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2024年02月04日22:52

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火曜は……

 火曜は、上尾へ外出。
 仕事を終えて、上尾から電車に乗って……これは、思ってたよりも早く帰れるな、と。
 そこで時間をチェックすると、ちょっと寄り道して、ヒューマントラストシネマ有楽町、「コット はじまりの夏」に間に合いそう。

 そこで、先日予告編を観た時から気になっていた、
 「コット はじまりの夏」。

 これは、アカデミー賞国際長編映画賞ノミネートを始め、世界の映画祭で注目されたアイルランド映画。
 これまで、ドキュメンタリー作品を手がけてきたコルム・バレード監督の長編劇映画初監督作となる。尚、主演で、本作でデビューしたキャサリン・クリンチは、史上最年少の12歳でIFTA賞主演女優賞を獲得している。

 1981年、アイルランド。寡黙で、大家族の中にも、学校にも居場所のない9歳の少女コットは、母親の出産の為、夏休みを親戚夫婦のもとで過ごすことになる。
 牧場を営むショーンとアイリンの夫妻は、コットを暖かく迎え入れ、当初は戸惑っていたコットの心境にも変化が訪れる。緑豊かな農場で、本当の家族のようにかけがえのない時間を過ごすコットは、やがて自分の居場所を見つけて行く……
 
 これは、愛された実感もなく、安心出来る場所も知らない少女が、家族と離れて暮すひと夏を過ごす中で、人が生きる為に必要なものを見出して行く物語――よくある話のように思え、当初は見送り予定だったのだが、偶然観た予告編でのキャサリン・クリンチの横顔に惹かれ、有楽町まで足を運んだ次第。

 原題「THE QUIET GIRL」とあるように、コットは寡黙なのだけど、それは彼女の言葉を誰も聞こうとしなかったから――それだけで、彼女がどう言う境遇にあったのかが判る。そして、ショーンとアイリンがコットと、きちんと向きあうことで、彼女が少しずつ、普通の子供になって行く――人は孤独なままでは生きられず、その話を聞き、受け止めてくれる場所が必要……特に、子供にとっては……と言う事を痛感。
 映画は、細やかに、そして丁寧に、コットと親戚夫婦の関係性を描いて行く……幾つか、ドラマティックなエピソードは挿入されるが、基本、真っ直ぐでひねりのない物語。それを、単調と思わせないのは、やはり、コットを演じたキャサリン・クリンチ。撮影時10歳、これがスクリーンデビュー作だと言うのに、完成された美貌と、確かな演技で、これは凄いな、と。

 映画は最後の最後に、思わず涙を誘うシーンを描く。そして、そこでスパっと断ち切る、キリのよさは、同時に、コットはこの後も幸せに生きて欲しい、と願わせる。
 これはいい映画だった。
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