケジュルーを管理することができる。時計の正確性は、人間の日常行動も変えた。科学の基礎を作ったガリレオ・ガリレイとホイヘンスは、後世にその名を刻んでいる。
（2）SARD UNDER GROUND イベント
さて、紹介するのはZARDのトリビュートバンドとしてデビューしたSARD UNDER GROUNDのリリース記念イベントである。彼女たちは、2024年3月20日（水・春分の日）に、5ｔｈアルバム「ZARD tribute Best celection」をリリースする。14曲入りのアルバムには、2019年9月18日のデビューアルバム「ZARD tribute」に含まれた9曲を再録していた。1月14日（日９の銀座山野楽器本店から、3月24日（日）まで、27箇所を予定している。
私自身は、1月14日（日）午後1時から銀座山野楽器本店、2月12日（月・祝）午後1時からの新宿マルイメンで行われたイベントに参加した。リリース記念イベントは、トークを挟みながら4曲熱唱する「ミニライブ」と、来場者とアーティストが直接対面でプレゼントを受け取る「特典会」に分かれる。通常のライブよりも、参加人数が少なく、ファンとアーティストの距離が近い。前方には座席が並べられ、後方は立ち見である。
セットリスト
1月14日 銀座山野楽器本店
�� 心を開いて �◆〔欧譴覆ぬ襪鯤�いて �� この愛に泳ぎ疲れても �ぁ．泪ぅ侫譽鵐�
2月12日 新宿マルイメン
�� Good bye My Loneliness �◆／瓦魍�いて �� 運命のルーレット廻して �ぁ”蕕韻覆い�
披露した7曲は、全てZARDのカヴァー曲である。銀座山野楽器店でのＭＣにおいては、2019年のデビュー時を語った。同年9月18日にリリースした1st ALBUM「ZARD Tribute」を引っさげたリリイベの初日は、ここ山野楽器銀座本店だった。彼女たち自身も、ZARD Tributeの収録されたナンバーを再録したアルバムを出したいとの思いを抱いていたという。当時と比べて、神野友亜自身も、ボイストレーニングの成果により、キーが上がっている。ヴォーカルの声量が豊かになると、バックの演奏も変わるという。初日にデビュー5周年に向けた意気込みを語った。ラストナンバーの「マイフレンド」では、観客の手拍子がより、小さな会場にこだました。ZARDオリジナル盤と比べると、Ｂメロ後の間奏は、ギターソロから、坂本ひろ美によるキーボードソロに代わった。ギターに比べて、キーボードは、柔らかい音が出る。坂本ひろ美は、滑らかな指使いで、しっかりと弾きこなしていた。
続いて、新宿マルイメンでは、トークにおいて、メンバー自身リラックスしている印象を受けた。イベント開催に向けて、移動時には、メンバー一堂スイカゲームに嵌っていることを打ち明ける。坂本ひろ美は、読書をする習慣もあるという。神野友亜は、リリイベのセットリストについて、いつも考えていることを、オーディエンスに伝えた。坂本ひろ美は、お薦めの本を、Ｘ（旧ツィッター）のコメント欄を含めて、教えてください、とオーディエンスに呼びかけた。確かに本を読むことにより、新たな知識や世界に触れ、より感性が豊かになる。彼女たちがリスペクトするZARDの坂井泉水も本が好きだったという。神野友亜は、「今年やれていないスノボーをする」と意気込みを語った。杉岡泉美は「美味しいもの巡りをしたい」と希望を口にした。過去のスケジュルーを確認すると、彼女たちは2023年12月27日に大阪にてファンクラブイベントを開催した。年越しを挟み、すぐにリリース記念イベントへと入っている。年末年始ゆっくりしている期間が短かったことが想像できる。ラストナンバーの「負けないで」は、国民的応援歌、作詞者の坂井泉水は、リズミカルなメロディーに、男女の青春を描いた歌詞を付けた。メッセージ性のある内容から、カラオケでも歌いやすいと評価されている。発表から31年の時を経ても、マイ応援歌として、多くの人々の心に残っていた。
写真＝2024年2月4日 千葉県テラスモール松戸にて 掲載元 神野友亜Ｘにて
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さて、特典会において、来場者はアーティストから4種類になるポストカードをランダムにて、受け取る。私は、銀座山野楽器店において、面と向き合い、神野友亜の歌詞について触れた。
