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2024年05月19日23:46

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ZARDの坂井泉水が育った丹沢山麓秦野市を中心に旅をする 2024年第4回 4/28(日)第5回4/29(月・祝)アドラーの心理学に基づいた旅小説 〜MIND GAME〜 5月27日は坂井泉水の17回目の命日 

ネット上では、北陸新幹線の新たに開業した区画福井県敦賀駅が、大きな話題になっている。駅周辺には、漫画家として日本を代表する松本零次の作品「銀河鉄道999」と「宇宙戦艦ヤマト」のモニュメントが、至るところに設置されているという。日本が誇る文化の一つはアニメ、作品の舞台を回る「聖地巡礼」は日本人に問わず、海外の観光客からも人気である。日本海に面した敦賀は、北陸新幹線の開業により、今町全体が活気を帯びている。
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=241&from=diary&id=7867662

 <ZARDの坂井泉水が育った神奈川県丹沢山麓秦野市を中心とした旅 2024年第4回目4月28日、第5回目4月30日(月・祝)テーマ曲 MIND GAME>

 前回 第3回目 4月7日(日)テーマ曲「Season」
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 昨2023年同時期の日記 訪問時 4月29日(土・祝)5月4日(木・祝)テーマ曲「揺れる想い」
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 目次
・第1章 厚木市七沢森林公園で石楠花とつつじを鑑賞
・第2章 つつじの丘公園へ、アドラー心理学
・第3章 伊勢原市を経由して秦野市へ
・第4章 4月29日の足柄上郡松田町・開成町の旅の紹介 28日秦野くずはの家へ
・第5章 クライマックス 夕景・夜景 アドラー心理学 共同体としての持つべき感覚

 ZARDの坂井泉水の命日は5月27日、ファンに別れを告げず、突如この世から去った坂井泉水は、今伝説のアーティストと化している。彼女の思いは、トリビュートバンドとして2019年にデビューした「SARD UNDER GROUND」へと受け継がれ、今ZARDの現役時代を知らない若い世代にもアピールを展開している。2024年は、昨2023年に続き、命日となる5月27日には、ZARDのオフィシャルサイトと共に、東京都の六本木と大阪府の北堀江では、献花台の設置が決まった。バブル崩壊による暗い空気を振り払うような、明るいポップナンバーを発表し続けた坂井泉水は、今なお歌い継がれている。

写真=2013年5月27日の7回忌 大阪北堀江の顕花台にて手を合わせるファン 掲載元 ORICON NEWS https://www.oricon.co.jp/news/2024992/photo/2/
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 2024年、ZARDの坂井泉水が育った秦野市を中心とした旅、第4回、第5回のテーマ曲は、1999年4月7日に24thシングルとしてリリースされた「MIND GAME」、

写真=MIND GAMEのCDジャケット
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爽快で軽快なポップチューンに仕上がった同曲は、湿気がなく、からりと晴れ渡った空の下、若葉が芽吹く、ゴールデンウィークの景観とも合わさる。今回心理学者アドラーの理論を下に、私の旅を一人の青年に置き換えて勧めていく。

 第1章 厚木市七沢森林公園で石楠花とつつじを鑑賞

 4月28日(日)首都東京の最高気温が25度に達したこの日、朝から快晴に恵まれ、たっぷりと日差しが降り注いでいた。朝イチで向ったのは、厚木市の七沢森林公園、人里から離れ、緑豊かな空間には、所々木が伐採され、高低差を利用して、階段状の芝生が整備された空間がある。日差しが届くことにより、朱色やピンクのシャクナゲが花を咲かせていた。4月上旬には早咲きが開花し、丁度中咲きが見頃を迎えていた。蕾の状態の株もあることから、ゴールデンウィーク中にも開花することが予想されている。園内のステージ広場に面したシャクナゲ園は、早咲きの株が多く、花びらを落としていた。

