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2023年11月13日21:01

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SARD UNDER GROUND LIVE 2023 9月18日(月・祝) ライブ前の旅 大田道灌 手まり会館 フンボルトペンギン 羽田空港夜景 他NHK紅白歌合戦について

11月13日(月)第74回NHK紅白歌合戦の出場歌手が発表された。注目されたのは、日韓合同グループTWICEの日本人メンバーから成るミナ、サナ、モモによって結成されたユニット「MISAMO」である。今年の夏に大阪と横浜にて、初めて開催したSHOW CASEの模様を記録した映像が、早くもBlue-ray作品としてのリリースが決まった。TWICEとして過去4度出演、今年はMISAMOとして初登場する。

写真 掲載元 タワーレコード https://tower.jp/article/feature_item/2023/10/27/0101
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https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=137&from=diary&id=7634241

  <9月18日(月・祝)SARD UNDER GROUND LIVE>

 今回は、私自身が残暑厳しい9月18日(月・祝)に訪れた世田谷区のてまり会館、川崎市幸区夢見ヶ崎動物園と隣接した加瀬台古墳、大田区Zepp Hanedaで行われたSARD UNDER GROUNDのライブレポートを公開する。

昨年ライブ https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1983823229&owner_id=32437106

 2023年9月10日リリース記念イベント https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1985941247&owner_id=32437106

目次
・第1部 2章構成 ライブ前の旅
・第2部 2章構成 ライブレポート

 第1部 旅模様 てまり会館、加瀬台古墳 羽田空港夜景

    (1)等々力緑地と古墳、手まり会館へ

 残暑が厳しい中、いつにもまして青空が広がっていた。この日は、ZARDのトリビュートバンドのSARD UNDER GROUNDのデビュー4周年でありながら、年に1度のライブ開催の日である。舞台は、昨年10月23日(日)のツアーと同じく、Zepp Hanedaである。10月1日(日)には、Zepp Nambaで2公演目を行う。私自身は、ライブ観戦に先立ち、世田谷区内を散策し、夕方神奈川県川崎市幸区夢見ヶ崎動物園に足を運んだ。

 最初の目的地の等々力緑地は、樹木調査のために、立ち入り禁止だった。その近くの野毛塚古墳を経て、スマホのナビ機能を使い、個人運営の博物館を探した。

 訪れた場所は、東急東横線の上野毛駅ほど近くの手まり会館である。祭日の月曜日は休館日に指定されているものの、詳しく分けを説明して、私個人向けに公開してくれた。

 詳細 日本手まりの会 http://www.nihon-temari.jp/page/organization


入館料は300円、運営主の年配の女性は、積極的に入場料を徴収する意図はなかった。お礼の意味をこめて、私は財布の紐をあけて、100円玉を3つ差し出した。年配の女性は、一般社団法人「日本手まりの会」の本部を兼ねていると説明してくれた。地下1階は、土日・祝日を中心に手まり教室を開いているという。1階の広い一室のガラスケースの中には、生徒の作品を含め、展示されていた。

 写真=生徒の作品         写真=尾崎千代子氏の作品
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 年配の女性は、日本手まりの会の会長を務めている。母親である尾崎千代子氏の功績を伝えるべく、開館したという。その尾崎千代子氏は、戦後間もない頃協会を立ち上げ、手まり文化の発展に貢献した人物である。平安時代から確かに地域ごとに手まりの文化は残っていた。亡き母親で名誉会長の尾崎千代子氏が、それぞれの地域の会の代表者と連絡をとり、一つの組織へと統合し、「日本手まりの会」として東京に本部を構えるにいたったという。

 ガラスケースの中には、名誉会長である尾崎千代子氏の作品と共に、娘である現在の会長尾崎 敬子氏の作品も並べられていた。尾崎敬子氏は、年齢的に90代であるにも関わらず、毎日散歩をし、会員と共に手まりを作成しているという。コロナ前までは、LAやパリなど外国へも頻繁に足を運んだと、述べていた。手まり文化を広めた母親の功績を、90代になっても受け継いでいた。偶然訪れた手まり会館にて、私自身新たな知見を得ることができた。