一礼した後、単刀直入に切り出した。「私は神野友亜さんの歌詞について考えることがあります」、神野友亜は、瞳孔が開き、「はい」と合図して、聞きの姿勢に入った。深呼吸を入れて、話始めた。「｛恋は待ち伏せしていた午後｝という歌に次のフレーズがあります。「神様はパレットいっぱいの色の世界を描いた」
ベースの杉岡泉美もキーボードの坂本ひろ美も静かに耳を傾けていた。「もし、神様が色鮮やかな世界、つまり個性を認めたことを、多くの人々が認識していれば、現在のようなガザ紛争はなかったと思います」
神野友亜は、沈痛な面持ちで頷いた。脇にいる二人も黙っていた。ガザ紛争の当事者、イスラエルはユダヤ教、ガザ地区を実効支配するハマスはイスラム教のスンニ派である。つまりは宗教戦争の意味合いを持つ。イスラエルのエルサレムにおいては、キリスト教徒、アルメニア使途教会、イスラム教徒、ユダヤ教徒が、それぞれ別々の地区で暮らしている。2022年4月１５日には、イスラム教徒が礼拝するアルアクサ・モスク、通称岩のドームにおいて、イスラエル警察と、イスラム教を信仰するパレスチナ人との間で衝突が起きた。同月、イスラム教徒のラマダーンとユダヤ人の過越の祭、キリスト教の復活祭（イースター）が重なり、民族間で緊張が高まっていた。一連の衝突により、150人のアラブ人が負傷したとみられている。2023に事態はさらにエスカレートした。10月7日に、ガザ地区を実効支配するハマスが、イスラエルへ越境攻撃に打って出た。報復感情を募らせたイスラエル軍が、民間人を巻き込んで軍事作戦を続けたことにより、民族間の軋轢が深まる一方である。
写真＝エルサレムの解説 掲載元 論座アーカイブス
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私は、続けて話した。「神野友亜さんは、世情を反映した歌詞を作りました。坂井泉水さんも世の中の出来事に注意深く耳を傾け、歌詞を通してメッセージを発しました。しっかりと思いを受け継いでいると思っています」
坂井泉水自身は、バブル崩壊により世の中暗い空気に覆われる中、透明感のある歌声から、人々を勇気付けたと評価されている。神野友亜は、普段から坂井泉水の歌詞を読み、歌い方も学んでいるという。
私は会話の締めくくりに、未来への展望について語った。「ガザ地区と共に、ウクライナでもまだ戦争が終る気配がありません。避難民も数多く発生しています。生活が再建の目処が立たず、苦しい日々を送っている人が沢山います。難民たちに希望を灯すような歌を作ってください」
銀座山野楽器店では、ヴォーカリストの神野友亜の歌詞をテーマに話を進めた。次の新宿マルイメンでは、ベースの杉岡泉美とキーボードの坂本ひろ美を意識して、要望を伝えた。「メンバーの方々が、体調に気を使い、イベントを開催していることは分かっています。このような全国を駆け巡るリリース記念イベントを含め、単体の映像作品としての発売が実現することを願っています。」
メンバーからは、笑顔を返してもらった。ヴォーカリストの神野友亜は、自身が作成した歌詞について言葉をもらうと、恥ずかしいのか、やや視線を落としていた。
SARD UNDER GROUNDは、活動拠点は大阪である。2024年はデビュー5周年を迎えるにあたり、一段と活動が活発になることが予想される。これまでと同じく、ファンから直接声を聞きながら、イベントの開催を重ねていく。
写真＝2023年1月13日（土）千葉県幕張メッセで開催のオートサロンライブ2024出演前の楽屋にて
神野友亜 Ｘアカウントhttps:/
第3章 生田緑地 夜景
さて「恋は待ち伏せしていた午後」に描かれた男女を中心とした物語の続編である。都市部で彼女と過ごした青年は、日を改めて会うことになった。舞台は神奈川県川崎市多摩区の生田緑地、敷地内の日本古民家園を訪れた。江戸時代から残る日本全国の民家を移築展示した野外施設は、ゆったりとした時間が流れている。関東の村,太田家の母屋の前では、ボランティアの職員が、人の腰ほどの高さになる青い葉っぱを育てていた。植物名はアオキといい、4年から5年かけて、育つという。殺風景な2月に、瑞々しい緑の葉っぱは、若い二人の気持ちを表しているようだった。
「恋が待ち伏せしていた午後」の続く歌詞にも現れている。
歌詞：「もう一度巡りあえたら 一日の始まりはこんな歌がいい。Just lovin you」
昔懐かしき母屋を観察していると、新鮮な気持ちになる。江戸時代の母屋は、間取りが広くて、開放的だった。夏場は風が通り抜けることにより、幾分涼しく感じられる。逆に吹きっさらしの冬場は、寒さが厳しい。人々は、薪に火をくべて、暖をとっていた。