写真=ステージ広場のシャクナゲ
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逆に、ステージ広場から、管理事務所のほぼ真上にかかるつり橋の反対側のおおやま広場のシャクナゲ園は、中咲きから遅咲きの株が多く、見頃といえる状態だった。

 写真=おおやま広場のシャクナゲ
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 シャクナゲには、「警戒」、「危険」、「威厳」、「荘厳」など4つの花言葉がある。なぜ、われわれ人が近づきがたい言葉が並ぶのか、自生地の環境に起因する。古来より、人里離れた高知の傾斜地に、春先花を咲かせていた。土壌が浅くて、寒さが厳しい環境に、しっかり根を下ろし、鮮やかな色の花を咲かせることから、気高くて誇り高い女性像とも重なる。

 人の気配がなく、シャクナゲの花を観賞しながら、森の中でさえずるキビタキの美声に耳を澄ます青年、別れてしまった恋人が、手の届かなない高貴な存在だと気付かされた。

 花を観賞するうちに、思いを募らせていた。ZARDのMIND GAMEの歌詞には、遠くへ行ってしまった恋人と過ごした日々を振り返る若者像が映る。

 全詞掲載

「流星の上の夜空に飛び散る princess キラキラ煌いている マインドゲーム 時間と空間の中で」

 彼女は、いつまでも夜空に瞬く星さながら、青年の心の中で、思い出として輝いていた。

 木陰にも次第に光が差し込むことにより、ツツジの色味が引き立つ。

 ツツジの花言葉は、「節度」、「慎み」、「努力」の3つが知られている。桜の花が散り、初夏の温かい空気に誘われて、開花する様子から、控えめで謙虚な女性像を彷彿とさせる。CDのジャケットに写った坂井泉水は、清楚な黒髪スタイルに、切れ長の目が特徴で、スーツやドレスを着こなす芯の強い女性に見える。現に彼女は、バブル崩壊後の暗い雰囲気に飲まれず、昭和のたくましい女性をコンセプトに、作詞を続けていた。彼女のメッセージは、時を越えても、人々の間で共有されている。

  第2章 つつじの丘公園へ、アドラー心理学

 続いて七沢森林公園から北東へおよそ1km、厚木つつじの丘公園を訪れた。神奈川県屈指の5万2000本のツツジが植えられた。ヤマツツジ、キリマツツジ、オオムラサキを含め、6種類が順々に咲き出す。午前9時前、開けた空間には、遠くから車できたファミリー世帯や、地元民を含め、散策路を行き交っていた。見所は遊水地を取り囲むように咲く複数の品種の競演である。太陽光が照ることにより、水面から立体的に浮かび上がる樹木を縁取るかのように、赤やピンクの花々が映り込む。実際には傾斜地の麓のツツジの背後は常緑樹林である。水鏡を通して、樹木が映し出されることにより、ツツジを覆っているようにも写る。水鏡の世界は、虚飾の空間である。決して我々の手に触れることができず、思いを募らせる一方であることから、心象空間という。

フォトフォト

 詳細 空間情報クラブ 2023年1月4日付 憧れが作り出す心象空間
https://club.informatix.co.jp/?p=1972

 鏡の中の世界は、確かにデリケートである。木々の隙間から風が吹き込むことにより、水面には小波が立つ。すると、水面に映り込んだ木々や花々も、風に揺れているように見える。実際の木や花は、決して動いていない。時に強風にあおられ、実際の木々が揺さぶられると、水面は激しく波立つことにより、空間そのものも消し去ってしまう。

 我々人は、実際の行動よりも、心の方がすぐに反応してしまう。心理学の鏡の法則によると、自分が他者に抱いた感情が、そのまま跳ね返ることを差す。例えば、相手に憎しみを抱くと、返りうちにあう。19世紀から20世紀のオーストリアの精神科医アドラー(生誕1870年2月7日、没1937年5月28日)は、鏡の法則から、全ての人の悩みは対人関係にあると説いた。