     (2)加瀬台古墳と夢見ヶ崎動物園、羽田空港夜景

その次に向ったのは、川崎市幸区に位置する加瀬台古墳と隣接する夢見ヶ崎動物公園である。JR南武線の鹿島田、わずか数百メートル西へ位置するJR横須賀ライン「新川崎」駅から見ると、小高い丘の天辺に位置する。加瀬台古墳は、芝生広場と化し、ボール遊びをする親子、見晴らしの良い経験を求めてデートする若いカップルが中心だった。発掘調査により、分かっているだけで11基の古墳が存在したという。今なお7基が残り、南加瀬貝塚も発見されている。園内のこんもりとした丘の前には、江戸城を城築した大田道灌の功績を説明した看板が立てかけられている。

 写真=園内の古墳
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室町時代の後期、太田道灌が江戸城と主君・扇谷上杉定正の館との中継拠点とすべく築城を検討した。実際に宿営してみると、一羽の鷲によって、兜を持ち去られたという。頭部を守る重要な甲冑は、戦闘中においても、シンボル的存在だった。兜を取り返すべく、空を飛ぶ鷲を追っているうちに、はっと目が覚めた。夢であったことにほっと胸を撫で下ろしたものの、悪い予感から、築城を諦めた。現在川崎市によって運営された動物園は、大田道灌の逸話から「夢見ヶ崎」と命名したという。

 つわものどもが夢の跡 2023年1月29日付 https://fanblogs.jp/shirononagori/archive/766/0

 大田道灌は、人望が厚く、兵の扱いから、作戦を立てることを含め、軍師として高い能力を発揮した。一方で文化人としても優れた才能を示していた。和歌を詠む能力は、遠く離れた京都の天皇家にまで伝わった。文武両道の道灌に対して、唯一主君・扇谷上杉定正(おうぎかつうえすぎさだまさ)は敵視していた。やがては、兵を挙げて、一揆を起こすのではないか、と邪推していたのである。文明18年(1486年)、相州糟屋(現在の神奈川県伊勢原市)の定正の館で道灌は暗殺された。死に際に、「当方滅亡」と叫んで事切れたと伝えられている。54歳だった。
今なお神奈川県伊勢原市で眠っている。地元では、毎年10月初旬に「道灌祭」を開催し、有名人を招待することにより、大勢の聴衆を集めた。後世へ名を残す武将は、歴史小説でも取り上げられ、大河ドラマ化への要望も絶えない。江戸城を築いた伝説の武将は、関東一円で功績が残っていた。
 

古墳と動物園との間には明確に敷居がなく、散歩感覚でまわることができた。園内は一転して、ベビーカーを引いた若い母親と小さい子供の家族が中心だった。閉園準備に入る午後4時代、フンボルトペンギンが暮らすプールサイドは、飼育員によって、きれいにモップで磨かれていた。展示スペース内は、高低差がある分、角度を変えて観察できる。窓ガラスに張り付けば、泳いでいる姿を下からのぞける。魚の鰭代わりに翼を振りながら進むと、泡が立っていた。一歩高いところに立つと、見方が変わった。水の中からプールサイドに上陸したペンギンが、足を滑らせることなく、翼を伸ばして、バランスをとっている様子が分かる。陸地での動きは確かにぎこちない。対照的に体が軽くて、細い分、水の抵抗を受けにくい。水中では魚類顔負けのスピードで泳いでいた。
 野生では絶滅危惧種ながら、日本の動物園と水族園では、70園飼育されている。親に連れられて園にかよう子供たちは、実際ペンギンに触れることにより、親しみを持つようになる。種を保護するえでも、貢献していた。


 写真=フンボルトペンギン
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 夢見ヶ崎動物園から、会場のZepp hanedaの最寄りとなる京成本線の天空橋へと移動した。会場の丁度真上の羽田イノベーションシティは、第3ターミナルを見渡せる格好の夜景スポットである。

 写真=18時8分撮影
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 空が青みを帯びている分、ライトアップされた滑走路により、航空機がより引き立つ。雰囲気的にも格好に良いスポットだった。