幸いにも2024年は暖冬の影響により、快適に過ごせるようになった。古民家園の外も緑に覆われ、日光を程よく吸収してくれる。都会とは一味違った雰囲気を味わえた。
サビの歌詞：「恋が待ち伏せしていた午後に君を見つけられて良かった。ふと浮かぶ君の名前を、呼んでみたら少しなけた」
青年は、彼女と一緒に森林浴をすることにより、心が吸い込まれていくような感覚を抱いた。素直に、気持ちを吐き出した。
歌詞：「Ah また会えるその日まで 強く空に願おう。独りの夜 始まる夢が 愛に満ちた物語であるように」
青年は、彼女を掴んで離さず、そのまま、敷地内の岡本太郎美術館を訪れた。
作品名 樹人 年代：1951年 作品名 よろこび 年代：1982年
岡本太郎は、奇抜なアイディアで、一誠を風靡した画家である。身近な猫や犬などの動物や、茶碗やお皿、木などの植物を擬人化した作品を数多く残した。作品のモチーフは1枚、１枚異なるとはいえ、共通点はいくつかある。どの作品も、眼光が鋭く、腕や足を力強いタッチで描くことにより、躍動感を表現していることにある。時に現実離れした世界を描いた作品は、21世紀に生きる我々の心をひきつけてやまない。後世の画家の作風にも大きな影響を与えている。
（2）夜景z坂 麻布台Hills
生田緑地から、西の専修大学の方面へ歩き、およそ2ｋｍ離れた多摩区三田の住宅街の通りを抜けていく。川崎浄水場を迂回し、小高い丘の上に立つ住宅地を結ぶ坂の途中に見晴らしの良いスポットがある。浄水場と丘の上に繋がる道路の形から「ｚ坂」と名々された。
写真＝17時13分 平地からz坂を見上げる
ｚ坂は、浄水場の奥にこんもりと生い茂った生田緑地を背後に、都市部のビル群を臨む。逆に西側は、坂の下から尾根沿いにかけて住宅地が続く。食器を洗う音や、テレビの音が聞こえる中、二人は暮れゆく町並みを眺めた。
写真＝17時39分 写真＝17時43分
Ｃメロのサビ：「恋が待ち伏せしていた午後に勇気絞りだせてよかった。溢れ出す君への思い、はちみつ頬張った時のように」
青年は、彼女をデートに誘い、高層ビル群の中に聳えるオアシスとなる新宿御苑、郊外の緑豊かな生田緑地で、小さい春を見つけた。殺風景な冬場に咲く梅や河津桜の木には、甘い蜜を求めてメジロが集う。その甘い蜜から栄養を蓄えて、メジロも恋の季節を迎える。
歌詞：「Ah ときめき感じていたい 振り返らずに歩いてゆこう。また君にくる 人生の夢が 愛に満ちた物語であるように」
写真＝17時48分
人生は時に躓くこともある。苦しみを乗り越えることが出来る力は「友情」や「愛情」だった。青年は、ただまっすぐ見つめていた。
歌詞のラストフレーズ：「愛に満ちた物語であるように」
作詞者神野友亜は、若い二人が永遠に結ばれるように、メッセージを添えた。西暦2000年9月14日生まれの彼女はｚ世代の一員、小さい頃から歌うことが好きだったという。高校卒業と同時にデビューし、一般人とは異なる日常を過ごした。住む世界は違っても、彼女はどこにでもいる若者像を描いていた。坂井泉水の世界を受け継ぎ、令和を生きる我々の日常を表現していた。
さて最後に私自身の視点から、1月14日の銀座でのリリース記念イベント後に訪れた麻布台ヒルズの地上38階の展望室からの夜景を紹介する。
麻布台ヒルズは、開業間もなく、物珍しさから、観光客が押し寄せ、夜景の時間を見計らい、場所取りを行っていた。ガラス越しに写る真っ赤に染まった東京タワーが、主役として引き立つ。背景のビル群も、シンボル的存在の東京タワーを前にかすんでしまう。
逆に西の空は、箱根や丹沢の山々の稜線から富士の頂が浮かび上がっていた。人口1000万都市の東京は、日暮れになると、ビル群の窓から明かりが漏れる。道路では、車の列が出来ることにより、テールランプが、点滅する。光量の多さは圧巻だった。
写真＝17時8分 写真＝17時14分
写真＝17時17分
少子高齢化が進む日本だが、都市部では若者によって、活気を帯びている。労働力不足が叫ばれる中、ようやく企業の間でも賃上げの動きが高まった。坂井泉水が出現したバブル崩壊時から、30年の時を経て、経済界も変わりつつある。SARD UNDER GROUNDのメンバーは、z世代を代表し、坂井泉水の世界観を表現しながら、音楽活動を続けていく。
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