詳細 masayoga 2019年2月2日付 https://masa-yoga.com/live/1413/

「人は、自分自身の理解できる範囲を超えて、他人のことを理解できない」、他者と寄り添うには、自分自身をしっかりと知ることが必要である。自己研鑽を積むことにより、友達や恋人、家族と向き合うことができる。MIND GAMEのAメロの歌詞にも書かれていた。

 歌詞:「あの頃は 笑ってた 二人だったけれど 人の心は多情でウソもつく」

 一緒に過ごした期間、お互いに今が大切で、将来の不安も忘れていた。ついに自分を大きく見せたくて、出来ないことをやり遂げると、見栄を張ってしまった。

 アドラーの心理学において、5つの要素がある。「自己決定性」「目的論」「全体論」「認知論」「対人関係論」である。

 詳細 とらばーゆ 

 一つ目の自己決定性について、生育環境に問わず、自分の行動如何により、人生が決まると説いた。

 確かに、人は、産まれた時の環境は様々である。先祖代々農家や林業家、漁師の家庭で生まれると、小さいときから、身近に感じられる。両親や祖父・祖母などから教わり、技術を習得しやすい。一次産業の従事者になるには、確かに環境によって左右される。ただし、決められた道は一つではない。都会の雑踏に飲まれていると、田舎暮らに憧れさえ抱くようになる。それでも、人間成長するにつれて、自分自身の境遇を理解するようになる。自分は都会人と割り切れば、普段はオフィスへ通い、休日時折のんびりとした田園地帯に通うようになる。青年も同じだった。恋人に思いを伝えられず、新居への引越しに伴い、別れた。恋人と寄り添うべく、故郷に残るのも一つの選択、彼は恋人について来てもらいたいと願いながら、仕事で都会に向ったのである。すべては自己決定性に基づき、今の人生を歩んだのである。

写真=MIND GAMEのジャケットの一場面
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 続く歌詞では、恋人から主人公の青年への見方が描かれている。

「おっちょこちょいな彼と一緒に居ると こっちまで Trouble! 違う私になる見たい come alive」

 彼女は、青年と共に過ごした間、時に振り回されていた。都会へ出ると告げられた際、彼女自身も迷っていた。お互い心は通じ、将来のことまで考えた。疎遠になったきっかけは、青年自信が、新居の引越しに伴い、ドライブデートの約束を忘れたこと、結果的に別れも言えないまま、離れてしまった。

 なぜ、別れたのか、数式のように明確な答えはない。進学や就職などで、境遇が変わりやすい若い頃は、些細なことで縁が切れてしまう。

 続く歌詞:「肝心なこと コンピューターだって教えてくれない 疲れたまま明るく装って でも生きている」

 アドラー心理学の2つ目の基本「目的論」によると、人は将来の目的によって行動する。青年自身、なぜ都会へ出たのか、新たな世界へ飛び立ち、見識を深めて、成長することだった。大きくなっていく自分を、彼女に見届けてほしかった。

 サビの歌詞:「流星の上の 夜空に飛び散る princess キラキラ煌いている マインドゲーム」
 
 恋も流れ星のように過ぎてしまった。一瞬とはいえ、人を好きになるということは、充実と達成感を味わえる。次の家庭を築くうえで、恋愛は予行演習でもあった。

歌詞:「時間と空間の中 未来のイメージ ずっと焼き付けて ふたつの心は スローモーション」

 過去の自分から、次の展開を想像する。彼女との心の距離は、ゆっくりと縮まっていた。ただ一歩すれ違うだけで、急に離れてしまった。

 新緑に映えるツツジの花を通して、自分自身を振り返っていた。

 ツツジの丘公園の最寄の「森の里5丁目」からバス便に乗り、およそ1,5km先の森の里の若宮橋で下車した。

 谷戸状の地形に作られた公園は、尾根部から底部の池にかけて、人口の沢が流れている。子育て世帯を呼び込むべく、すり鉢型の敷地の両岸のポールに糸を括りつけ、こいのぼりを飾った。沢沿いのモミジの木は、若葉が芽吹き、黄緑のパステルカラーに染まった。