 第2部 SARD UNDER GROUND LIVE 2023

詳細 画像掲載元 STAGE 2023年10月17日付記事 9月18日のZepp Haneda LIVE REPORT  https://stagegear.jp/20230918sardunderground

   (1)ZARDとSARD UNDER GROUNDの世界観

 午後6時10分を前に、展望室から離れ、会場内へと入った。開園は、予定より数分遅れてスタートしていた。既に1曲目の「揺れる想いtribute2023」、「息もできない」のZARDカバー曲を披露していた。コロナ5類移行により、会場内の雰囲気もがらりと変わった。2021年は、原則スタンディングでマスク着用が義務付けられていた。2022年は、スタンディングは認められたものの、マスク着用と共に、声出しは禁止だった。2023年は、全ての制限が解禁された。2曲披露後、MCにおいて、デビュー4年目を迎えられたこと、新たに5周年へ向けて、ファンに向って挨拶をする。会場から手拍子がなり、かすかに声も聞こえた。

 続く4曲目は、ミディアムメロウの「心開いて」、坂本ひろ美のキーボード演奏から始まる。コードを弾く際、実際に2つ、または3つの音を重ねて鳴らす。指先が滑らかな分、無駄なく、音が繋がり、メロディーを奏でる。、2019年のバンド結成時、拠点とする大阪府のhills パン工場のライブハウスでも披露した曲である。歌詞の方は、一人の若者が、気になった人への思いを綴っている。

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 冒頭の歌詞:「私はあなたが想っているような人ではないかもしれない。でも不思議なんだけど あなたの声を聞いてると とっても優しい気持ちになるのよ」

 恥ずかしがりやな主人公は、気になった異性がいると、声をかけることを遠慮してしまう。少し距離をとりながら、じっと観察をしていた。

 Bメロのサビの歌詞に現れている。「ビルの隙間に二人座って 道行く人をただ眺めていた。時が過ぎるのが、悲しくて、あなたの肩に寄り添った」

 慌しく人が行き交う都会の公園、ふと隣のベンチに腰掛け、気になった異性に声をかけた。行き交うカップルや親子連れをただ見ているだけでは、心を満たすことはできない。徐々に話すうちに、距離が縮まっていくのを感じた。

 心を開いては、ZARDの名曲として、今なおカラオケでも歌い継がれている。SARD UNDER GROUNDのヴォーカリストの神野友亜自身、ヴォイストレーニングの成果により、音域が広がった分、時にアクセントをつけることにより、歌詞に描かれた二人の気持ちを表現する。

 作詞者の坂井泉水は、Cメロのサビで物語の結末をつけた。「どんなときも、あなたの胸に、迷わずに飛び込んでゆくわ、Youre dream、I belive ときめいている。心を開いて」

 恥ずかしさやためらいはなく、しっかりと気になった人に向って、心を開いていた。

 ヴォーカルの神野友亜自身も、強弱をつけて歌うことにより、ストーリー性を出していた。 小説や漫画と同じく、歌手において求められるのは「表現力」である。ZARDの歌詞を読み込むことにより、しっかりと我々にメッセージを伝えていた。

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 その後、「Top Seacret」、「瞳閉じて」とカヴァー曲が続く。瞳閉じては、AメロからBメロへ徐々にテンポが上がる。坂本ひろ美のピアノメロディーと、神野友亜の透き通った声が合わさった。バンドの演奏がないと、よりオーディエンスに歌声が届きやすい。言葉を大切にしていた坂井泉水を意識したかのように、一語一語つむぐ様に歌った。聴衆の心を一気にひきつけると、バンドサウンドが入るBメロは、アップテンポなメロディーにしっかりと対応した。

 MCに入ると、「瞳閉じて」への思いを語った。ライブでは是非演奏したいと、兼ねてからおもっていたという。同曲は、2023年2月23日にリリースした5thシングル「卒業式」のC/Wとして収録された。トリビュートバンドとして、活動した経緯について語り合った。MCをリードするのは、関西弁が入ったトークで盛り上げ役のベーシスト、杉岡泉水である。声出しが解禁されたことにより、時にオーディエンスにも問いかけていた。彼女たち自身、ZARDの思い出に残る一曲をそれぞれ答えた。ヴォーカルの神野友亜は「マイフレンド」、杉岡泉美は「愛は暗闇の中で」、坂本ひろ美は「悲しいほど貴方が好きで」をあげた。3曲ともアニメの主題歌として共通する。マイフレンドは、高校バスケをモチーフにした作品「SLUMDUNK」、他2曲は、探偵を主人公にした「名探偵コナン」の主題歌に抜擢されている。アニメは、未成年を対象とすることから、歌詞自身も作品の背景に合わせて、青春ものに仕上がっていた。