 写真=若宮公園のコイノボリ     写真=公園内の風月亭
 フォトフォト

 桜の花が散り、枝葉が伸び出す季節、われわれ人も成長が試される。

 Bメロの歌詞:「今の自分の物の見方の状態次第で Trouble 違う世界が弾けるよ come alive」

 。青年自身は、若葉が萌え出る季節、かつての自分を想像する。一方で将来順調に歩んでいれば、瑞々しい若葉が、未来の自分に映ったのかもしれない。アドラー心理学の3つ目の基本「全体論」によると、心と身体は一つに繋がっていると解釈する。われわれ人は、分かっていても、実行に移せないことが多い。なぜなら、「心と体」、「理性と感情」、「意識と無意識」を別々にとらえるからである。アドラーは、解決方法として、一つの共同体であるべきだと主張する。

 確かに、家族や友人との間で、すれ違いが起こる理由は、思ったことを行動に移せないからだった。アドラーの全体論によると、青年も理性をコントロールし、感情を抑え、恋人に素直に気持ちを打ち明けるべきだったのである。

 歌詞:「明日の結果が気になるのも分かるけれれど 君との信頼だけは失いたくないね」

 自分の起こした行動がどのような結末を迎えるか、まさしく神のみぞ知る。大事なのは今の人間関係を維持することだった。

 第3章 伊勢原市を経由して秦野市へ

 若宮橋バス停から、本厚木駅へと戻り、4番目の訪問地となる伊勢原市の田園地帯の中の小高い丘の端に位置する杉山土建のつつじ園に向った。

 ツツジの合間から、丹沢山塊の稜線越しに、うっすらと雪を被った富士の頂が顔を出す。強い日差しの影響により、ツツジの株は萎れかけたとはいえ、富士をバックに写し出すと、日本画を彷彿とさせる1枚になる。

 写真=富士山とツツジのコラボ     写真=シャクナゲ
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受付にいた職員によると、水蒸気量が少ない朝方だと、きれいに富士山が見えると教えてくれた。つつじの開花期間はおよそ2週間、きわめて短い間鮮やかな花を楽しむには、季節に問わず、手入れをする必要がある。富士山とのコラボレーションを期待して、今や伊勢原市外の住民も訪れるようになった。

 下り方面に一駅先の秦野市鶴巻温泉駅にかけての田園地帯で、オオヨシキリのオスがしきりにさえずっていた。電柱には、田畑に潜むネズミを狙うハヤブサ科のチョウゲンボウが止まった。チョウゲンボウは、体調わずか30cm足らずの小型猛禽類。翼を広げて風を切るように滑空する姿から、青年は一目で正体が分かった。

 写真=オオヨシキリ       写真=チョウゲンボウ
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 茂みで鳴くオオヨシキリも田んぼの上空を滑空するチョウゲンボウも、繁殖から子育てまで、毎年決まった時期に行う。対照的に我々人は、気まぐれである。昭和のように、職場を通して、お見合い結婚は無くなりつつある。出会いに恵まれず、独身状態が続く人も多い。恋愛においては、間違った思い込みは禁物。アドラー心理学の4つ目の「認知論」によると、客観的に物を見ることにより、共感を引き出すことができる。相手が必ずついてくると決め付け、ぐいぐい引っ張っていこうとすると、嫌われてしまう。他者のことを気遣えるような「共通感覚」を持つことが大切である。時に自分の行動は、他人を振り回しているのではないか、と疑って、思いとどまるべきだった。

 5番目の訪問地は、標高340mの神奈川県立はだの戸川公園、GWに見頃を迎えるはずのフジの花は、咲き始めである。ピークを迎えると、弦をびっしり覆い尽くす程、薄紫の花が垂れ下がる。花言葉は、「優しさ」「歓迎」「恋に酔う」「忠実な」「決して離れない」の5つ、風になびく姿から、愛しい人を招き入れるような縁起の良さを感じる。

 藤棚の下で、仲良く寄り添うカップルの姿があった。吊橋を渡り、水無し川を挟んで対岸に位置する見晴らしが良い「桜の里」付近から1枚撮影した。手前の斜面にピークを終えた菜の花を置き、丹沢山塊をバックに、レンガつくりの風の吊橋を中心に据える。木々の葉が芽吹く季節、吊橋も完全に風景の中に溶け込んでいた。我々人はさらに小さな存在だった。

 写真=バス停側の藤棚  写真=桜の里から一枚
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 歌詞:「流星の上の夜空に飛び散る princess キラキラ煌いている マインドゲーム あなたがそこにいるから 手探りのまま 向こう側へ行こう 降り注ぐ肩にはスローモーション」

 青年は、昼過ぎに芝生を広げて寛いでいるファミリー世帯やカップルを見て、彼女がそこにいるように錯覚してしまう。自分でもはっきりと道が分からないまま、風の吊橋の麓を流れる水無し川を渡った。背丈が低いニシキギの木に成る小さな実を見つけ、ささやかな幸せを感じ、大倉バス停へと戻った。

   写真=ニシキギ
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第4章 4月29日の足柄上郡松田町・開成町の旅の紹介 28日秦野くずはの家へ

 ここで私自身が、翌29日(月・昭和の日)の日中に訪れた松田町西平畑公園のハーブガーデン、コキアの里、隣接する開成町の瀬戸屋敷を簡単に紹介する。他に3番目の訪問地、はだの歴史博物館の模様は、今回掲載を控える。

 松田町西平畑公園は、早咲きの河津桜の名所、シンボルとなる全長1,2kmのふるさと鉄道の走行休止により、朝10時前ひっそりとしていた。

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園内の奥にあるコキアの里は、傾斜地を利用して、ネモフィラを育てている。かすむ富士をバックに、青い可憐な花々を写すことができた。

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園内の南斜面に位置するハーブガーデンの庭の1角には、ラベンダーがまとまって咲いていた。南の足軽平野と、西の富士山を見渡せる園内は、春のさわやかな風を受けて、リラックスすることができる。眺めのよさは、随一だった。

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 隣の開成町瀬戸屋敷では、5月5日の正午まで子供の日に合わせて、鎧兜が飾られていた。敷地内に目をむけると、坂井泉水が好きだったカラーの花が芽を出していた。

   写真=瀬戸屋敷の外観    写真=敷地内に咲くカラー
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 古民家の敷地に育つ花々は、由緒ある日本の文化を海外へアピールする際に役立つ。円安の影響も重なり、3月18日(日)につづき、この日も外国人観光客の姿があった。開成町は、地形が平らで、水田が広がる。農地の合間に、菜の花やアジサイ、タチアオイなど植物を育てていた。人と植物が共存する環境が、令和時代の今も続いている。

 写真=敷地内に咲くビックリグミ 写真=アジサイ
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 4月29日、午後3時ごろに訪れたのは、くずは自然の家である。住宅街の中に突如顔を出す緑のオアシス、くずは川が流れる渓谷には、13万から12万年前に堆積した関東ローム層が露出している。火山灰や軽石、スコリアなどの火山噴出物に由来する細かい粒子を含む。西暦2020年11月の情報によると、市内の小学6年生の学習に備え、年に一度の頻度で、清掃活動を行い、観察しやすくするという。

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 くずは自然の家で活動する85歳の職員によると、地学や植物、昆虫を含め、毎週日曜日8回の受講で、一つの講座を開いているという。終了すると、ボランティア解説員として現場に立てる。85歳の職員は、65歳を超えてから、学び始めたと、答えた。歳をとってからの挑戦で困難なことは、覚えることが難しいことにあると、語ってくれた。勉強や仕事においても、より頭が柔軟な若いうちは習得が早い。人生は一度っきり、与えられた時間をいかに大切に使うのか、その人の生き方を左右する。アドラー心理学の5つ目の理論「対人関係論」によると、我々の行動には、必ず相手が存在する。相手次第によって、自分の役割が変わることから、それぞれ異なる顔を使い分けていく。職場では、部下に対して厳しく指導する立場にたっても、家庭では子供たちの面倒を見る「優しいお父さん」だったりする。臨機応変の言葉通り、その場、その場で的確に対応することにより、社会に溶け込むことができる。緑に覆われた渓谷を散策するうちに、セラピー効果によって、心も体も軽やかになり、そのままより高台に位置する東へおよそ1km先の田原ふるさと公園へと向った。