 彼女たち、SARD UNDER GROUNDのオリジナル曲も、テレビ局からタイアップソングの依頼が入っていた。2023年8月から9月にかけて、テレ東京で放送されたドラマ「その結婚正気ですか」は、曲名もドラマと一致する。デジタルシングルとして配信リリースされた同曲は、CD化はされていない。8月下旬から9月下旬にかけて、全国5箇所で開催した9月20日リリース予定の6thシングル「役者犬のうた」を引っさげたインストアイベントでは披露済みである。メンバーが主体となり、サビの歌詞の中では、両手を使ってハートマークを作る振り付けを行う。彼女たちの公式Tiktokでも振り付け動画がアップされていた。兼ねてからウェディングソングを作りたかったとの思いを明かしていた。

 写真 掲載元 Music Apple https://music.apple.com/jp/album/
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 結婚は、人生を決める一大イベント、プロポーズを受けると、相手が本心なのか、今一度確かめたくなる。歌詞は一貫して女性目線に立っていた。

 Aメロのサビの歌詞「その結婚、正気ですか?強い私も弱い私も全部嘘じゃない、本当はあなたといたいけれど、強がってしまう」

 人生において、好きな人と寄り添うことが、何よりも幸せである。一方で籍を入れて、共に暮らしていくとなると、居住環境や経済状況などの要素も絡む。確かに先のことを考えると、将来が不安になる。Aメロの一節には、結婚のタイミングについても触れている。

歌詞:「キャリアだけを積み重ねて、無敵に生きてきた。私にも賞味期限がある。忘れていたわけじゃないわ」

 女性の社会進出が進む時代、結婚や出産でキャリアが頓挫してしまうこともある。キャリアを積み重ねても、時に仕事に躓くと、心が不安定になりやすい。帰宅後、自宅で一人ぼっちだと、寂しさを感じてしまう。就職と同じく、結婚にも適齢期がある。タイミングを逃せば、後々難しくなる。

 Bメロの歌詞では、結婚事情をストレートに表現している。

{「結婚は急いじゃだめ」、みんなにそういわれてきたし。ずっと旅をしてきたけれど、ゴールはどこなの?完璧な相手を今まで探してきたけれど、完璧じゃないあなたを知って、自分を知った}

 結婚を急ぎ過ぎて、相手のことを知らないと、悪いところが見えてきて、後に不和が生じる。私にはいい人がいないか、理想を追い求めると、現実とのギャップを感じて、判断を決めかねる。就職、結婚は全て完璧にいくわけではない。折り合いをつけることも必要だった。作詞者の神野友亜は、令和時代の若者の結婚事情を、歌詞にしっかりと描いていた。

 曲の方は、坂本ひろ美が一推しの「悲しいほど貴方が好きで」、杉岡泉美おススメの「愛は暗闇の中で」も披露する。

 その次のMCでは、異例の暑さだった夏を振り返り、プライベートにおいて、秋への思いを語った。キーボードの坂本ひろ美は、「京都で紅葉狩り」、ベースの杉岡泉美は、「ハロウィンの仮装」、ヴォーカルの神野友亜は「ロープウェーでの紅葉巡り」と答えた。

 後に杉岡泉美は、自身のX(旧ツィッター)にて、予告どおり、吸血鬼風のメイクをした写真をアップした。彼女のつぶらな瞳から、小悪魔のように見える。

 写真 掲載元 杉岡泉美 X 10月31日付 
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 イチョウが黄色に、モミジが赤色に、クヌギやコナラがオレンジに染まる錦を織り成す紅葉の秋、落葉広葉樹の種類が多い島国日本列島ならではの絶景である。2023年は、梅雨時から降水量が少なく、台風の被害も最小限にとどまった。木々の葉が色づく秋、列島が最も色彩豊かな季節へと変わる。ライブは、グループとしての個性を打ち出していた。