 第5章 クライマックス 夕景・夜景 アドラー心理学 共同体としての持つべき感覚


時刻は午後5時を回っていた。沈みゆく太陽によって、淡い光が、田畑を照らし出す。既に地域の文化を教える伝承館は、閉店準備に入っていた。個人が管理する田んぼの中の道を走り、より高台から、富士山を見渡した。ひときわ高い富士の周りを、絵筆で書いたように、筋雲が不規則な形を描きながら取り巻いている。

写真=17時34分
 フォト

作業中の農家も、トラックに荷物を積み、帰りの準備を始めていた。我々の台所に並ぶ食物は、暑い中でも、作業する人々の労力によって支えられる。心理学者アドラーが、我々に訴えたかったのは、「共同体感覚」を培うことである。人間の社会は、経済学の父アダム・スミスが説いた分業で成り立っている。地域の足を支えるバスの運転手、荷物を届けるトラックドライバー、病気の人々を助ける医療従事者、それぞれが与えられた仕事をこなすことにより、重要なインフラが支えられる。共同体感覚は、自分を受け入れる(自己受容)、他人が自分を支えてくれる(他者信頼)、自分は他人に貢献する(他者貢献)、の3つの意識で成り立つ。青年自身の旅も、朝型と夕方から夜を中心に不規則な勤務をするバスの運転手、ホットな情報を届けてくれる観光協会やくずはの家の職員によって支えられた。青年の方からも、秦野市近隣のスポットを巡り、植物の開花状況や、野鳥との出会いについて教えた。自分自身をしっかり見つめ、出会った人々を信頼し、新たに情報を共有したのである。達成感を得たまま、弘法山公園へと向った。浅間山(標高196m)と権現山(標高243m)を貫く道路沿いの1角が、ネモフィラ畑と化す。ちょうど富士山を背景に、透明なブルーのネモフィラが植えられた。日没後間もないトワイライトタイム前に、一組のカップルは帰ったものの、一人の若者が残っていた。

 夕焼けに染まる中、風にそよぐネモフィラによって、すがすがしい気持ちになった。

 写真=18時46分    写真=18時48分
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 MIND GAME Cメロのサビの歌詞:「流星の上の夜空に飛び散る Princess キラキラ煌いているマインドゲーム 時間と空間の中 始めることも 踏み込むこともしない みちなんてスローモーション」

 自分は、臆病で、挑戦を避けていたのかもしれない。暮れゆく町明かりを眺めると、郷愁が呼び起こされた。

 翌4月29日(月・祝)は、トワイライトタイムに、渋沢丘陵・今泉町の高台から、秦野盆地の町並みを見渡した。日暮れまで農作業に勤しんでいた夫婦に、イノシシに気をつけるように、注意を受けた。畑の中で撮影したことをとがめられると思っていた。一声かけてくれただけで、安心する。

 歌詞:「流星の上の夜空に飛び散る Princess キラキラ煌いているマインドゲーム スランプを抜け出してゆこう 未来のイメージずっと焼き付けて 二つの心はスローモーション」

 写真=18時39分          写真=18時43分
フォトフォト

 若い自分には、先がある。彼女との心は、すれ違ったまま、ゆっくり動いているのではないか、秦野盆地の町明かりを見て、ゆっくりと自分が温かい家庭に吸い込まれていくように感じた。自分を信じ、他者を信頼することにより、「共同体」の一員になれる。新緑の丹沢山地を旅して、心機一転した青年は、颯爽とした足取りで、丘陵地を下っていった。

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