   (2)デビュー5周年への始まり

 続いて新曲となる6thシングル「役者犬のうた」の紹介と共に、演奏に入る。その次も、オリジナル曲の「イチゴジャム」だった。

 歌詞のモチーフは、令和時代の若者の恋である。イチゴジャムを通して、男女の関係性を表現していた。

 Aメロのサビの歌詞:「君に作った イチゴジャム 甘さは控えめがいい 温めると溶ける 二人の恋みたい」

 イチゴジャムの原料は、リンゴやかんきつ類、重量比10%程砂糖を含む。電子レンジで温めると、中の水分が蒸発し、たちまち溶けていく。

 恋においても、べったりするのは禁物、互いに程よい距離感で接することにより、ゆとりがうまれる。落ち着いた状況を作ることにより、気兼ねなく接することができる。

 ライブでは、一気にボルテージが高まり、手拍子が鳴り響く。神野友亜は、ステージから見て右手の杉岡泉美に寄り添った。互いに目を合わせると、杉岡泉水の左肩に、神野友亜は、右肘を置いて、客席に視線を向けながら歌う。ステージから見て、反対サイドの左手に位置する坂本ひろ美にも歩みより、オーディエンスに向って、「二人で作ったイチゴジャム」とリピートを求めた。声出しが解禁されたことにより、オーディエンスも合唱する。

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 激しいビートに合わせて、間髪入れずに、「黒い薔薇」へと続く。イントロ部分は、バックメンバーのギターの激しいリズムに合わせて、杉岡泉水は弦を爪弾く。不吉な予兆を示す黒い薔薇は、「憎悪」や「恨み」などネガティブな言葉の意味が含まれている。表現するのは魔界の森である。昼でも薄暗い森の中に、一軒の木造の家があった。軋むドアを開けても、明かり一つつかず、音もなく、静まり返っていた。持ち主不明の空き家の中へ入り、螺旋階段を登った。2階の一部屋に、二人だけの秘密の通路があった。別れを切り出された若者が、かつて付き合った相手を誘い込み、別の世界へと踏み出す様子を描いていた。象徴する光景が、Cメロのサビの一節にある。「君は僕の隣にいる 螺旋階段の夢のように 悪戯に咲いた花が散り 僕は光る 秘密の花園」

 相手が好きな気持ちが強ければ強いほど、別れを切り出されたときのショックは大きくなる。付き合った恋人との破局は、悲しいものである。現実を受け入れられず、元恋人を、さらって、新しい世界へ踏み出していた。

 ライブはラストスパートへ。4月21日にリリース30周年を迎えた「君がいない」、オリジナル曲「空っぽの心」、ZARDカヴァー曲「愛は暗闇の中で」を披露した。

 ZARDの7thシングルとしてリリースされた「君がいない」も失恋ソングである。好きな人に裏切られショックを受けた主人公を描いた「黒い薔薇」とは対照的に、君がいないに描かれた世界は、切ない気持ちを抱きながら、前を見据える青年の姿がある。歌詞の締めくくりには、次の言葉で結んでいた。「何もかも、時のすれ違いと、感じた、そのとき、切なく good-bye」

 若いうちは、進学や就職、その後の転職や転勤などにより、人間関係は変わりやすい。その時々によって、新しい人と出会い、関係性を深めていく。坂井泉水は、作詞家として活動した16年間を通して、若者に向って「未来への希望」を託していた。

 バブル崩壊により、暗い空気に包まれる中、人々にエールを送り続けた曲が、1993年1月26日に6thシングルとして発売された「負けないで」だった。

 写真 掲載元 ORICON https://www.oricon.co.jp/news/2297158/photo/2/
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  ライブの方では、本編最後に演奏された。今なお運動会のBGMに起用される同曲は、SARD UNDER GROUNDのメンバーも、結成時からライブハウスにて、頻繁に歌っていた。バブル崩壊の始まりと共に世に送り出された同曲、それから30年、令和時代にも後遺症は残っている。2020年のコロナ禍から世界は紛争の世紀に突入しているとの見方もある。資源価格の高騰に、円安が加わり、悪い物価高に襲われる時代、SARD UNDER GROUNDのメンバーは、オリジナル曲を発表しながら、ZARDの名曲を歌い継いだ。

 終盤にかけて、ヒートアップしたライブは、一旦暗幕が降りた。オーディエンスは、席について、入場時に受け取ったドリンクを飲んで水分補給をする。話し声は聞こえず、静けさに包まれていた。すぐに一人の男性によるアンコールが起こると、場内の観衆に刺激が加わった。手拍子と共に、さらに各席からアンコールが発生する。

メンバーの再登壇を期待する中、急にステージの照明がついた。3人のメンバーは、ステージサイドから、まっすぐそれぞれ所定の位置に向う。バックのバンドメンバーが準備につく中、観客に向けて、頭をさげた。拍手を浴びながら、マイクを口元に近づけて、トークをした。デビュー4周年を迎えるにあたり、ZARDのトリビュートバンドとして結成した経緯についても語った。もちろん、最初はプレッシャーを感じたという。次第にやりがいを見出すことができたと、思いを打ち明けた。

 会場へ駆けつけたファンに感謝の気持ちを表して、「Today is another day」、そして最後となる「マイフレンド」を歌った。

 マイフレンドは、スポーツをしているかのような爽快感が漂うナンバーとなっている。歌詞を読むと、競技に打ち込む青年を、静かに見守る恋人の姿があった。

 Aメロの一節:「ひたむきだった遠い日の夢は、今でも眩しい。どんなに不安がいっぱいでもまっすぐ自分の道を信じて」

 若いうちは誰しも夢を追う。人生一度きりである以上、進路の選択には、強い意志が必要である。大切なのは、ひたむきにまっすぐ進むこと。例え夢破れて、次の道を進む際にも、挑戦したことに後悔はない。

 Cメロのサビ:「いつも輝いていたね。少年のまま 瞳はmy friend あなたを想うだけで 心は強くなれた ずっと見つめてるから 走り続けて 走り続けて」

 神野友亜は、精一杯声を張り上げて歌った。杉岡泉美は、弦を爪弾いて、低音を出す。坂本ひろ美が奏でるキーボードメロディーによって、締めくくった。

 メンバー3人は、ZARDの坂井泉水を歌い継ぐトリビュートバンドとして、デビューした際、バンドとして定着するか、不安を抱いたという。
 彼女たちは、ZARD時代のスタッフに支えられ、坂井泉水が伝えたかったメッセージを発信しつづけた。コロナによる制限が解除されたライブで、よりオーディエンスの声が彼女たちに届いた。神野友亜自身は、ラストの「マイフレンド」で感極まり、声を詰まらせるシーンもあった。メンバーの杉岡泉美と坂本ひろ美に支えられ、調子を取戻し、無事に約2時間に渡るライブを完遂した。

 この日、2023年9月18日(月・祝)は、デビュー5周年イヤーに向けての始まりである。MCでは、目標についても触れていた。一つは、2021年9月1日に発売した「オレンジ色に乾杯」以来のオリジナルアルバムのリリースである。もう一つは、ライブの規模の拡大である。2019年から始まったツアーにおいて、活動拠点の大阪府と東京都の2会場2公演にとどまった。2024年は、愛知県の名古屋を初め、福岡県福岡市や宮城県仙台市など会場の規模を増やしたいと抱負を述べた。
 
 会場のオーディエンスのSARD UNDER GROUNDへの思いは、マイフレンドの歌詞にも表れている。

 Bメロのサビの一節:「あなたを想うだけで、心は強くなれる。ずっと見つめてるから 走り続けて、走り続けて」

写真 掲載元 杉岡泉美 X 2023年9月18日 https://twitter.com/sugioka_sard/status/1703773194417844672
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 SARD UNDER GROUNDは、往年のZARDファンを掘り起し、新たに感性が豊かな若いz世代をひきつけることにより、J-POP界に定着した。デビュー5周年イヤーに突入した今なお、走り続けている。


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